大型犬とカヌー「圧倒的透明度で”空飛ぶカヌー”を満喫」板取川・神崎川(岐阜県)②

漕いでいる間はずっと”空飛ぶ絨毯”状態!?
(水位:下洞戸-0.7m 谷口―0.17m)

岐阜県、神崎川での川下りのつづき。

おへそ横にはりついたヒル野郎を
エイ! ヤッ!
で引きはがし、スタート地点の市役所(支所)に到着。
ネットでは皆さんここの駐車場で堂々と用意をされているようだが、
どうしても市民のためだけの場所に見えたので、
端っこのジメジメしたところにクルマを停めてインフレータブルカヤックを広げた。
川までは100mくらいのスロープをカヌーを担いで下りる。
すぐに鮎釣り師が1名やってきた。
これから用意するとのことなので、

先に川の中で写真撮影をさせてもらう。
スタート地点の神崎川の色は、噂通りのスッコーン!と突き抜けたブルー。

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これで普段の半分の透明度なのか!?👀

今まで漕いだ中でもっとも透明度が高かったのは群馬県の男鹿川。
そこの水のキレイさもすばらしかったが、
川底の岩に長さ数センチのコケが所々付いていて、

若干野性味があった。

一方でこちらのコケは岩肌に張りつく程度で、
ある意味生々しさがない。
清潔さを感じる。
こんなに静謐で清らかな見た目なのに、
入ってみるとなかなかの急流。
踏ん張ってないと早足くらいのスピードで、
びゅーーーんっ!

と流される。

なので早々に写真撮影を切り上げて出発。
でも、わずか50mで金鳥蚊取り線香のコマーシャルに出てきそうな、
日本の正しい淵に出会ってしまい遊びはじめる。

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これで水深2mくらいある
いかん、いかん!
このままではいつまで経ってもゴールに到着しない。
後ろ髪をぐいぐい引かれつつ、
カヌーに乗り込むとまた50m先、
つまりスタートから100m地点で25mプールのように大きな淵を発見。
あやや~!?
ここはもしかして……。

👀👀👀👀👀

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”空飛ぶカヌー”スポットではないか!!
(カメラが結露して若干ボケてしまった……)

ついに見つけた。


・ただ青いだけでなく、ほんのり白みも帯びたやさしい水色
・陽光が当たると光を反射する川底の岩

・淵をのぞくと吸い込まれそうな深いブルー

いったいどれくらいの深さがあるのだろう。

もうゴールなんかしなくていい!!
大至急飛び込んだ。

飛び込み台の高さは約5m。
水深は4.1mあった。
これだけの深さでも川底から見上げると太陽がギラギラしていた。
その間をカワムツの群れが
ちょいとごめんよ~、
と空を飛ぶように横切っていく。

もう止まらない。
足から飛び込んだ後は頭から。
頭の次は背中から。
背中の次はお尻から……。
考えられるすべての体勢で飛び込んだ。

飛び込みに飽きたらシュノーケルとマスクを付け、

何度も何度も深く潜る。
そして川底の大岩にしがみつき周りの地形や魚種を確認。

あっちの方が深そうだぞ。
あっ、鮎もいる!
あそこは流れが渦をまいているぞ。
毎回新たな発見がある。

今まで私にとっての楽園はモルディブだった。
しかしついに交代だ。
毎年夏に1番やりたいこととして、
「透明度バツグンの川でビールをゆっくり飲みながら大型犬と戯れる」

と宣言していた。
ところがそれが2011年の阿寺渓谷(長野県)↓以来なかなかできない。
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その理由は以下。

・クルマで河原まで行けるきれいな川は人が多い
・人が少ないきれいな川は水温が氷のように冷たい
・条件をクリアした川を見つけても、その日に限って天気が悪い

だが、ついに実現。
泰楽(ゴールデンドゥードル)とは初めてビールを飲みながら思う存分遊べた。

その後も浅瀬を空飛ぶ絨毯状態で進む。

 

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周りは雑木林で囲まれて人工物がほとんど見えない。
しかも増水中だからか釣り人は皆無。
そこを早歩き程度の軽快なスピードで
さらさらさら~~っ
と流され、ほほに心地よい涼風が当たり続ける
感じるのは、
限りなく透明な流れ、
あざやかな緑、
微風、
蝉しぐれ
のみ。
川面をのぞくと底の石が飛ぶように後ろに遠ざかっていく。
自分たちが空飛ぶ絨毯に乗り、
眼下の一つひとつの石が建物のように見えなくもない。


かなり浅いようだが、水深は最低でも30㎝程度はあったので歩くことはなかった。

実はカヌーを漕ぐこと自体はそんなに好きではない。
スタート時はわくわくするのだが、
同じ動きを繰り返すことにだんだんと飽きてくるのだ。
向かい風に当たってなかなか進まないときときなんか完全に修行気分。
ならばなぜ川に行くのか、といえば、先ほどのように潜って遊ぶのが楽しいから。

だが今回はじめて
「カヌーを漕ぐだけでも楽しぃー!」
と思えた。

もちろん途中で何度も泳いだけど。

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この辺りで武儀川になっていたはずだが合流地点は分からなかった

ところが世の中そんなに甘くはないことを分からされてしまった。
スタートして3.5km地点に生き地獄があったのだ。
あの魚道だ。

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魚道のトンネルをのぞくと距離は4mくらい。
幅は90㎝のカヌーがぎりぎり通れる程度。
ユーチューブを観ると皆さん笑顔で和気あいあいと通過している。
なのでカヤックのサイズに問題が無いことを確認して

もう通過したようなもんさ

と余裕をぶっこいていた。

まず自分と嫁がカヌーから降りる。
そして私は船体につながったロープを片手に泰楽だけ乗せた状態のカヌーを先に流すようにしてトンネルを通過。
やはり余裕。


ところがだ。
トンネルをくぐった先の階段状に見える魚道に一歩足を踏み出すと足がつかない。

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どう見ても階段状なのだが……

 

はて?
右足に重心をかけ、
左足のつま先でちょんちょんと底を探る。
そこで分かったことは
底がテトラポットのように凸凹で、まったく階段状になっていない
ということ

深いところの水深50㎝以上はあった。
そこを

ごぉぉーっ!👊
という轟音をたてて水流が落ちていく。
つまりこの日の水量だと危険極まりない状態だったのだ。

泰楽の体重は30㎏。
カヌーの重量は20kg。
合計50㎏をカヌーにつないだロープで左手に支え、
右手でコンクリートの枠をつかみながら進む。
すぐに転倒。
足をテトラポットにバコバコぶつけながら3mほど流された。
脳天に染み渡る痛み……。

しかし父ちゃんが手を放すわけにはいかない。
若干恐怖でひざをわなわなさせながら10㎝ずつ足を前に出していく。

するとまたもや嫌な新発見。
魚道はテトラ状のものが入った箱を階段のように積み重ねた形状をしており、
一段下がるごとに体重30㎏の泰楽がいるカヌーの先がガクンっとシーソーのように落ちて
どぼぼぼ~~~っ!
と水が中に流れ込む仕組みだったのだ。

その際のカヌーの総重量は
たぶん300㎏以上。
泰楽は何とか踏ん張ってくれたが防水バックやクーラーバックなどの荷物はすべて浮いた。
その場に踏みとどまるだけでも渾身の力で精一杯。
生命の危機を意識……。

ニアス(インドネシア)で8フィートの波にもまれて以来の絶望感だ。
私の体重は56㎏。
10代、20代はデブだった体質なので、かなりがんばってこの数値を10年以上維持している。
なにが自慢?
と聞かれれば
体重維持だよ
と一番に答えるほど自尊心の拠り所となっていることだ。

しかしこのとき生まれて初めて

猛烈にデブになりたい!
と思った。

そして
神様私を80㎏にしてください
と涙目で天を仰いでしまった💧

だが、この極限状態で太る術はどこにもない。
300㎏を持ち上げることはできないが体重56㎏でもなんとか押すことはできた。
じりじり、じりじりと進むこと30分。
50mくらい魚道を精根を使い果たしつつやっつけた。

ちなみに後ろからついてきた嫁も途中で転んで、足が傷だらけに。
ウェットスーツを着ていなければ、ぱっくり切っていたかも……。
もう絶対にやりたくない。

もしまた来るなら水位が―0.3m以上あるときは直前の河原をゴールとする(3.5kmコース)ことに決定。

下りた直後はアユ釣り師の嵐(20人くらい)。
左端を約100m歩く。
その後は水量と瀬がやや増えるので、
より快調な漕行に。

ゴールは工場脇のお墓の近く。
8.4kmで4時間くらいかかった。
そのうち遊びが1時間で地獄が30分。
なので正確には2時間30分くらいのコース。
チャリ7km・26分。

キャンプ地は神崎川の最上流部。

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標高280m。
水がかなり冷たいが20㎝前後のアユがたくさんいた。

帰りは円原川で湧き水を汲み、

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写真中央の崖からドドドーっと水が湧いている

ヤナで鮎をたらふくいただいて帰った。
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コース料理を注文すると鮎のつかみ取り体験をさせてくれる

まさにハイリスク・ハイリターンな夏休みでした。

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