犬連れ登山「紅葉!手軽!絶景の岩峰!」奥久慈男体山(茨城県)

登りはじめ100mはすべて紅葉地帯!

生瀬富士・月居山に登った↓翌日の11月24日。
https://large-dog.iehikaku.com/archives/8550

車中泊した河原で6時16分に起床。
外気温は4℃。
だが、ウール靴下・腹巻・ダウンジャケット・ダウンパンツ・寝袋の完璧セットだったので寒くはなかった。
それでも6時30分まで寝袋から出られなかったけど。


上半身を起こしてクルマのスライドドアを開ける。
絵画のように広がる久慈川と錦秋。
ここで朝から日本酒をやりたい気分。

覚めきっていない自分に気合を入れて「えい、やっ!」とクルマから出る。
対岸の木々の先端が右手から左手にざざざ~っと揺れる。
ぶるっと身が縮まる。

空は全体的にまだ霞がかっているが雲一つなし。
川下からカワウの群れが飛んできて、ぐいぃ~、ぴゅ~っと川上に去って行った。
もしや昨晩の「うぎゃ~!」「どどどどど~っ!」「ばっしゃーんっ」の主はコイツらではないのか?
だからライトを当てても目が光らなかったのだろう。
危険生物じゃなくてよかった~。

二日目は、以前勝手に「低山ナンバーワン宣言」を出した奥久慈男体山(標高654m)へ登る。
前回は春だったのでツツジが真っ盛りで、山頂からの景色も絶品だった。
それなのに3㎞・1時間30分とハイキング気分で登れる。
費用対効果バツグンの山だ↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/4431

ただし、前回利用した持方登山口は行くまで時間がかかるので、今回はより近い男体山麓駐車場から登ることにした。
そこからでも2.5㎞・2時間10分とお手軽だ。
2日目にはちょうどいいはず。


8時10分、男体山麓駐車場に到着。
詰めれば7~8台停められそうだが、地面は泥でぐちゃぐちゃだった。

ここで注意! 
駐車場に入るまでの250mは普通車が通れるぎりぎりの幅の林道だ。
したがってすれ違いは絶対に不可
対向車に出くわした際に、100m以上バックする自信がない人は入らない方がいい。
林道入口の100m下、つまり登山口から約350m離れた道路沿いに3台くらい停められるスペースがあったと思う。


8時30分、登山開始。
標高300m。
案内標識に従って男体神社へ向かって行く。

とりあえず拝殿でお詣り。
それで登山道は?
拝殿の裏に回る。
枯れた滝があり。
それだけ……。

アップルウォッチでヤマレコ地図を確認。
合っているように見える。
でも数m単位でズレている?

画面とにらめっこをしながら参道を逆戻りしていく。
案内標識まで戻ってきた。
凝視……。


標識の左側がとんがっている。
登山道は左じゃん! 


そこから九十九折の登山道が続いていた。
足元は、生瀬富士と同様にじめじめ。
杉と広葉樹の混合林だがカエデが多い気がする。
まだ青々しているからわかりづらいけど。


100mくらいで雑木林になった。
足元が乾いている。
落ち葉の絨毯が、かさかさと鳴る登山道。
気分が一段階上がる。


紅葉もちらほら登場。
前日の様子から期待していないけど。

やがて足元が岩盤になってきた。
土と違ってえぐれていないので歩きやすい。
それに嫁さんは、岩登りが大好物。
ときどき2~3mの岩登りが出てきてご機嫌の様子だった。


なお、ロープ場は合計4つあり、難易度は3番目↑がもっとも高かった。
高さ3mくらいの1枚岩だ。

気がつくと左側が落葉して風通しの良い雑木林、右側が遥か遠くまで見渡せる急斜面になっていた。
風も視界も突き抜ける。
視線を右にずらすと常に隣の山のやさしいモザイク模様。
気温10℃。
微風。
快適。
全員、無言で頬が緩む。
「次はなにが見える!?」と期待しながら登る。


するといきなり日陰に覆われた。
空は快晴なのになぜ?
見上げると手が届く高さから上が青々とした葉っぱに覆われている。
首を精一杯左、右に振っても視線の先は葉っぱ。
なんだこの木は?
眉間に皺を寄せて葉っぱを鑑定。
カエデだ。
しかも1本の大カエデが直径6mの日傘になっている! 

こんなにデカいカエデは、なかなか出会えるものではない。
よく見ると所々赤く色づいている。
2分咲きといったところ。
これが全部真っ赤になったら……。
赤の天井に押しつぶされる! 
私にとって究極の紅葉狩りだ。


そこから先は、3分まで色づいたカエデ街道が100m続いていた。
その先は線で引いたように笹藪の急登に。


50mほど登ると景色は一変。
落葉し切った広葉樹の森となっていた。
ほとんどがミズナラとブナ?
絶え間なく北風が吹きつける灰色の世界が広がっている。
紅葉のピーク地点がなくて、いきなり季節が冬になったのね……。


自然の不思議さにぶつぶつ文句を言いつつ進むと稜線に出た。
左へ行けば昨日登った月居山。
右へ行けば奥久慈男体山。

ここから再度ナラ系の黄色い紅葉が登場。
山は方角によって、ころころ表情が変わる。
ちょっぴりご機嫌になって、鮮やかな色を探しながら歩く。
近くの葉に注目するとつつじも多いようだ。
これは春も期待できそう。

前回の記憶では山頂直下に東屋があって、その先の分岐点から下った。
そこを通過する。


東屋は近いぞ、と思ったら、どーんと大きな急登が立ちはだかっていた。
横幅50mくらいの谷状の地形を底から登る。
ゴール目前で結構嫌なシチュエーションだが、なぜか清々しい。
なぜだ?
3歩くらい進むと松田聖子の歌詞が浮かんできた。
「秋色の街~♪」
違うな。
なんだっけ?
そうだ「映画色の街~♪」だ!

でも、ここは秋色の街だった。
ふかふかの茶色の落ち葉、「ほんの気持ちです」と残った黄色の葉っぱたち、霞んでいるが雲一つない青空。
どれも私にとって秋を象徴している。

頭のなかで『瞳はダイヤモンド』を思い切り放歌しながら歩を進める。


登り切ると数十mの稜線。
そこから下ると東屋があった。
この先をひと登りすれば頂上だ。


1.3km・1時間17分で登頂。
登っているときは3組くらいしかすれ違わなかったが、山頂では10組くらいが休憩していた。
おそらくほとんどがもっとも難易度の高い健脚コースで登ってきたのだろう。


だが、実は山頂には用はない。
ここの最大の見どころは、山頂から50mほど離れた男体神社奥宮(祠)からの眺望だ。

祠にご挨拶を済ませ、ぐるっと裏に回る。
するとこの絶景が広がっている。

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右側を見渡すと、もう雪を頂いている大佐飛山。

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そこから左に高原山、日光白根山などが見渡せた。

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そして正面には富士山や丹沢の山々が望めた。
さらに眼下には美しいパッチワーク柄の山々が見渡す限り広がっている。
おそらく奥久慈でトップクラスの絶景だ。


泰楽が飽きていることにも気づかずに、必死にシャッターを押してしまった。

ここの楽しみは、これだけではない。
山頂側から祠を見渡す景色が大迫力なのだ。


祠は約300mの絶壁の上にある。
山頂方面からは、その絶壁の上に立つ自分たちを写真に残すことができる。
手軽に登れるのに、エキスパートオンリーの山に登ったような記録を残せるのだ。

ただし、祠の裏は狭いので、晴れた日は常に順番待ち。
特にワンコ連れはタイミングが難しい。
私たちはシャッターチャンスを狙って40分も滞在してしまった。

下りは基本的に脇目も振らずにサクサク進んだ。
だが最後の100mで急停止。


真っ赤なカエデが陽の光を受けてステンドグラスのように輝いていたのだ。


登りの際もカエデが多いと思った。
だが、実際は多いどころではない。
登りはじめ100mの南側は全部、すべて、まるっきりカエデだった!

山頂から50分でゴール。
思い切り写真を撮りまくって2時間53分、2.7㎞の紅葉登山でした。

①カエデたっぷり ②手軽なのに稜線など変化に富んだコース ③ほかにはない絶景。
持方コースより1.5倍ハードだが、それでもギリギリ登山と呼べるレベル。
持方は、多少傾斜があるハイキングコースだ。
なので楽しさは断然こちらの方が上。
これは来年の紅葉ピーク時を狙わなければならない!

なお、2024年の紅葉ピークは12月5日前後だと思う。

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