河岸のほぼすべてが菜の花で埋め尽くされていた!
2025年5月3日 水位:黒羽1.44m
ゴールデンウィークは大嫌いだ。
なぜならどこも大混雑だから。
だが、この時期しか味わえない絶景がある。
そのひとつが那珂川の藤の花だ。
3年前、雨でスケジュールがズレてしまい渋々ゴールデンウィークの那珂川をカヌーで下った。
ところがビックリ仰天。
河岸に藤の花がわんさか、わんさか。
そのインパクトは満開の桜に匹敵するほどだった↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/78
以来、毎年ゴールデンウィークの、ど真ん中は那珂川を漕ぐことにしている。
連休中でも常磐道は比較的空いているし、鮎釣りシーズン前の那珂川なんてあんまり人が来ないから願ったり叶ったりだ。
それでは、2025年はどうなったのか!?
前日の現地は、23時まで豪雨。
水位が10分毎に増えている。
こんな状態で漕げるのか??
と若干心配しながら就寝
7時50分、ゴール地点の大瀬園地の駐車場(無料)に到着。
ここには公衆トイレがある。
しかもウォシュレット付き!
なのでこの辺りではカヌーイストの集合場所になっている。
大瀬園地の河原に電動折りたたみ自転車を置く。
対岸に藤の花がちらほら。
ちょっぴりワクワク。
スタート地点の一ツ石観光ヤナへ向かう。
電動折りたたみ自転車は、クルマに積むときに重い!
これが購入時一番軽量でした↓
8時45分、スタート地点の一ツ石観光ヤナ到着(トイレなし)。
案の定、川の水は真っ茶っ茶で流れが速い。
水位は1.44m(黒羽)。
平時より50㎝以上高い。
なので河岸の菜の花が沈んでいた。
とはいえ、そこはのんびり&ゆったりがウリの那珂川。
むしろ瀬が無くなって、快調に飛ばせるかも?
それより気になるのは藤の花。
ちょうど対岸でもちょこっと咲いていた。
だが、期待しているのは、河岸全体を真紫に染める圧巻の規模だ。
どうなることやら。
9時24分、スタート。
ここから約1kmは支流の荒川を漕いで那珂川に合流する。
快晴、気温16℃。
陽の光が眩しい門出。
暑くもなく、寒くもなくちょうどいい。
だが風が強い。
風速5~6mの向かい風だった。
しかしながら、そんなことお構いなく、力強い流れに押されてグングン進む。
推定時速8㎞。
軽くジョギングをするスピードで、景色が後ろに流れていく。
すこぶる快適だ。
その流れる景色が最高だった。
左側の河岸のほぼすべてが菜の花で埋め尽くされていたのだ。
スマホ地図で確認したら、約300mも続いていた。
黄色好き・菜の花好きの嫁さんは、最初から「うわ~、うわ~、うわ~っ!」と指をさして大絶叫。
ならばと菜の花の行列にぎりぎりまで近づき、ぐいーんと流される。
ぱぱぱぱっと菜の花が後方に飛んでいく。
マラソン大会のときに笑顔で応援してくれる沿道の応援者のようだ。
嫁さんは「これだけでも来た甲斐があったよ」とうっとりしていた。
菜の花は、これでもピークを過ぎて五部咲きといったところ。
2週間前だったらどうなっていたのだろう。
想像しただけで気が遠くなりそうだ。
我に返って右を向くと、そちらには藤の花が微笑んでいるではないか!
川面すれすれまで垂れて「こっちにもいらっしゃ~い」と我々を誘ってくる。
左に菜の花の行列。
右に藤の花の誘惑。
たまらん!
もう川の水が真っ茶っ茶なことなんてどうでもいい!
スタートして10分で家族全員が夢見心地となった。
そこで再度嫁さんが叫んだ。
「あそこ見て。菜の花しかないよ!」
指さす先の大地は、一面真っ黄色。
体育館くらいの広さの河原がすべて菜の花畑だった。
飛び込んだら身体が浮いてしまうと思えるほどの黄色の濃度。
このような体育館以上、野球場未満の菜の花畑は、その後3つ(合計4つ)もあった。
同時に規模は劣るものの、藤の花は常に視界に入っている。
ゴールデンウィーク中の那珂川は花の楽園だったのか。
先週の久慈川を思い出して「花は那珂川、山は久慈川」を確信した。
だが、ここの川下りは楽しいだけではない。
その菜の花畑は、那珂川との合流地点沿いにあった。
私たちは以前、ここで渦に揉まれて沈している。
しかも今回は、水量がハンパない。
合流点を凝視しながら近づいていく。
背中がゾワゾワしてきた――。
荒川と那珂川の水がぶつかるところが龍の背のように波打って続いている。
いつもはその脇に3~4個の渦が巻いているはず。
龍の背になるべく近づかないようにしながら、眉間に皺を寄せて渦を探す。
船体は、やがて那珂川本流に乗っていた。
セーフ!
どうやら増水時は渦が消えるようだ。
これで一安心。
この先に危険個所はない。
上機嫌継続中の嫁さんが「だったら私が後ろの席に行って、カヌーを操作するよ!」と船長宣言をした。
はたから見ると先頭に立つ泰楽が船長と思えるかもしれない。
しかし実際に船をコントロールしているのは後部座席の人なのだ。
彼女は「ちょうどあそこに、デッカい菜の花畑があるよ!」と、勝手に上陸を目指した。
こちらも断る理由なし。
前の席ならゆったり撮影ができる。
船長交代。
本流に入ると追い風になった。
風速7m。
より加速する。
嫁さんがつぶやいた。
「増水しているから河岸の菜の花に近づけるんだね。漕ぐスピードも速くなるし、増水も悪くないね」
川幅が広い本流では、時がゆったり流れる。
運よく追い風。
全員が何もせず、ただ流される。
たぶん居眠りをしてもゴールにはたどり着くだろう。
大きなアオサギが遠くに立っている。
20mまで近づくと飛び立った。
那珂川と先週下った久慈川は、15㎞くらいしか離れていない。
流れの雰囲気も似ている。
だが、水鳥がはっきり違う。
久慈川は鴨と鵜。
那珂川はサギとトンビ。
なんでだろう?
全員無言で数分。
最初に口を開いたのは嫁さんだった。
「那珂川はいいね。雄大で花が多い。広さは久慈川の2倍あるよ(増水しているので実際は1.5倍?)。やっぱり心のふるさとだ」
その後も右に菜の花、左に藤の花が途切れることはなかった。
ときどき両者のコラボもあり。
しかし、迫力は菜の花の圧勝。
もう一つ期待していた新緑は、すでに濃くなっていた。
一週間遅かったか?
そしてたった1時間11分でゴール。
それでも7.6㎞も漕いでいた。
速い!
ゴールの河原も菜の花に囲まれていた。
これを見て、また嫁さんが歓喜の声を発した。
「飽きない・広い・菜の花・藤の花・青空・追い風・疾走感・臭いしない。
やっぱり那珂川はいいね!」
次回の那珂川の春カヌーは、菜の花の満開と狙って4月後半に確定!
この日はそのまま菜の花に包まれてキャンプ
先客10台以上。
その多くがカヌー目的ではなく、キャンプオンリー。
メインディッシュは、”ゆるキャン△”に教えてもらったトマトすき焼き。
赤ワイン好きのわが家にとって、寒い季節のキャンプの定番メニューだ。
公衆トイレが近いこの河原の唯一の残念点は、薪(流木)が落ちていないこと。
いつもは近くの鎌倉山まで拾いに行く。
だが、今回は面倒なので歩いて20秒の竹林から乾いた竹を拾ってきた。
ぼっちキャンプのヒロシさんは、竹も燃えると言っていた。
果たして……。
竹は燃える燃える!
燃えすぎて着火剤のよう。
なので持続力なし。
抹茶をさらに青くしたような香りが漂った。
22時17分、久しぶりに星空を眺めた後に就寝。
翌日は歩いて5分の鎌倉山に登って、渋滞する前に帰宅する予定だ。
つづく↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/9844
本当はこれが欲しい! 重量4.5kgは軽い!!↓(現在使用のカヤックは20kgです……))
コメント