犬とカヌー「想定外の鮎&アマゴ祭り」日和佐川①(徳島県)

ヤス突きには失敗しましたが……。

土砂降りに遭遇しつつも、
その透明度の高さ、魚影の濃さ、水温の温かさなどで、
十分満足できた海部川の川下り。

我々はやり切った感を胸に、
野田さんの終の棲家となった日和佐川へ向かった。

ここはめずらしく漁協がない川。
だから釣りはもちろん、投網だろうがヤス突きだろうが、
法や道徳に反していなければどんな魚とりをしてもOK。
くわしくはこちらを参照↓
https://www.pref.tokushima.lg.jp/FAQ/docs/00015578

そこで10数年前に館山市(千葉県)の釣具店で買ったお子様用のヤスとお魚キラー(罠)を持参し、
さらに徳島市内でエビタモ(テナガエビ用の網)を手に入れた。
目標は鮎6匹とテナガエビ10匹!
今夜は腹いっぱい食ってやるのだ!!

まずは河口近くから遡って遊び場を探す。
10㎞走ってもクルマで河原に下りられる場所は1ヶ所しか見つけられなかった。
しかしそこも下り切った場所が傾斜地で落ち着けそうにない。
そういえば釣り師を一人も見ていない。
「漁協がない=川が自然のまま」ということかもしれない。

それでも近くにクルマを停められて潜れそうな淵を発見。
大至急ウェットに着替える。
ヤスを片手にやる気満々。

潜ってみると早速びっくり仰天。

目の前の淵の底にカニカゴが沈んでおり、
中に20匹ほどのモクズガニがぎゅうぎゅうに入っていた。
しかも全部デッカい!

あまりに数が多いので、しばらく観察してしまった。
すると「なるほど!」と思える法則を発見。
カゴの周りにもカニが何匹もへばりついている。
だが、そのカニたちは明らかに中に捕らわれているヤツより小さい。
たぶん大きなヤツから「どけ!どけ!どけ!」とカゴの中に入って行くのだろう。
しかし、入ったら人間に食べられる……。
自然界の厳しさをここで学ぶことになった。

さて、話を川に戻す。
透明度はバツグン(10mくらい)。
モズクガニもたっぷり。
これは期待できる。

淵の奥に視線を移すと鮎の群れが横切った。

魚影の濃さは海部川並み。
「やった、今夜は鮎の塩焼き祭りだ!」

嫁や泰楽(ゴールデンドゥードル)と遊ぶことをすっかり忘れて漁に精を出す。
しかし、淵の水深は2.8m。
深すぎてヤスが鮎に届かない。

ならば潜ればいいのだが、
ウェットを着ていると浮力がアップするので川底に留まってヤス突きをするのは無理。
(海パンいっちょだと、いくら水温が高いといっても20分が限界)

それでも夢中になって鮎を追いかける。
すると頭上からなんとなく私を呼ぶ声が。
「なんでしょう?」
と浮かび上がる。

嫁がビニール袋を持って駆け寄ってくる。
彼女はまだウェットに着替えていない。
おんまえ、今までなにをしていた!?

「近所のおばちゃんが鮎をくれたよ!」
袋の中身は4匹の鮎だった。
つやつや輝いている。

「今朝捕ったばかりだって。
鮎は大好きと喜んだら、
『本当!? だったら冷凍したのがたっぷりあるから待ってて』だって。もうすぐ来るよ」

ヤス突きが下手くそことを不憫に思ったのか、
川の神が微笑んでくれたのだ。
「マジマジマジ!?」と興奮していると、
ジップロックを抱えたおばちゃんがやってきた。
「鮎捕れた? 捕れんやろ? 捕れんと思った。これあげるわ」

鮎だけじゃない。
アマゴも含めて16匹。
今夜は大感謝だ。

私:「いいんですか!? いいんですか!? いいんですか!?」
嫁:「ありがとうございます! ありがとうございます! ありがとうございます!」
泰楽:「ワンっ! ワンっ! ワンっ!」(みんながうれしいならボクちゃんもうれしぃー!)

家族全員総出で飛び上がって喜び、会話を弾ませると、
何とこの方は野田さんのお知り合いだった。
そして野田さんが晩年に通った淵の場所やここでは書けない裏話などを聞かせてくれた。
いや~~、なんでしょう、この運命的な出会い。
ここ数年で一番感激しました。

そんなこんなで自分で捕った鮎はゼロ。
それでもニッコニコで野営地に戻って念のために近くの川面に潜ると、
小さめの鮎が少々とデッカいモクズガニがふらふらしていた。

モクズガニは手づかみでも簡単に捕れた。
だが、食べ方が面倒。
だから「う~~ん、う~~ん」とかなり悩んでからリリース。

そしていよいよ鮎&アマゴ祭り開始。

気温25℃。
風速2m。
星空にも恵まれて大満足な宴となった。

テナガエビ用のお魚キラー(罠)を仕掛けて、
22時30分就寝。

コメント

  1. 通りすがり より:

    日和佐川の記事を拝見しました。
    日和佐川には漁協はありませんが、「漁協がない」ことと「どのような漁をしてもよい」は同義ではないと私は解釈しています。
    徳島県内水面漁業調整規則では、「なげ網」の漁を行うときは知事の許可が必要とあります。(https://reiki.pref.tokushima.lg.jp/reiki_honbun/o001RG00000595.html#e000000139)(https://www.pref.tokushima.lg.jp/FAQ/docs/7217184/)

    「なげ網」という法律用語が「投網(とあみ)」と同義かは不明ですが、辞書の上では同義のようです。

    私も同様のことをしてみたくて色々調べてみると以上のような解釈にいたり一歩踏み出せていない状況です。貴殿の解釈を教えていただければ幸いです。

    • zenta1_admin より:

      コメントありがとうございます。私はわからないことがあれば担当部署に電話しています。投網ではありませんが、ヤスについては徳島県と静岡県に電話して「漁協が禁止していなければ行ってOK」と確認しています。ご参考になれば幸いです。

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