史上最高の天然水族館を発見!(水位:下洞戸-0.7m 谷口―0.17m)
9月5日から遅めの夏休みを取得し、2泊3日でカヌーキャンプへ出かけた。
行先の条件は以下。
1.限りなく透明な川
2.比較的水温が暖かい関東以西
3.旨い鮎が食べられる
本当は4年前に行った四国の仁淀川にしたかったが、片道で12時間。
どうしても踏ん切りがつかなかった。
(普段仕事がハードな嫁が長時間の運転を嫌がるし)
そこで選んだのが岐阜県の板取川と神崎川。
清流で知られる長良川の支流だ。
両方ともカヌーをする川としては、あまり知られていない。
だがネットで画像を見ると画面を三度見した後に、
「うぉぉー!」
と叫んでしまったほどの透明度。
川面に浮かぶカヌーの影が川底にくっきり映るので、
”空飛ぶカヌー”
を実現できるらしい。
出発は深夜0時。
1回休憩して4時間で板取川にもっとも近いSAに到着。
たぶん合計5時間あれば出発地点に着きそうだ。
SAで朝を待つが一睡もできず。
徹夜は20年ぶりくらい。
けっこう頭がぼ~っとする。
初日に下るのは板取川。
ゴール地点の河原(長瀬橋の少し上流)に電動折りたたみ自転車を置き、
7km上流の広い河原へクルマで下りていく。
ここからスタートだ。
天気予報では明け方に雨が止むということだったが、
スタートする午前8時30分の時点で普通に降っていた。
なので水は濁っていて透明度は5mくらい。
絶好調のときは軽く10mを越えるそうなので非常に残念。
水位は若干高くー0.7m(下洞戸)くらい。
ー0.8mくらいがベストのようなので瀬がきつくなっているはず。
寝不足+雨天+疲れそう、でややテンションダウン。
まぁー最高のコンディションという訳ではないが、
「漕いでいるうちに晴れるかも」とちょっぴり期待し乗船!
泰楽(ゴールデンドゥードル)だけ相変わらず腰が引けてるけどね……。
スタートして50mで50㎝くらいの段差。
以降、100mおきに0.5~2級の瀬がある。
結構忙しい。
やっと落ち着いた流れになったので、
お待ちかねの水中を覗いてみると……?
👀👀👀👀👀
かわいい川魚の嵐!!
近寄れるのはカワムツやオイカワなどの雑魚ばかりだが、
目を凝らすと2m先を鮎の大群がサササササーっと横切っていく。
ヒンヤリと心地いい水温
クリスタルブルーの程よい流れ
人間を怖がらずに近寄って来る大勢の小魚
この貸切空間を身一つ、そして歩くほどのスピードで流されていく時間がたまらない。
これをしに来たのだ。
物理的に可能ならばこのまま川の中で自給自足しながら一生を終えたい。
ぼぉ~っとしていた頭がシャキン!と冴えわたった。
この時期の板取川は鮎釣りが盛んだ。
当日も釣り師が10人くらいがかたまっているところがあった。
しかし、ちょうどそこは3級の瀬がある地点だった。
なので残念な気持ちは微塵もなく河原近くをライニングダウン(歩く)した。
その他は川幅が広いので多少釣り師がいても問題はなかった。
後半は比較的深い淵が点在していた。
↑ここは深さ4mくらいあり、晴れていれば川底まで見通せたらしい。
まさに”空飛ぶカヌー”スポット。
結局晴れ間を見ることなくゴール。
7.3km・2時間14分の川旅だった。チャリでは7km・26分。
印象としては魚の多さや透明度から規模を半分にした仁淀川という感じ。
ただし、瀬は仁淀川よりワンランクきつい。
そして水温が想像よりも冷たい。
10分以上泳ぐなら3mフルスーツでちょうどいいくらい。
ぜひもう一度晴れた日に来てみたい。
その後は上流へキャンプ地を探しに行った。
途中、観光名所の「モネの池」に立ち寄る。
こちらも曇り空だったので期待ほどキレイではなかった。
なお、日差しの関係で正午前後がベストの模様。
林道をさまよい何とかキャンプ地を発見。
そこから1分歩くとひろ~~い河原があった。
そしてクリスタルブルーに輝く深そーな淵も。
半径200m、見渡す限り人影なし👀
たぶんこちらを見ているのは鹿か猿か熊のみ……。
これはうきゃうきゃモードで遊べる??
大至急川岸の大岩に駆け上り、飛び込んだ。
水深は3.1m。
実を言うと高所恐怖症なのだが、
なぜか飛び込みは大好物。
足元から地面が離れ、
頭の中が真っ白になり、
着水後にぶくぶくと沈んでいく……。
この数秒間のスリルとスピード感たまらない。
体力が続く限りベルトコンベアのように永遠に繰り返したくなる。
泰楽も多少テンポが狂ったベルトコンベアのように、
とろとろしながらも浮くボール遊びを繰り返していた。
だが、川遊びのメインイベントはこれではない。
水中の生物とお友だちになることだ。
5分間で10回ほど飛び込みを繰り返した後、
シュノーケルを装着して潜ってみた。
すると……。
👀👀👀👀👀
これは葛西臨海公園ではありません。
天然の川です。
まさに天然の水族館
今まで北海道から四国まで20ほどの川に潜ってきた。
その中で魚がウヨウヨいたのは3つ。
千歳川(北海道)
静岡県某所(秘密場所)
黒尊川(高知県)
そのいずれもがカワムツやブラウントラウトなど雑魚(私にとって)だ。
だが、ここで群れていたのはすべてアマゴ。
サイズがどれも12㎝前後と小ぶりだが、
斑紋(パーマーク)が美しい。
また、岩陰に23㎝前後の大物も2~3匹いたが目が合うと全員
「しまった! じゃーねっ💦」
とダッシュ。
あまりの衝撃的野生絶景に水中で立ち眩みしてしまった。
ちなみに渓流を潜っていると、魚とよく目が合う。
ヤマメとアマゴはその瞬間に一目散に逃げてしまうが、
イワナは、おとぼけキャラが多く、上流からどんぶらこと流れて行くと、
真正面に対峙して50㎝くらい近づくまで逃げないヤツが多い。
そのときの表情は正面からでも両目が真ん丸に見えて、崖の上のポニョを思い出す。
結局家族3人で2時間ほど遊び、
最後は全員唇を真ムラサキにし、ぶるんぶるんに震えつつ、やりつくした感を胸にキャンプ地へ戻った。
翌朝は5時に起床。
空を見上げると待ちに待った青空。
大至急カップラーメンをかきこみ30kmほど離れた神崎川へ向かった。
途中で立ち寄った板取川はこんな様子。
❗ ❗ ❗ ❗ ❗
ぜんぜんきのうと違って吸い込まれるようなエメラルドグリーンではないか!
これが板取川の実力か。
下れないのがくやしい……。
とはいえ、この日下る神崎川は板取川を凌ぐ透明度らしい。
と、いうことは透明度30m?
モルディブ並み!?
期待で胸をパンパンにさせ、アクセルをベタ踏みした。
今回は神崎川を出発して途中で武儀川に合流するコース。
当日の武儀川の水位は―0.17m(谷口)。
通常は―0.5mくらいので大幅に水量が多い。
と、いうことはもしかして透明度は……??
スタート地点に到着する手前で川を覗くローカル釣り師がいたので透明度を聞いてみた。
「透明度?
こんなもんじゃないよ。
いつもの半分だね」
💧💧💧💧💧
そして水量が多いことでさらなる問題が発生した。
今回のコースの途中には高さ7~8mの堰堤がある。
当然我らはスタント野郎ではないので落っこちるわけにはいかない。
ではどうするか?
実は写真右側の階段状のものは魚道で、
その突き当りがトンネルになっており、
カヌーを通すことができるのだ。
しかし、水量が多いとそのトンネルの空間が沈んでしまうらしい。
ならば今回は??
写真の位置からではトンネルが全然見えない。
どうしても見たければ魚道の枠のコンクリートを伝って奧に行ってみるしかない。
コンクリートを伝う
↓
落ちたらずぶ濡れ
ここで諦めたら手前でゴールすることになるので、
8kmコースが3kmになってしまう。
「せっかく5時間かけて来たのに、お父しゃん……」
嫁と泰楽のすがるような視線がおいらの心に刺さる。
仕方がない。
一、二の三!
で短パンを脱ぎ捨て、
パンツ一丁でコンクリートの上を歩きだした。
平均台の上を舞う10代の体操選手のように。
その先に見たものは高さ1mほどの空間。
これならイケる!
そしてスタート地点へアクセルをベタ踏みするのであった。
なお、運転中「へその
脇がかゆい」と思ったらヒルがくっついていた。
つづく