雄大、静寂、でもちょっぴり怖い!?
水位:清水端―0.67m
富士川は比較的お気に入りの川だ。
いつも漕ぐのは稲子川と合流する周辺。
そこは水が綺麗ではないという大きなネックはあるものの、
私のレパートリーの中では最大の瀬が楽しめる。
それらの瀬があるところは直線的なので安全。
さらに漕ぎながら富士山や迫力ある岩場なども眺められるし、
「飽きたなぁ」と感じてしまう場所がほとんどない。
そんな富士川を地図で眺めていたら、
あることに気がついた。
「もっと上流ならば、より自宅から近いのでは?」
我が千葉県から富士川へ行くには、
今まで2時間30分かけて新東名高速道路を利用していた。
しかし、より上流の鰍沢口駅周辺ならば、
中央自動車道を利用して2時間20分で到着する。
朝の10分の差は大きい。
と、いうことで6月下旬に下見を兼ねて鰍沢口駅周辺を漕ぐことにした。
スタート候補地は、
富士川親水公園と富士川いきいきスポーツ公園。
ゴールの候補地は、
鹿島橋と月見橋。
渋滞なしで7時37分に第一スタート候補地の富士川親水公園に到着。
トイレあり。
でも出艇場所の護岸は高さ20mくらいある。
20kgのカヌー(インフレータブルカヤック)を担いで下りるのは、結構キツいかも。
第二候補の富士川いきいきスポーツ公園は、
奥の農道にクルマを停められそうだった。
どちらもスタート可能だが、後者の方がカヌーを降ろしやすい。
第一ゴール候補地の鹿島橋では、
少し上流の川路にクルマ3台分くらいのスペースを発見。
護岸も低めなのでカヌーは降ろしやすい。
橋の下にちょうどいいレベルの瀬が見える。
「なるほど、なるほど」と眺めていると、近くに1台の軽ワゴンが停まった。
まさか「そんなところに駐車するな!」と怒られる?
だが降りてきた男性は、
「これから漕ぐんですか?」
と笑顔だった。
「鹿島橋を過ぎてちょっと漕ぐと左側に滝が見えますよ」
やたら詳しそう。
それもそのはず、なんと地元のラフティングガイドの方だったのだ。
クルマはここに停めてもOKとのこと。
そして、さらにスリリングなコース(富士川橋→波高島コース)や、
川遊び場などの情報もいただいた。
「富士川の夏の午後は、必ず向かい風がキツくなるので早い時間に来た方がいい」
という貴重なアドバイスも。
さて、ここで困りごとが発生。
親水公園から鹿島橋までの約5㎞は両岸に街(人工物)があり、
コースもまっすぐで退屈そう。
なので鹿島橋から下流を漕ぎたい。
その際、ゴール地点候補となるのは、
月見橋、峡南橋、富士川橋周辺。
しかし、月見橋に行ってみると川岸に下りられる場所はなかった。
さらに下流の峡南橋は、護岸が高すぎてカヌー(20kgのカヤック)を担ぐのはツラい。
途方にくれていると、草刈りに来ていた地元のお爺ちゃんが
「なにやってんだ?」
と声をかけてきた。
そこで事情を説明。
すると
「下流の富士川橋を渡ってUターンするとセブンイレブンがある。そこから降りられる」
という情報を入手。
大至急向かう。
ところが、富士川橋のたもとで20台は停められそうな駐車場を発見。
そこの護岸は10mほどで傾斜も緩く楽に下りられる。
ちょうどそこに別の草刈りお爺ちゃんがいたので、
「よそ者ですが駐車しても大丈夫ですか?」
と尋ねてみた。
返事は
全然問題なし!
鹿島橋から富士川橋までの漕行距離は7km程度。
ゴール後の川遊びの時間も確保したい我が家にはちょうどいい距離。
と、いうことでゴール地点は富士川橋に確定。
チャリを降ろしてスタート地点の鹿島橋へ戻る。
そんな感じでスタートは、思い切り遅く11時20分。
天候は晴れ、気温28度。
2週間前の大雨の影響がまだ残っていて、水の透明度は10㎝。
水位も平常時より30㎝以上高い(初めてのコースなので推定)。
出発して100mで鹿島橋の真下にある瀬に突入。
波高は60㎝前後(2級)。
それが龍の背中のように縦に連なって50mは続いている。
そこに全速力で突っ込む!
「バン! バン! バシャーン」
カヌーが波を打ち砕いて突っ走る。
弾けたしぶきが頭に降り注ぐ。
泰楽も先頭で四本足を踏ん張り、
連なる山々のような波の向こうの青空を見つめ続けてスリルを味わっている。
「ひゃっほー!」
「気持ちいいっーー!」
「うおおんっ!」
全員が同時に快哉を叫ぶ。
その後はまったり地帯が続く。
このコースは期待通り視界に人工物が少なく、岸辺に岩場が多い。
下流を漕いだときも感じたが、
富士川の人工物見えない穏やか地帯は、
四万十川(高知県)↓に似ている。
雄大、静寂、でもちょっぴり怖い。
(水が濁っているので、ものすごく深く思える)
この非日常感も悪くない。
ちょうどその頃から向かい風が強くなる(推定4~5m)。
それでも流れは速足レベル。
なので向かい風がジリジリする日差しを和らげてくれてむしろ心地よい。
ふと見上げると鮮やかな紫の花が咲いていた。
今頃ツツジ?
そんなはずはない。
なんだろう。
そしてたまに適度な瀬も現れた。
2度目の2級クラスは峡南橋の先(たぶん)。
この手前で嫁さんと船長(後ろの席)を交代。
彼女も無難に難局を乗り越え、お鼻がぐいいぃーんと高くなっていた。
この頃(午後12時)から向かい風がパワーアップ(推定7~8m)。
さすがに漕ぎ続けないと進みづらくなる。
「ちょっと面倒になってきたなぁ」
と感じ始めたときにゴールの富士川橋が見えた。
1時間12分・7.3㎞で到着。
距離から計算すると普段の倍のスピードで漕いだことになる。
(いつもみたいに潜って遊んでないけどね)
程よいスリルとスピード感。
まったりタイムと自然の景観もしっかりある。
水の綺麗さは相変わらず残念だったが、かなりバランスの取れたコースでした。
でも個人的には富士川ならばもう少しスリルがほしいかな。
そんな人は十島駅より下流がお勧めです。
さぁ、次は渓流で川遊びだ!
つづく
コメント