メインイベントは御嶽山だった!
6月は我が家にとってカヌーのシーズンだが、
珍しく山に登った。
先日、インスタを眺めていて、
Have Fun Baseというイベントを見つけたからだ。
これは、
犬×キャンプ×登山×カメラ
という漏れなく私にジャストフィットのイベント。
しかも
登山YouTuberのかほさん
や
登山犬の茶々丸くん
もゲストとしていらっしゃるという。
開催場所も栃木県と守備範囲。
これは行かない手はない。
でも、どうせ行くなら早起きして近くの山に登ろう、と考えたワケだ。
すると、ちょうど会場の裏手に古賀志山(標高582.8m)があった。
調べると、なんでも地元では敵なしの人気登山スポットらしい。
これまた登らない手はない。
そんなことで7時7分にスタート地点の宇都宮市森林公園(標高220m)に到着。
敷地内の無料駐車場は7時30分に開く(公衆トイレは利用可能)。
だが、道路脇に50台くらい停められる駐車スペースあり。
そこを利用する。
用意して7時18分、北コース登山口に向かって出発。
気温21℃、ほぼ無風。
日差しは燦燦。
Tシャツでちょうど良い天気。
まさに梅雨の晴れ間、ラッキー。
しばらくダム湖脇の道路を歩く。
途中にも公衆トイレあり。
10分ほど進むと、この日の午後に参加予定のアウトドアイベントの会場でもあるキャンプ場に着く。
このすぐ先が北コース登山口。
ヤマレコのコースマップに従って渓流沿いの林道に入る。
森の中に清流のゴウゴウという音が響く。
ジメジメで陽の光が入らないので、
「ヒルがいたら嫌だなぁ(実際にはいなかった)」なんて思っていたら、
いつの間にか突き当りになっていた。
「はて?」とスマホのマップを確認。
コースはここから川を渡って伸びている。
キョロキョロしていると、
黄色と黒の工事現場で使う衝立が川沿いにドンっ!と置いてあった。
つまり
「この先は進めません!」
ということ。
ということは、以前ここに橋があったということか……。
「ジーザス!」
なんとか川を渡れないかと流れに目を凝らす。
速い、深い、危ない!
急流を眺めて途方に暮れること5分。
Uターンを決断。
嫁さんはチャレンジしていたけど……。
仕方がないので駐車場近くまで戻り、
帰路で利用しようと思っていた南コースで登ろうと考えた。
ところが、林道の途中で何気なく向こう岸へ目をやると、
登山ファッションのおばちゃんが歩いているのが見えた。
たしかあちらは林業用の砂利道だったはず。
もしかしたら豪雨でこちらの橋が流されたので、
現在は向こう岸が登山道になっているのかもしれない。
ならば、わざわざ駐車場まで戻る手間が省ける!
若干速足で舗装道路まで戻り、そこの橋を渡って砂利道に入る。
100mほど進むと、また登山者が下りてきた。
大至急、声をかける。
「この道は古賀志山の山頂まで続いていますか?」
「続いていますよ。ここは北コースです」
やはり今はここが正規ルートとなっているようだ。
コースは比較的幅が広く、沢沿いに続いている。
登山道なのにほとんど傾斜なし。
さらにさっきとは打って変わって陽の光が差し込むので明るい。
なので恨むべき清流のさらさらという音が心地よく感じられるようになった。
要するに清々しい!
途中で意外にしっかりした吊橋風の橋があったり、
大きな岩がどんっ!とあったり、飲用可能な湧き水があったりで飽きない。
その湧き水を過ぎた辺りから勾配がきつくなってくる。
といっても一般的には緩いレベル。
だが、スタートして1時間15分(Uターン等があるので実質1時間弱)で、
いきなり大岩急登地帯が待ち構えていた。
それでも新緑と大岩のコントラストが美しく、テンションは上がる。
見上げるとその新緑はカエデだった。
ツツジも多いようなので、この山は一年中楽しめそうだ。
この大岩地帯を登り切ると、そこは富士見峠(標高505m)だった。
名前から大眺望を期待したが、360度森の中。
残念。
そこからしばらく登ると、今度はゴツゴツ岩肌コースが登場。
こういうよじ登る系は嫌いじゃない(短距離限定)。
そしてスタートして1時間40分後(実質1時間20分位)、いよいよ頂上に到着。
そこはあちらこちらにベンチがあるほど広いスペースだったが、
視界が開けているのは南側オンリーだった。
宇都宮の市街がスドーンっ!
「眺望最高!」というレベルではないが、
こんなに手軽にここまで来れるのは、かなりの魅力。
人気があるのも頷ける。
約20分山頂を楽しんでから下山開始。
復路は、300mほど離れた御嶽山(標高560m)を経由して南コースを利用する予定。
事前に御嶽山へのコースには、くさり場やハシゴがあるという情報を入手。
泰楽が登れない場合は、嫁さんと代わりばんこで頂を踏むつもり。
ところがすぐに前情報にはない岩場のトラバースが登場(↑画像の岩場ルート)。
人間は壁のくさりを掴めるが、肉球お手手のワンコは無理。
片手で自分の身体を支えつつ、もう一本の腕で泰楽を先に進ませる。
その先に情報通りの岩場(ロープ場)も立ちはだかる。
でも泰楽にとってこれくらいは、妙義山などで慣れているので、スイスイ登る。
唯一頭を抱えたのは、その先のハシゴ。
長さ3mくらいあって両脇は切り立つ崖。
落ちたら、打ちどころによってはお陀仏
キョロキョロすること約2分。
幸い、途中までは左脇の岩からでも登れるので、
そこまで泰楽を担いで、
上にいる嫁さんに渡せば何とかなりそう。
でも、できれば足場が悪い岩の上で30kgオーバーの泰楽を担ぎたくないーー。
「泰楽、自分でこのハシゴを登れない??」
ダメ元で前足をヒョイと持ち上げて、ハシゴの踏ざんに置き、お尻を押してみた。
犬というものは、そもそも細い部分に足を置くことを嫌がる。
それゆえ、例えば道路にグレーチング(金属で作られた格子状のふた)が横切っていると、
そこから先に進めない犬は多い。
ましてハシゴを登るなんて全然無理!という子がほとんどだろう。
泰楽は犬の中でも臆病な方なので、今まではもちろん無理だった。
ところがどっこい。
なぜか今回は、
「自分、やってみるっす!」
とスイスイ上がってしまった。
先ほどのロープ場といい、この日の泰楽は、なかなかヤル
人間の子どもと一緒で、テンション次第なのかな?
とにかくハシゴをクリアしたことで、無事に御嶽山の登頂に成功!
ここは古賀志山のついでに登られることが多いようなので期待はしていなかった。
しかし、その考えは120%不正解でした。
古賀志山とは比べ物にならないほどの大展望が出迎えてくれたのだ!
どんっ!とそびえる日光男体山(百名山)を中心に、
東側の皇海山(百名山)から北側の高原山(三百名山)まで約50㎞の山並みが一望できた。
古賀志山に登って、ここまで来ないのはもったいない!
今回の登山のメインイベントはこの眺望でした。
後ろ髪をひかれつつ下山開始。
すると途端に重く心にのしかかるものがーー
泰楽をどうやってあのハシゴから降ろすか、だ。
まさに行きはヨイヨイ、帰りはツライ。
とりあえず自分だけ下に降りて念入りに地形をチェックする。
「う~~ん、危ない!」
でも、行きも担ぐつもりだったんだから、帰りも担げばいいでしょ!
問題は上げるときは、上で嫁さんが引き上げてくれたが、
下げるときは自分ひとりで体重30kgオーバーの泰楽を着地させなければならない。
嫁さんは上から「泰楽っち、がんばれ!」と、
背中を押す役目をしなければならないからだ。
左手でハシゴの支柱をがっちり掴み、
ゆっくりと泰楽を右肩に乗せる。
ズシリと息子の体重がのしかかってくる。
「おっ、重いっ!」
それでも放り出すワケにはいかない。
「ファイトォー、一発!」
と心で叫び。
泰楽を肩に乗せたままハシゴを下る。
支柱を掴む左手が汗ばむ。
でも、滑らせたら終了ーー。
そして、下り切ったら、徐々に身体を左にひねり、
右腕1本で泰楽を地面に降ろす。
あと30㎝。
20㎝。
10㎝。
もう離してもいいよね?!
泰楽ちゃん、無事に着地成功!
家族全員でガッツポーズ。
自分、なかなかやるじゃん!
かなり上機嫌に
そのままテンションで歩を進めると、
あっさり道を間違える。
復路は長い、長い階段のはず。
なのにいつまでも階段はなく、代わりに「猪落(ししおとし)」という看板を頂く岩場の頂上に出てしまった。
その名からして絶対に通りたくないコース。
ちょうどベテラン風のおじいさんが登って来たので、
聞いてみたら、やはり道を間違っていることが判明。
大至急10分ほどUターン。
すると南コースの50m手前の脇道に入っていたことがわかった。
この山は本当に脇道が多い。
やっと予定していた階段地帯に入ることができたが、
これがかなりの苦行。
とにかく結構な傾斜の階段が永遠に続く。
そもそも私は下りが苦手。
特に長い階段を下っていると、
かなりの高確率で左ひざが痛くなる。
ここでトレッキングポールを出す。
とはいえ、コースの整備はしっかりされていた。
例えば、段差が大きいところは石が置いてあり、落差を軽減してくれていた。
整備関係者に感謝します。
階段を下ること約25分でやっと車道に出る。
でもすぐに登山道(階段無し)に入り、
やがて宇都宮市森林公園の中に入る。
ダムを横切りゴール。
4時間18分・7.7㎞の山行でした。
道を間違えなければ多分3時間40分、6.7㎞くらいだと思う。
(我が家は写真を撮ったり、泰楽と遊ぶので、それでも平均より遅いはず)
古賀志山は、一部を除いて傾斜が緩くて登りやすい。
それに渓流が爽やかで日陰も多いので夏でも比較的楽しめる。
(このときはヒルはいなかった)
だが、古賀志山だけでは本当にもったいない。
たった300m先の御嶽山まで足を延ばせば絶景も味わえる。
岩場さえ覚悟していれば、万人向けの山だと思う。
ただし御嶽山への大型犬連れは、基本的に不可。
(我が家も含め)
余裕で片手抱っこできるサイズ限定だと思う。
ヘルメットもあった方がいい。
あと全体的に脇道が多いので道迷いにも注意。
そして肝心のHave Fun Baseは、
かほさんと茶々丸くんに会えたのはうれしかったが、
大型犬がほとんどいなくて残念でした。
ちなみに翌日は、
はじめてふくらはぎが仰天クラスの筋肉痛になりました。
やはり下りの階段は苦手だ……。
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