犬と川遊び「透明・魚が沢山・無人の川を堪能する」富士川支流(山梨県)

地元の人の温かさに感謝カンゲキ雨嵐

富士川ダウンリバー↓の続き。
https://large-dog.iehikaku.com/archives/4741

ゴール(富士川橋)に到着すると、
スタート前に話をした草刈りお爺ちゃんたち3人が、
ちょうど昼休み中で、
「やっぱり鹿島橋から来たのぉ~?」
と、お出迎えをしてくれた。

そして、川岸でカヌー(3.8m・20kg)を肩に担いだ瞬間、
強風にあおられて
「おっとっと!」
となると、
すかさず一人が駆け寄って来て、
「手伝ってやるよ」
と、50mほど離れた駐車場まで一緒に運んでくれた。

駐車場では、泰楽がお爺ちゃんたちに撫でまわされて大喜び。

そのうちの一人に、
「これからどこへ行くんだ?」
と声をかけられた。

なので、
「川遊び&キャンプができる渓流を探しに行きます。

透明度バツグン、魚いっぱい、飛び込みOK、無人
のところ知りませんか?」
とフル装備の条件を並べてみた。

するとそのお爺ちゃんはニヤリ
ちょうど渓流釣りが趣味で、この辺りの川は知り尽くしているとのこと。
「それならあそこだね」
と地元ならではの穴場を教えてくれた。

すると
「いやいやそこは浅くて泳げないでしょ。だったらあそこだ」
ともう一人がさらなる穴場を。

すると少し離れた場所で話を聞いていた最後のお一人が、
「分かっちゃいないなぁ
という余裕の笑みをたたえながら近づいてきて、
「それよりも」
と究極の秘境を引っ張り出してくれた。

ここで3人のお爺ちゃん全員が

「そこだ!

と意見が一致。
もう寄ってたかって本気モードで私たちの遊び場を考えてくれた。
おかげ様で地図にも載っていない川を知ることができました

「大至急、その川へ行かねば」
とクルマを取りにチャリを漕ぐ。
その行程は20分18秒、6.94㎞。

個人的にはぎりぎり許容範囲。
25分を過ぎると飽きる。
ずっと直線的な国道で高低差が少ないところもよかった。

クルマで富士川橋に戻ると、
嫁さんが誰かと立ち話をしていた。
なんと、スタート前にお会いしたラフティングのガイドさんではないか!

お勧めゴール地点の波高島への行き方をくわしく教えてもらう。
聞かなきゃ絶対に行けない細い道だった。

さらに
「ずっと昔にサンプル品でもらったから」
と、新品同様のウェットスーツ3着、
そして仕舞いには
「せっかく身延まで来てくれたから」
と、地元の銘菓(?)
「みのぶまんじゅう」(箱入り)
まで手渡してくれた。

なにこれ?
ただ今、山梨県では観光客大歓迎キャンペーン中なの!?

感謝カンゲキ雨嵐。
目頭を熱くしつつ、お礼を200回告げてから波高島&秘境の川へ向かった。

波高島へ行く途中で柳の森を発見。
「にににに臭う。ヒラタクワガタ臭い!」
大至急、全身に虫よけを浴び、
森に突っ込む。
(過去にマダニに噛まれること4回)

6本目の柳で洞を発見。
予想通りヒラタのペアがイチャイチャしていた。

「ちょいとゴメンよ!」
と掻き出すが40mm程度。
50mm以下はリリースサイズ(自主規制)。
愛妻のもとへ返す。

「物足りない!」
天を仰ぐ
すると、同じ木の地上3m地点に大きな洞が。
そこから黒い塊が
「コノヤロっ!」
と、私を睨みつけている。

大物ヒラタだ

大至急、助手(嫁さんと泰楽)に脚立を持ってくるようオーダー。
残った私は大物とバチバチの対峙を続ける。

5分後に対決開始。
脚立の高さは約60㎝。
それに乗ってチビの私が手を伸ばした高さは約2.6m。
洞の位置は地上約3m。
届かない……

「お父しゃんの大物狩りを間近で見られる!
目を輝かせる嫁さんと泰楽。

仕方がない。
登る!

頭髪が半分白くなったアラフィフが柳の木に抱きつき、
掻き出し棒を駆使すること5分。

ついにヤツが姿を現した。

あれ!?
思ったほど大きくない……。

あるあるの
「洞の中にいるクワガタは大きく見える」
だ。

それでも計測すると56mm。
毎年目標としている60mmには届かなかったが、
まずまずなので家族の一員に迎えることにした。

さて、肝心の波高島は常葉川と富士川の合流地点にあり、
クルマで河原に入れる。

だが、合流地点はちょうど荒い瀬になっており、
カヌーでの上陸不可。
つまりゴール地点にはならない。
おそらく最近の豪雨で地形が変わってしまったのだろう。

残念だったが、
2年ぶりにそこそこサイズのヒラタをゲットできたので、
ご機嫌継続。
お爺ちゃんたちに教えてもらった秘境の川へ向かってアクセルを踏む。

その川に沿った林道をゆっくり進みつつ、まずは当日の野営地を探す。
すると、脇の畑からおじちゃんがひょっこり顔を出した。

「こんにちは、この辺でキャンプができるところはありませんか?」
「うん? どっから来たの??」
「千葉県です」
「そっか。キャンプしたいならちょっと下流に広場があったでしょ。そこでやっていいよ。
地主が来てなんか言われたら『○○さんがいいと言っている』と伝えな」
(以下、Aさんとする)

出会って20秒でこの親切さ。
感謝を通り越して驚きと感動。

しかも敷地内の飲用可能な湧水も汲んでいいとのこと!

川沿いの広場は文字通り広々で日当たりがよく、ヒルはいない模様。
まったくもって申し分なし。

時刻は16時過ぎ。
日暮れまで2時間強。
大至急、ウェットに着替えて川遊び開始。
野営地のすぐ下は、ちょうどクリスタルブルーの淵になっていた。
水深70㎝。
潜ると10㎝前後のアマゴがあふれていた。

この辺りの渓流は、
地質のせいか大雨の後でなくても白濁していることが多い。
だが、この川の水質はブルー系で透明度も7~8mはある。

「これは大当たりかも!?」
ワクワクが押さえきれないまま、
どんどん遡る。

実は、泰楽は泳ぐことにそれほど興味はない。
(レトリバー系なのに!
だが、おもちゃがあればどんな深い淵でもついてくる。
そのときは特に私たちから離れない。
登山以上にリードいらずだ。

上流へ進めば進むほど、
大岩や支流が流れ落ちる滝などがあって景観美が増していく。
まるで歴史を重ねた日本庭園のよう。

水質も景観もこの辺の川としてはトップクラス。
お爺ちゃんたちの言葉通り秘境感十分だった。

しかも水温は北関東より5℃は高い。
なので長時間潜っていられる。

私は水中でアマゴとイワナを眺め、
嫁さんは大きな岩を見つけては登る。

泰楽は
「おもちゃを投げて!」
とずっとニコニコ。

潜り、乗り越え、おもちゃを投げること2時間。
日常のストレスが清流に溶け出していく。
(こう見えても実はあるのです)

大いに楽しかったが20㎝を超える大物はゼロ。
飛び込み可能な深い淵もゼロ。
まぁ今日のところは、ということでUターン。

焚き火の薪拾いをして19時過ぎに宴会開始。
グラスにビールを注ぐ。
千葉県産イノシシ肉の油が炎を上げる。
トウモロコシを皮のまま炭火でじっくり焼く。

醤油などの調味料はかけない。
それでも嫁さんは
「甘い!」
と絶賛。

21時過ぎ、すでに焚き火&無言タイム。
若干焦点が合わない視線を、なにげなく川音へ向ける。
するとそこには黄緑色に輝く未確認飛行物体が。
しかも、ふらふらと我々に近づいてくるではないか。
まさかの蛍登場だ!

デカい!
1.5㎝くらいある。
たぶんゲンジボタル。
このサイズの蛍は、はじめて見た

「うわ、うわ、うわぁ~!」
と赤ワインを片手に大騒ぎしていたら、
なんとその手にふわっと乗って来た。

かわいいヤツ。
トータルで2~3匹程度だったが、
十分いい想い出をつくってくれた。

ギリギリ記憶がある状態で22時過ぎに就寝。

6時20分起床。
いきなり近くの住人のAさんが原チャリで登場。
ミヤマクワガタが採れそうな場所を教えてくれた。

片づけをして湧水を汲む。
クワガタポイントへ行く途中でAさん宅の前を通る。
Aさんが思い切り手招き。
路肩にクルマを停めて庭にお邪魔する。

「これ持ってって」
指さす先に、
ヘチマとしか思えないデッカいズッキーニ&普通サイズのキュウリの山。

「あとあれも」
遠く指さす先に、
うずたかく積み上がったジャガイモの山。

私たちが仰天のあまり
「こんなにいいんですか!?」
という声が出ず、
「あう、あう、あう~」
と言っていると、
彼はさっさと山盛り野菜を段ボールに入れはじめた。

重すぎて運べないので一輪車をお借りする。
これに触れたのは中学校のグランド整備以来。


家に帰ってから撮影。靴とズッキーニのサイズを比べてほしい。40cmはある!

またもや
感謝カンゲキ雨嵐!

お礼を300回伝えた後、
Aさんに教えてもらったミヤマクワガタポイントへ向かう。

そして到着してびっくり。
そこはだ~~~れもいない天空の一本道だった。

だが、目的のクワガタは小さなスジクワ数匹のみ。
それでも行く価値は十分にあった。

帰りに大柳川の銚子口二段滝に寄る。
こちらも期待以上の超絶景。

幅も高さも数十mの岩肌に広がる厳かな滝。
クルマを走らせているといきなり道路脇にこんな大迫力の瀑布が現れる。
今まで名瀑と言われる滝を何本も見てきたが、
こんなに期待を上回ったことはない。
なぜもっと有名にならない?

そんな感じで今回のカヌーキャンプは、
地元の方々に親切にされっぱなしだった。
こんなに温かく接してもらったのは、
昨年の徳島県以来↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/3312

ここまでしていただいたら、
リピートしないわけにはいかない。
第三の故郷が生まれた旅でした。

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