犬とカヌー「とことん青く、川面から眺める景色も絶品!」大井川(静岡県)

河岸に連なる巨大な一枚岩にうっとり
水位:駿遠橋0.03m

我が家の川遊びカヌーの最終日は、毎年10月の第一土日だ。
今年は天気予報とにらめっこして1週早く出かけた。
午前中はいつも鮮やかなブルーの川面を見せてくれる大井川を下って、
午後と翌日は山奥の透明度バツグンの清流でシャワークライミングをする計画。

今回のテーマは<最後の夏を味わい尽くす!

8時18分にゴール予定地の昭和橋上流に到着。
チャリを置いて地名駅近くのスタート予定地へ行く。
ここで事件発生。
工事中で河原に入れず。

「あうあうあう~
焦る脳みそ。
このコースは川がUの字になっていて、
6km漕げるのに対してクルマを取りに行くチャリの距離は、
たった1.6kmという夢のような地形。
どうしてもコース変更はしたくない。

しかし、ダンプカーが行き交う中を無理やり入るわけにはいかない。
肩をがっくり落としてゴール予定地の昭和橋から下るプランを考えることにした。

そこで頼りにしたのがインスタで知り合ったNさん。
たしか大井川が大のお気に入りだったはず。
もしかしたら都合のよいゴール地点を教えてくれるかもしれない。

早速電話を掛けてみる。
「ぷるる~、ぷるる~」
時は土曜日の午前。遊びに出かけている可能性大。
どうか電話に出てくださ~い!
「はい、もしもし!」

「昭和橋からスタートした場合のゴール地点ですか?
それなら<道の駅 川根温泉>がいいですよ。
コース自体も上流より楽しいと思いますよ!」


ナイスサジェスチョン。
ありがとうございます!

大至急、道の駅 川根温泉へ向けてアクセルを踏む。

到着するとちょっとした問題が。
河原へ下りるルートが見つからないのだ。
売店のおばちゃんに聞いてもはっきりしない。
恐縮しつつ再度Nさんにお聞きすると、
「鉄道橋下の藪をGO!」というご指示。

横でうんうん頷く嫁。
彼女のウェットはフルスーツ(長袖・長ズボン)なので抵抗感ゼロ。
しかし私はロングジョン(タンクトップ・長ズボン)なので抵抗感70%。
マダニに噛まれた経験3回の身としては、できれば避けたい。

とりあえずその場で河原に出られるか、
「エイ! ヤー!」と藪に突入してみた。
5m我慢すれば広い河原へ出ることができた。
振り向くと自分がどこを通って来たか分からないほどの藪……↓

 

だが、もう予定を2時間オーバー。
このままでは午後の川遊びができなくなる。
腹を括って藪の手前にチャリを置いた。

10時50分、昭和橋に戻ってスタート。

当初のテーマは
最後の夏を味わい尽くす!>
だったが時間がないので急遽、
<体育会系漕ぎまくりカヌー>
に変更。

天候は雲が多いものの晴れ。
気温25度。
日差しが照り付けるとジリジリする。
見上げると入道雲らしきモコモコも。
まさに最後の夏だ。

出航して50mで1級の瀬が50mくらい続く。
真っすぐなので、どんぶらっこっこと心地よい。

突き当りは小山のような岩壁で、その下は深そうな淵。
体育会系カヌー部なので淵は基本的に無視。
しかし、来シーズンのために深さだけは計測しておきたい。

「私が潜っている間に例外として泰楽と遊んでよし」

嫁にそう言い残して淵に潜った。
水温22~23度。
やはり静岡県の川は温かい。
水中は相変わらずの大井ブルー。
水色の絵具を溶かしたような鮮やかなsky blueだ。

しかも今回は大井川としては透明度が高い。
いつもは青過ぎて2mくらい先しか見えないのだが、今回は3mは見通せた。
カワムツの稚魚多し。

肝心の淵の深さは約3m。
ぎりぎり川底の石が判別できた。

3mあれば余裕で飛び込みができる。
水面に顔を出してキョロキョロ。
河岸は登りやすそうな岩だらけ。
スルスルと登って見下ろす。
高さ1.5m。
少々物足りないがとりあえず飛び込む。

気持ちいいー!
脳みそがシャキっとする。

次は反対側の河原まで泳ぎ、走って上流へ行く。
そして瀬の力を利用して身一つで流されてみる。
スイーーーっ。
速い!

早歩きくらいで進む。
だが、その終着点は先ほど飛び込みに使った岩壁。
がつんっ!とぶつかって、ぐっと押される。

水に慣れていない人は、少し怖いかもしれない。
嫁も流されてきたので「そこの岩あぶないよー」と声をかけたら、
あっさり危険水流の脇を流れていった。

ちょっとズラせば岩に押し付けられることはないらしい。
やはり川の流れは奥が深い。

調査が終了したので先を急ぐ。
さらに100mほど漕いだら昭和橋に到着。
ひょいと下を覗くとここも深そう。
残念ながらここも調査しないわけにはいかない。

岩壁に登ってジャンプ!
うん、足は着かない。
深さは十分(推定2m)。

「よしよし」と泳いでカヌーに戻ると、嫁はじっと橋を見上げていた。
「どうしたの?」
「橋の赤と木の緑、そして空と大井川の青のコントラストが綺麗だなと思って」

彼女を詩人にしてしまう大井ブルー、流石です。

大井川の<ブルー>と並ぶイメージは<浅い>。
いつものコースでは400mくらい歩くのはざらだった。
だが、今回は30m以上歩くことはなかった。
水位は通常より少ないくらいなので、
このコースの方が水深があるようだ。

とはいえ、水深50㎝くらいの場所が長く続く。
でも、ここがまたいい。
浅いゆえに川底の石がはっきり見えて、
びゅんびゅん後ろへ流れていく。

実際よりもスピード感を味わえるのだ。
たまにその浅瀬にアユの群れが横切る。
美しいだけでなく、生き物も育んでいる。
健全。
首都圏から1泊で行ける中では希少な川だ。
しかも、基本的にのんびりした流れだが、
1級前後の瀬も複数あって飽きさせない。


「いいね~、いいね~、このコースいいね~」

二人で同じ言葉を繰り返す。

だが、もう一つ気づいていない良さがあるように思える。
なんだ、なんだ?
じっと考えながら漕ぐ。

同時に目を凝らして深い淵を探し続ける。
「ここはどう?」
「あぁ~、でっかい岩が沈んでいるから飛び込めない」
独り言を繰り返す。

そうしているうちに、自分がずっと川と森を仕切る岩壁も眺めていることに気がついた。
「そうだ! ここの河岸はごつい一枚岩が多いんだ」

我が家はでかくて、ごついモノが大好物。
河岸の一枚岩もその一つ。
だが、河岸というものは玉砂利か森になっていることが多い。

ところがこのコースはやたらと岩壁が続く。
同時に人工物もあまり視界に入らない。
この俗世間を感じないところがたまらない。

こんな素晴らしい場所で遊ばないのはもったいない。
結局、後半は全員が好きなように泳いで進んだ。

まったく飽きることなくゴール。
我が家としては急いで1時間57分・6.2㎞のダウンリバーでした。
チャリは15分・4.7㎞。

最終的に歩いたのは4か所。
釣り人2名。
美しい&基本的にのんびり。
我が家から一泊コースとしてはトップクラスにお気に入りとなった。

唯一のネックはやはりゴールをしてからの藪漕ぎ。

翌日は予想通り肩にぶつぶつができて、かゆかゆとなった。
次回はどうにかしたい。

さて、次は山奥の清流へ向かってGO!

コメント

タイトルとURLをコピーしました