鵜山の七曲りで恐怖体験!?
水位:駿遠橋0.35m
毎年10月第1週の土日は、大井川ブルーでシーズン最後のカヌー&川遊びと決めている。
昨年(2023年)、晩夏の大井川↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/5291
だが、今年(2024年)の週末は10月に限らず、ずっと天気に恵まれなかった。
今回の10月第1週もそう。
しかし、翌週やっと快晴の予報になった!
ただし、その3日前は大雨。
なので水位が高い。
と、いうことは水が濁っているかもしれない。
でも、この週を逃すと都合上10月第4週になる。
それでは寒い!
なので10月第2週に決行することにした。
今回のテーマは「最後の夏」(私)、「のんびり」(嫁さん)。
水が嘘みたいに青く、流れの緩やかな大井川はまさに打ってつけだ。
ゴール地点にクルマ回収用の自転車を置く前に、川遊び場の下見に行った。
クルマを駐車して林道を歩く。
歩いても歩いても河原に出ない。
「遠過ぎでしょ!?」とUターンを考えていたら10m前方にデッカい獣がいるではないか!
熊!?
カモシカくんでした
丸々として体重50kgくらいありそう。
じっと私たちを見つめている。
逃げる様子まったく無し。
カモシカくんは、いつ会ってもトロい。
天然記念物なので触りはしないが、気持ち的には野良猫感覚でいいのではないだろうか。
同じ獣属の泰楽もいるし、仕方がないのでUターンすることにした。
ゴール地点の川根温泉へ移動。
河原を眺めると大きな流木だらけ。
やはり今年も豪雨被害は半端なかった模様。
オマケに思いっきり濁流。
去年の大井ブルー時の水位は0.03mだった。
今回は0.35m。
30㎝も多かったら濁るのだろう。
肩をガク~ンと落とす。
とはいえ、見上げれば雲ひとつない青空。
風を切って流されれば、きっと気持ちがいいはず。
チャリを置いて、スタート地点の昭和橋上流へ向かう。
昭和橋上流に到着すると気温は21℃だった。
風は秋の味がする。
それでも直射日光を浴びるとジリジリと暑い。
10時22分、ダウンリバー開始。
向かい風2~3m。
だが流れが速く時速5~6kmで勝手に進む。
ウェットスーツに着替えて感じていたムシムシ感が、すっーと引いていく。
見上げると突き抜けるスカイブルーの中にパラグライダーがぷかぷか。
期待通りの「最後の夏」ではないですか!
だが期待していないことも。
スタート地点から200m先に白波が見える。
さらに「ごぉぉぉー!」という轟音も響いてきた。
嫁さんのテーマは「のんびり」。
マズい……。
ドキドキで近づくと確かに2級弱の瀬だったが、川幅が広いので脇を通ることができた。
ほっとする。
この先は、やっとのんびりと飛び込みなどを楽しめる淵のはずだ。
期待に目をギラつかせながら行く先を凝視する。
ぐんぐん近づいてくる昭和橋。
「えっと、あの橋の手前に淵が2ヶ所あるはずなんですが……」
左手にすーーっと淵のはずの場所が通り過ぎていく。
止まりたくても流れが速くて止まれない。
あうあうあうぅ~
気がつくと昭和橋をくぐってしまった。
納得できない。
たしか橋の真下も淵になっていたはず。
無理やり上陸して泳いで橋の下に行こうとする。
40年近くサーフィンで鍛えた泳力でクロール。
2m、3mと進む。
でも力尽きて押し戻される。
再度2m、3mと進む。
でも力尽きて押し戻される――。
絶対に無理!
ぜーぜー言いながらカヌーへ戻ると、嫁さんと泰楽が支流の流れ込みで遊んでいた。
ここの水面はいくらかブルー。
でも水深は70cmしかない。
なので飛び込み不可。
ちょっとだけ一緒に遊ぶ。
まぁ、この先にも飛び込み可能な淵が2~3ヶ所あったはず。
気持ちを切り替えて漕ぎ出す。
するとわずか100mで1級強の瀬に突入。
こんなの前回はなかったのに!
波の高さは5~60cm。
それが100mくらい続いた。
大井川最強クラスだ。
(写真は漕ぎ切った辺り)
まっすぐなので危険ではなく、程よいスリルで楽しいことは間違いない。
でも、のんびりでもない。
どうした大井川!?
その後も2ヶ所ほど1級の瀬があった。
休む間がない。
そうこうしているうちに鵜山の七曲りと呼ばれる地帯に。
ここは大井川がもっとも大きく曲流している区間。
平地ではないのに曲流している珍しい地形ということで県の天然記念物に指定されている。
最初に登場したのは2級の瀬+直角の左カーブ。
見た瞬間に無理!
さっさと上がって歩こうとしたが、着岸する前にぐんぐん引き寄せられる。
「うおぉぉぉー!」
思い切りパドルを握って漕ぐ。
ドリフトしたまま浅瀬に座礁。
あと10m進んだら終了だった
30m歩いてから乗船。
流れのスピードがさらにアップ。
時速7~8㎞。
ジョギングくらいのスピードで進む。
スピード狂の嫁さんは、「これはこれで良し」と上機嫌。
でも、また1級強の瀬が登場。
集中して漕ぐ。
鵜山の七曲りは河岸が奇岩地帯なので、ゆっくり眺めたいのだが……。
そんなこんなで、あっと言う間にゴールの鉄道橋が見えてきた。
まだ50分しか経っていないのに!
「飛び込める淵はどこ!?飛び込める淵はどこ!?」
心の中で大騒ぎ。
ここで1級強の瀬&左カーブが登場。
インコースを攻めたらドリフト。
隠れ岩に当たって船体が右側に傾く。
目線の先には身体をぐっと左に傾けてバランスを取る嫁さんと泰楽。
私はなぜだか気合が入らない。
「もういいや」
そう思っている間に右側に傾く私の身体。
嫁さんと泰楽の姿が左側へ消えていく――。
要するに私だけ沈
幸い水深が70cmくらいあって岩に当たることなく流される。
前席で前方を見ていた嫁さんと泰楽は私を見失った模様。
水中でカヌーにつかまりながら、「おーい!」と呼ぶ。
「え~っ!」と目を丸くする彼女と泰楽。
飛び込みできないなら沈くらいしたくなりますよ。
そのままぷかぷか浮いていたら、ちょうど流れが緩やかな場所にたどり着いた。
高さ3m近い岩場もある。やっと飛び込める!?
大至急、水深チェック。
約1m――。
だが、ゴールは間近。
ここで遊ぶしかない!
泰楽に飛び込み指南を行うと、いつもは「いや、今日はいいっす」とごまかすのに、今回は素直に従った。
泰楽は高さより、流れが嫌いらしい。
入道雲の下で元気に飛び込んだ。
夏っぽいじゃん!
これはこれでいい。
それからは無事故でゴール。
6.4kmを1時間27分で漕いだ。
いつものペースより30分早い。
結局、1級以上の瀬が7つくらいあった。
富士川並みのハードさだ。
全部まじめに漕ぐ必要があったので2日後でも手のひらが痛い。
のんびりが売りの大井川がなぜ?
それに前回(7月)↓よりも水位が20㎝少ないのにハードさは上だった。
https://large-dog.iehikaku.com/archives/7219
ダムの放流量が多かったのかな?
とにかくなんとか「夏」を感じることができてめでたしめでたし。
撤収作業をしていると、泰楽が太ももをつんつんしてきて「ボクちゃんにも手伝わせてください」とうるさい。
仕方がないのでクーラーバックを運ばせた。
5mで足が絡まって挫折。
いい子だが役には立たない。
そんなことをしていたら、鉄道橋に電車が来た。
嫁さんが手を振ると、乗客も振り返してきた。
古き良き風景。
やっぱり大井川はいい!
私がチャリでクルマを取りに行っている間、この近くで待ってた嫁さんはSLを見たそうだ。
うらやましいぃ。
さて、次は支流に移動して今年最後の川遊びだ!
コメント