【熊がいない!】千葉県在住だから知ってる、犬連れで楽しむ千葉の登山5選

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千葉の登山5コースを3つの視点で比較解説!
※この記事は2025年12月にリライトしています。

今年の秋は熊に振り回されたアウトドアシーズンだった。
山中に入ると、とにかく熊が怖い。
世界一音が大きいと言われる笛を吹きまくる。

小学生時代から数十年ぶりに火薬銃を撃ちまくる。

命を守るために騒ぎまくった。

だが、そんな日本にも安全地帯がある。
それは千葉県だ。
千葉県に野生の熊は1頭もいない。
なのでどこでも安心して歩ける。

今まで犬と一緒にたくさんの千葉県の山に登ってきた。
どのくらいかと数えたら下記24の登山・ハイキングコースだった。
県内では人気の山手軽に登れる山、穴場の山を選んできたつもりだ。

鋸山(鋸南町・富津市)
小鋸山(富津市)
白狐山(富津市)
嵯峨山(富津市)
トビ岩山(富津市)
天羽城山(富津市)
伊予ヶ岳(南房総市)
高宕山(君津市・富津市)
富山(南房総市)
花嫁街道・黒滝(南房総市)
鹿野山(君津市)
清澄山(鴨川市)
元清澄山(鴨川市・君津市)
三石山(君津市)
御殿山(南房総市)
烏場山(南房総市・鴨川市)
嶺岡浅間(鴨川市)
三条大塚山(大多喜町)⇐ハイキング感覚の登山
三舟山(君津市・富津市)⇐ハイキング感覚の登山
米沢の森(市原市)⇐ハイキング感覚の登山
鴨川富士(鴨川市)
野見金山(長南町)⇐ハイキング感覚の登山
うまくたの路(木更津市)⇐ハイキングコース
もみじロード(富津市)⇐ハイキングコース


嵯峨山から望む富士山

千葉県は日本で一番最高峰が低い。
もっとも高い愛宕山の標高は、たった408mだ。
しかしながら、コースと季節を選べば八ヶ岳や奥秩父といったメジャーコースを経験した人でも意外に楽しめると思う。


手軽に登れる野見金山


穴場の米沢の森(御十八夜)の山頂

そこで犬連れでも登れる千葉県の低山ベスト3を選びたいと思う。
評価基準は完全に個人的好みの以下3つだ。
これらを10点満点で評価する。

1.頂上からの景色
山に登る目的ナンバーワン。
理想は360度の大展望。
だが、千葉県にそれを求めるのは酷なので、「視野内の障害物の少なさ」「頂上地形の爽快度」などを評価した。

2.コースの楽しさ
千葉県の山はすべて標高が低い。
ゆえにコースは基本的に木々がうっそうと茂っていてジメジメ&ヤマビル多数。
なので湿気の少なさやコース途中の見どころの多さなどを評価した。
また、私は根性なしなので長距離が嫌い
だが、距離が短か過ぎて帰宅後のビールを美味しく飲めないのもつまらない。
理想の距離は往復5~7kmです。
(そもそも10km以上歩く時間があるなら、より景色の良い他県へ行く)

3.犬連れ難易度
ハシゴの連続ならば大型犬は登れない
急登が続くようなら小型犬にはきつだろう。
また、清澄山(鴨川市)や三石山(君津市)は山頂がお寺になっていて犬連れ不可だ。
この2山については近くまで一緒に登って、山頂には自分だけで行った。
(鹿野山のお寺は犬連れ可)

以上の評価基準で選んだ千葉県低山ベスト3の5座を紹介しよう!
5座の理由は同点が複数あったから。

【第3位】
富山(標高349m・南房総市)
頂上からの景色8点・コースの楽しさ6点・犬連れ難易度9点:合計23点
(福満寺からのピストンコースの場合・登山口にトイレあり)


富山の山頂

日本百低山に選定されている千葉県では数少ない山。
けれども個人的には「欠点が少ない山」という印象。
山頂からの景色は360度ではないし、コース途中の見どころは山頂手前の東屋からの展望くらいだし、犬連れ困難な場所はゼロ。
つまり、「すべてが無難」というイメージしか残っていない。
ただし、過去2回登っているが、両方とも高曇りの日で、山頂脇の展望台から富士山がはっきり見えなかった。
富士山どーんっ!なら印象は大きく変わっていたかもしれない。

※2025年2月に再度登ってきました(3回目)。

ただし、バリルート(上級者コース)です。
結論として山頂展望台からの景色は千葉県トップクラスでした!
なので「頂上からの景色」は1点プラス。
しかしながら、初心者や犬連れに向いた福満寺からのピストンコースは、記憶していたより単調そうだったので、「コースの楽しさ」は1点マイナスとしました。
したがって、合計点は変化なし。

富山のくわしいコースの様子などはこちら↓
富山-千葉県|バリルートでアスレチック感覚なロープ場を楽しみ富士山を目指す犬連れ登山


三舟山(標高139m・君津市・富津市)

頂上からの景色6点・コースの楽しさ7点・犬連れ難易度10点:合計23点
(登山口にトイレあり)

三舟山の展望台からの眺望

木更津アウトレットに行くついでに歩きたくて見つけた山。


駐車場は広くてトイレ完備だし。


登山道は広くて明るいし。
展望台からの眺望は上の写真のように素晴らしいし。
さらに頂上の周辺は桜の森なので、開花時期登山&花見の夢の競演も楽しめる。
コースの高低差が少なく往復1時間30分程度。
登山というよりハイキングだ。
なので今回紹介する山の中でもっとも登山初心者にお勧めできる。
ただし、山頂は竹藪だ。

三舟山のくわしい情報はこちらで紹介しています↓
【千葉の初心者登山】三舟山|わずか30分で登頂!気軽に大展望と桜を味わえる低山を愛犬と歩く


※ここから上位は「文句があるなら他県へ行ってくれ!」と言い切れるレベルだと思う。

【第2位】

高宕山(標高330m・君津市・富津市)
頂上からの景色7点・コースの楽しさ9点・犬連れ難易度8点:合計24点
(登山口にトイレなし)
山頂直下の展望スペース

実は昨年末まで県内トップ評価だった山。
他県のベテラン登山者に「千葉県にいい山ない?」と尋ねられたら、迷わずこの山と後述する伊予ヶ岳をお勧めしていた。
それだけ登山らしい登山を楽しめる山だ。


まず、スタートして10分強で石射太郎山に到着する。
そこからの景色が、すでに県内随一クラス。
柵がある展望スペースから眺めることもできるが、写真の大岩に登ればスリルも同時に味わえる。
この大岩はワンコと一緒でもギリギリ登頂可能。
(細心の注意が必要です)


さらに脇道にそれれば「ここは妙義山ですか!?」と思えるような断崖絶壁もある。
ここは初心者なら失禁確定レベル。
ワンコは脇でお留守番だ。

一般コースに戻ると、千葉には珍しい一枚岩の稜線が続く。
とはいえ、幅が広いので安全だ。


そしてワンコでもギリギリ登れる岩の斜面「どうやってこんなところに建てたの!?」と目を丸くするお堂を越えれば、最初の写真の山頂直下の展望スペースに到着する。
この場所は山頂へ向かうコースの脇なので、あまり人が通らない。
結構な穴場だ。

お待ちかねの山頂は2m四方の岩場
それなりにスリルがあり360度の大展望だ。

唯一の欠点は、山頂が狭くていつも混んでいるので大型犬は登りづらいこと。
これでマイナス2点となった。


復路は渓谷沿いを歩くルートで晩秋は真っ赤な紅葉も味わえる。
トータル6.5km・4時間のコース。
「歩いた感」も十分られる。

高宕山のくわしい情報はこちらで紹介しています↓
高宕山-千葉県|初心者も中級者も満足!スリル・稜線・絶景・紅葉!バランスの良い名低山(犬連れ可)


さて、
第1位は2座あります。
【第1位】
鋸山(標高329m・鋸南町・富津市)
頂上からの景色10点・コースの楽しさ8点・犬連れ難易度7点:合計25点
(登山口にトイレなし)

「東京湾を望む展望台」からの大パノラマ

言わずと知れた千葉県を代表する山。
こちらも日本百低山にも選定されている。
だが実は、この山はあまり好きではなかった。
なぜなら大嫌いな急階段が多いから(関東ふれあいの道コース)。


ところが先日、車力道コースから登ったら印象が一変。
ずっと低から中レベルの傾斜だし。
途中で右側に海↑が見えるようになるし。
さらに上がっていくと横浜の摩天楼も。


極め付きは、「東京湾を望む展望台」からの富士山の眺望だ。
遮るもの一切なし。
鮮やかなブルーの海原に直接ドーンっ!
逆さにした横浜中華街の肉まんを手のひらに置いて腕を伸ばして見たくらいのサイズ感。
千葉県から見られる富士山では最大級だろう。
山頂からの眺望は普通だが、展望台からの評価で10点を付けた。


この後の行程も楽しい。
1985年まで稼働していた石切り場が、いくつも登場する。


それぞれに違う表情があり、すべてが時が止まったような空間。

このときは有料の「地獄のぞき」(ワンコ可)には行かなかったが、それでもコースの楽しさはトップクラスだった。
強いて難点をあげるとすれば、登山道というより観光地なので犬連れは気を使う
また、観光地ゆえに高宕山のようなワイルドさはあまりない

鋸山のくわしい情報はこちらで紹介しています↓
鋸山|千葉県ナンバーワンの富士山大展望と石切り場の奇景に圧倒される犬連れ登山


【第1位】

小鋸山(標高195m・富津市・鋸南町)
頂上からの景色8点・コースの楽しさ10点・犬連れ難易度7点:合計25点
(登山口にトイレなし)
小鋸山の山頂

鋸山と同点になったが、気持ち的にはこの山が単独1位。


なぜなら、コースのほとんどが大好物の明るい岩の稜線だから。
スタートして20分くらい森の中を歩けば、残りの2時間はずっとこんなに明るい岩稜。


しかも岩稜に入った途端に富士山が登場する。
左3分の1が鋸山に隠されてしまうので、露出度は鋸山や嵯峨山には敵わないが、それでも歩いていて楽しくて仕方がない。
これは急登がほとんどないことも関係しているだろう。


さらに岩稜が終わったと思ったら、この房総グランドキャニオン、またの名をチバンドキャニオンが出迎えてくれる!
なにこの地球離れした風景は!
ここから数百m先の小鋸山まで、火星探検の気分を味わいながら歩ける。


さらにさらに小鋸山手前の白狐山に寄り道すれば、こんなスリリングな蟻の戸渡りも味わえる。
「そんな場所は無理!」と思えるかもしれないが、実は両脇は平坦で危険度は低い。

最後に小鋸山に登頂すれば、最初の写真のように360度の大展望が待っている。
富士山もドーンっ!だ。

絶景あり、感動あり、スリルあり。
こんなに楽しさが続くアミューズメントパークのような山は、千葉県では唯一かも。
唯一の注意点は、小鋸山の山頂直下が岩壁のロープ場なので、初心者または犬連れは危険だと思う。

小鋸山のくわしい情報はこちらで紹介しています↓
小鋸山-千葉県|魅力はチバンドキャニオンだけじゃない!犬連れで富士山を望む絶景稜線ハイク


今回ベスト3に入らなかったが、どうしても紹介したい山が2座ある。

【番外編】
①伊予ヶ岳(南房総市)
頂上からの景色8点・コースの楽しさ8点・犬連れ難易度4点:合計20点
(登山口にトイレあり)

伊予ヶ岳の山頂。左右が切れ落ちていてかなりの恐怖感!

まずは伊予ヶ岳、またの名を「房総のマッターホルン」だ。
別名の由来は上の写真を見れば分かるように頂上が鋭い岩峰だから
登山ルートは片道1km強しかないが、この岩峰が「登った感」を満たしてくれる。


また、山頂までのラスト数十mがこの岩壁
この岩壁は突き当りを左に曲がってさらに続く。
はじめて見上げると「こここ、こんなの千葉にあるの!?」と腰を抜かしてしまうほどの迫力。
もっともきつい傾斜は60度くらいある。

備え付けのロープにしがみついて岩壁を登り切れば山頂だ。
ここからの景色が360度の大展望
しかも前、左右は100mくらいありそうな断崖絶壁
チェーン柵があるので絶対に落ちないとわかっていても、かなりの恐怖を感じる高度感だ。

伊予ヶ岳を一言で表すと
「鋸山(地獄のぞき)の魅力の90%を50%の労力で味わえる山」
つまりコスパが非常に高い。

ただし、最大の魅力である岩壁が「番外編」の理由となった。
握力がないワンコにロッククライミングは無理なのだ。
ゆえにワンコは登頂できない――。

わが家の場合、泰楽は吠えないいい子ちゃんなので、岩壁の下につないでお留守番してもらった。

伊予ヶ岳のくわしい情報はこちらで紹介しています↓
富山・伊予ヶ岳(千葉県)|1日で富士山の展望と岩登りを楽しむ犬連れ登山体験記

ちなみに富山から伊予ヶ岳はクルマで10分。
1日で回るこの二座の組み合わせは、ゴールデンセットだと思う。


②トビ岩山(富津市)
頂上からの景色9点・コースの楽しさ9点・犬連れ難易度?点:合計?点
(登山口にトイレなし)

トビ岩山の山頂

曇天で山頂から富士山が拝めなかったにもかかわらず、とんでもなく楽しかった山。


山頂と稜線歩きの絶景度は、千葉県では過去最高クラス!👊🏼
1位の小鋸山でさえ、房総グランドキャニオンがなければトータル評価で負けるかもしれない。

ただし、トビ岩山へのコースは基本的にバリエーションルート(上級コース)
むちゃくちゃ孤独だし、道迷いの危険性大。
犬連れ登山は、まったくおすすめできない。

危険度の低いコースもあるが、それだと片道たった800m。
これではトビ岩山の良さを実感できない――。

別コースもあるらしいが、そちらは未体験なので犬連れ難易度が分からない。
なので番外編とした。

トビ岩山のくわしい様子はこちら↓
トビ岩山-千葉県|山頂は切り立った断崖絶壁の大パノラマ!絶壁沿いの稜線歩きも楽しい犬連れ登山

なお、千葉県のほとんどの登山コースは、短距離なので日帰りで手軽に楽しめる
だが、基本的に木々がうっそうと茂っていてジメジメ&ヤマビル多数だ。
その上、低山なので夏場はとてつもなく暑い!
なので登るなら10月から5月。
ベストシーズンは、ヤマビルとワンコの大敵「マダニ」が少ない12月から3月だ。
12月初旬なら紅葉も楽しめる。


もみじロード(ハイキングコース・富津市)


千葉県以外でおススメの関東の低山はこちら↓

犬と一緒に手軽に登れて紅葉の絶景を味わえる関東周辺の山ベスト15

犬連れ登山を楽しむ人には、「持ち物」選びも重要です。
私が実際に使ってよかったグッズを、こちらの記事でまとめています↓
【買ってよかった犬用登山グッズ7選(靴・ウェア・リュック等)】

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