犬とカヌー「過去最難度のダウンリバーに挑む！」笹間川（静岡県）

ガツガツ食べて、ゴクゴク飲んで、ボウボウ燃やす
水位：駿遠橋（すんえんばし）0.08ｍ　石上橋―2.80m

5月下旬、大井川の支流である笹間川を漕いだ。
ゴールはダムから1㎞ほど遡った広い河原。
スタートはそこから5㎞ほど上流の橋。

8時45分にゴール地点の河原に到着。
ここは昨年の同時期にヒラタクワガタを採集し、
透明度バツグンの中でシュノーケリングをしたご機嫌な場所だ↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/2705

だが、昨秋に台風が直撃し、状況は一変。
半年以上経った現在も無残な状態が続いていた。
抱えるほど大きな岩がゴロゴロで奥に入れず。
手作業で20個くらいどかす。
これに30分費やす。
汗だくだく。

その後、ヒラタクワガタをチェック。
彼らが好む柳の森は半分くらいが流されていた

残った柳も根元に流木が堆積。
かろうじて立っている感じ。

樹液一切なし。
洞の中にはコクワさえいない。
昨年ヒラタを見つけた洞も壊滅。
今年はもう無理？

そんな感じでダウンリバーを開始したのは10時50分。

気温22度。
爽やかな微風が頬を撫でている。
でも、土木作業の汗がまだ引かない。
やっと川に入れるとワクワクしつつ漕ぎ出す。
ところがぎょっとするほど流れが速い！
推定時速12㎞。
結構がんばって走るジョギングくらい。

しかも直径1mくらいの岩が盛りだくさん。
「よっ！　あらよっ！」
しょっぱなから障害物をよけるテレビゲームのような臨戦状態。
なのでたった100m漕いだ時点で泰楽が沈。

でも、止まりたくても流れが速くて止まれない。
やっと引き上げた頃にはコースはさらに難易度アップ。
1.5級の瀬が続き、その先は必ずといっていいほどカーブ。
焦って船体を操ろうとするがほとんど無駄。
吸い込まれるようにカーブの奥の岩への激突を繰り返す。

その岩の表面が、ことごとく
「さっき崩れました」
という感じのギザギザ。
ぶつかるたびに内心
「カヌーが破れるぅ～～！」
と絶叫。
仕方なくカヌーが当たる前にパドルや手を出す。

だが思い切りやるとパドルは折れそうだし、
手のひらはスパッと切れる。
もう全員半べそ。
完全に実力がコースに合っていない。
具体的には御岳（多摩川）より明らかに難しい。
素人が、いきなりパリダカール‐ラリーに放り込まれた感じ。
開始10分でヘトヘトになってしまった。

結局30分、2㎞進んだ日向上橋まで休む間がなくずっとヒヤヒヤが続いた。
だが、そこからから先は、打って変わってのんびりモードに。
エグいカーブやニクい大岩が急に減ったのだ。
視界に人工物無し。
両岸に濃い緑。
白濁しているが泥臭くない清涼な川面。

気田川の3分の2バージョンといった感じ。
それでも流れのスピードは同じなので軽快に進む。
泰楽も上機嫌。
船頭役を買って出る。
だが、ちょっとした衝撃であっさり沈していた。

やっと気持ちよく進んでいたのに迷惑。
その後、彼はちょっぴりブルーになっていた。

そんな感じで、ほとんど潜って遊ぶことなくゴール。
1時間48分。5.3㎞のコースでした。

繰り返しになるが、この川はタンデムで和気あいあいと下るところではないようだ。
小回りの利くリバーカヤックでずっと「よっ！　あらよっと！」とやり続ける川だと思う。
なので次回下るなら日向上橋から下流の3.3㎞だけにする。
ただし、普段は水量が足りないかもしれない。
今回の様子だと比較的水位が高かったようだが、それでも2か所ほど歩いた。
もう10㎝低かったらダウンリバーにならなかったはず。

ゴール後はそのまま河原でキャンプ。
適地まで私はカヌーを担ぎ、嫁さんと泰楽は付属品を運ぶ。