関東でもっとも楽しめる川遊び場
9月13日 水位:独鈷沢0.65m
今まで関東と静岡県を中心に30前後の川をカヌーで下ってきた。
無人、清流、大岩、飛び込み、天然プール。
この5点セットが完備されている川は関東にはなかなかない。
その数少ないパラダイスが栃木県の男鹿川だ。
釣り人には知られた川らしいが、夏場はアブが多いせいか川下り中に出会うのはいつも数人。
透明度は関東ではトップクラスで平均7~8mはある。
さらに河岸に大岩が点在しており、その下の多くは飛び込みOKの淵になっている。
強いて欠点をあげるとすれば、真夏のアブと危険な直角カーブが多いことだ。
なので毎年お盆過ぎに行き、直角カーブについては手前から歩くことにしている。
さて、今年はというと、お盆過ぎから週末はずっと雨――。
3週間狙い続けたけどずっと雨――。
もう我慢できない!
嫁さんに有給を取ってもらい、午後から雨予報だったが金曜~土曜の予定で行ってきた。
どうせ濡れるんだから雨なんか関係ないでしょ!
それに山の天気予報はいつも外れるし。
7時14分にゴール地点の独鈷沢ふれあい公園駐車場(無料・トイレ無し)に到着。
薄っすら青空が見えるような――。
ここは簡単に河原まで行ける川遊びの穴場。
浅い・水が綺麗!
トイレさえあれば人気が出ると思うんだけどなぁ。
しかも前日に大雨が降ったにもかかわらず、川の透明度は維持しているように見える。
期待できるぞ!
スタート地点に行く前に中三依温泉駅近くの「上の清水」で湧き水を汲む。
「飲み水は絶対に買わない!」
これがわが家のスタイルだ。
スタートは支流のどんどん滝から。
標高650m。気温22度。クルマを降りた瞬間にひやっとするくらい涼しい。
水位は前日に大雨が降って0.65m。
去年より11cm高い。
前回は浅すぎて支流部分のすべて、約400mを歩いた。
今回はどうだろ?
スタートする前に滝壺チェック。
潜った瞬間にウェットスーツの首から水がじわっと入る。
冷たい!
たぶん16度くらい。
ジャージフルでぎりぎり遊べるレベル。
去年より冷たい気がする。
2週間遅いから?
そして透明度はやはり大幅ダウン。
5m弱といったところ。
この川の魚類は鮎、イワナ、ヤマメ、時々ニジマスの何でもアリ状態。
しかし今回は15cmのヤマメがぽつぽつ。
今年はそんなに放流していないのかな?
10分遊んで8時43分にダウンリバー開始。
水深15cm。快調に進む。
そして8分後、無事合流地点に到着。
前回は歩いて20分以上かかったのでうれしい!
ただし、途中で浅くて漕げない場所が2ヵ所だけあった。
橋の下はぐっと足で押して突破。
合流点の手前↑は5mだけ歩いた。
この川は遊べる淵が多い。
最初は合流して100m進んだ水深1.6mの20m流れるプール。
早速、泰楽(ゴールデンドゥードル)を飛び込みに誘う。
エサは大好物の木の棒だ。
しかし彼はなぜか私が飛び込んだ瞬間に下流へダッシュした。
どうせ棒が流れて来るから無駄な飛び込みはしない?
潜ると唇がサケのようにグイッと曲がった大ヤマメがいた。
放流したてだからか50㎝まで近づいても逃げなかった。
100m上流に釣り師が現れたが、さらに上流へ進んで行った。
70m進むとまた淵が登場。
ここも水深1.6mの流れるプールだが飛び込み台はない。
とはいえ、日当たりバツグンで美しい!
絵になる場所なので時間を気にせず遊ぶ。
天気予報が外れて快晴になった!
青空、澄み切った流れ、輝く緑、微風、無人。
空を見上げて浮かぶ。
そよ風を感じながら流される。
渓流魚を追いかけて潜る。
ザ・夏を全身でとことん味わう。
泰楽はお気に入りの棒を見つけて絶対に離さない。
いい子がウリの彼が、ここまで頑固になるのは珍しい。
コイツもテンションが上がっている?
30分ほど天然プールで流されまくってダウンリバー再開。
この川の流れは早い。
見下ろすと川底の石がびゅんびゅん後ろに飛んでいく。
1級の瀬が30mほど続く。
冷たい水しぶきが顔面にバシャッ、バシャッと当たる。
気持ちいいー!
3つ目の淵も日当たり良好!
水深1.8mで飛び込み台アリ。
ロケーションの良さと深さのバランスはここが一番かな。
もう少し飛び込み台が高ければ満点。
次の淵は高さ2.5mの大岩とセット。
無人、清流、大岩、飛び込み、天然プール。
この5点セットが完備されている川は関東にはなかなかない。
この風景だけ切り取ると四国や三重を思い出す。
ただし、この淵は水深が1.3mしかないので足を曲げて飛び込まないといけないのが残念。
泰楽を無理やり飛び込みに誘ったら、着水時に頭をひっぱたかれた。
校長先生のげんこつくらい痛い。
しかし流れる天然プールは、このコース最長の50m。
風景も同コースで最高。
頭の中で「少年時代」(宇多田ヒカルVer)がリピートしっぱなし。
嫁さんは泰楽をずっと水中スクーターにして遊んでいた。
泰楽も彼女がずっとそばにいるのでご機嫌。
その先に1級の瀬+直角カーブあり。
今回初のライニングダウンする(歩いて避ける)。
4つ目の淵はこのコースで1番深く2.2m。
しかも断崖絶壁の下にある日影ポイントなので秘境感も1番。
さらに流れに癖があって、身体一つで飛び込むと必ず突き当たりの岩壁にぐいーっと吸い込まれる。
最初は「うわうわうわぁ~!」と肝を冷やすが、慣れればこのスリルがタマラナイ。
インディ・ジョーンズになった気分で何度も流される。
ここの飛び込み台は高さ1.8mが一ヵ所のみ。
その先は浅瀬+直角カーブになる。
50m歩く。
しばらく漕ぐと再度浅瀬になって10m歩いた。
その先は2級弱の瀬になっていた。
まっすぐなので難易度は高くなさそうだが、所々岩が出ているので念のため嫁さんは乗船せずに撮影係に。
泰楽と突っ込む!
無事クリア。
次は今回の最難関ポイントが待っている。
目の前に見上げるような岩壁がドーンっと立ちはだかっているのだ。
ずんずん近づく巨大な岩壁。しかも手前には白波が立っている。
どうする!? どうする!?
ディズニーランドのアトラクションのようだ。
船体が白波に踊らされる。「うわっ、うわっ、ぶつかるー!」と思った瞬間、左にすいーっと曲がれる。
岩壁の手前が瀞場になっているのだ。
ほっとしたら右にくくくっとドリフト。
「あらら~」と余裕の表情で右手で岩壁に触ろうとしたら。
すってんころりん。
ひとりで沈してしまった
嫁さんも泰楽も私を見下ろしてきょとん――。
恥ずかしいのでひとりで大笑い。
そのままぷかぷかしていたら、カーブ付きの1級の瀬が登場して、嫁さんがくい、くい、くい―っとやっつけてしまった。
私は後ろから「やるじゃん!」
嫁さんの鼻がぐいーんと伸びた。
12時20分、顔面にぽつぽつと雨粒を感じる。
3分後、目を開けていられないほどの大雨。
この時点ですでに大満喫しているので気にならない。
嫁さんと部活のように気合を入れて漕ぐ。
6.34km・4時間3分でゴール。
普通に漕げば2時間もかからないコース。
それだけ一生懸命遊んだということだ。
後半が大雨だったけど大満足!
結局、釣り人は3人だけ。
歩き3回。
アブ無し。
遊べる淵は合計6カ所くらいあった。
そもそも関東で川下りできる場所の多くは、濁っているので淵かどうかも分からない。
やはり男鹿川は関東では1番楽しい川遊び場だなぁ。
その後も雨が降り続き、雷も鳴り出したのでキャンプはせずに帰ることにした。
翌日は地元千葉でサーフィンします。
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