犬連れ登山「どこまでも続く紅葉の海を歩く」新湯富士(栃木県)

紅葉のスケール感は歴代NO.1!

気づけば11月。
紅葉が見たい。
でも渋滞は嫌い。
ならば関越道や中央道は避けて東北道で行ける山だ。
そのなかでも真っ赤系の紅葉と眺望を期待できる山を探した。

ヤマレコ&ヤマップで最近の様子を調べたところ、
2023年11月初旬の紅葉前線は、標高1,000m辺りらしい(関東の場合)。
・東北道沿い
・真っ赤な紅葉
・眺望がある

・標高1,000m前後
かなり条件が絞られた。

候補に挙がったのは、
ミツモチ山(標高1,248m)

新湯富士(標高1,184m)。

ミツモチ山は、眺望はいいが紅葉はそこそこ。
新湯富士は、眺望はそこそこだが紅葉はバツグンらしい。
熟考を重ねた結果、やはり優先順位は紅葉なので新湯富士に決定!

なお、今回はワケあって嫁は不参加。
久しぶりの泰楽との男塾登山となった。
(海帰りの千葉の低山は、よく二人で登っているけど)

8時6分、予想通り渋滞なしで登山口のある大沼園地(標高963m)に到着。
山道をクルマでぐりぐり上がってきたのだが、
その道中の紅葉がすでに絶景クラス。
「ここでこんなに美しいなら、この先どうなっちゃうの!?」
期待に胸がパンパンになる。

駐車スペースは10台分くらい。
立派なトイレあり(手洗い場なし)。
先客1台のみ。
登山口近くにも数台のスペースあり。

8時25分スタート。
気温13度。
道路を100mくらい歩いて登山口へ向かう。
入口は「塩原自然研究路」というでっかい標識があるので迷いようがない。

コースに入った途端に紅葉の嵐。

大好物の紅は少ないが、オレンジ色を中心に見渡す限りの秋色。
登山中の紅葉は、
「この木だけ見事に色づいているね
といった感じのピンポイントが多い。
なので、このようなスケールの大きな紅葉はなかなかない。
とにかくモミジが多いのだ。

登山道自体も幅が広くて歩きやすい。
たぶんクルマも入れる。

あまりにシャッターチャンスが多いのでキョロキョロしていたら分岐点を見逃す。
予定ルートに戻ると、そこは急登の開始地点だった。
抱えるくらいの岩が転がるコースを九十九折に登って行く。

ルートは、その岩を階段状に整備してくれているので歩きやすい。
だが、どこも落ち葉がふかふかに広がっており、
ときどきルートが見えなくなって気が付いたら直登していた。

汗だくだく。
ソフトシェルを脱いでベースレイヤー1枚になる。
身軽になって、再び紅葉を味わう余裕ができた。

もう紅葉の海に溺れそう!

ところが、登れば登るほど紅葉が減っていく。
そして標高1100m辺りから一気に減った。
針葉樹、岩、コケの世界。
まるで太古の森。

「あれれ、なんか急につまんなくなってきたぞ」
と思っていたら、
いきなりでっかい標識の裏側が見えてきた。
「はて、なんて書いてあるのかな?」
回り込むとこう書いてある。
「新湯富士山頂 標高1180m」

??!! 
たった1.2㎞・50分で登頂してしまった。
紅葉が素晴らしすぎて時間が経つのを忘れていたのでびっくり。
しかも、そこは360度森の中。
眺望ゼロ。
まったくツマラナイ。
証拠写真だけ撮って先に進む。

アップルウォッチでヤマレコ地図を確認すると、
その先にも山頂があると書いてある。
意味不明だが、せっかくきたのだからそちらにも行きたい。
地図どおりに進んで行ったら、
登山道の途中で90度左カーブをしてコース外の急斜面を登れという。
幸い藪にはなっていない。
仕方なく登る。
行きついた先は、またもや森の中。
あるのは「ここが頂上です」という意味の小さな標識と小さな祠だけ。
ご挨拶だけして下山開始。

そして、標高1100mを切った辺りから、
線を引いたように広葉樹林になった。
落葉によって日差しが地面まで届いて明るい。

下れば下るほど紅葉の密度が上がっていく。
この山の登山道は、基本的に谷を通っている。
だが、紅葉している木は、そこを挟むように尾根上に生えていた。
幸いどこも藪にはなっていない。
なので「これは!」と思える鮮やかな色が目に入ると、
その都度尾根へ登って行った。

そこで待っていたのは、常に期待通りのモミジ広場。

一番胸に「ズキューンっ!」と来たのは、
直径1.5mはありそうな倒木の周りの紅葉。

この木はモミジ広場の端に倒れていた。
見下ろすと吸い込まれそうな谷の上にあって、
風が吹く度に「カサカサカサ」と色づいた葉が雨の様に落ちてくるのが印象的だった。

広場では泰楽のぶりっ子タイム。

時間を忘れて写真や動画を撮りまくった。
その後もコースを外れて尾根へ登ることを繰り返す。
這うように登って行くと途中で美しい落ち葉の絨毯がそこかしこに。
特にコシアブラ(?)の透きとおるようなレモンイエローは、
私の心をわしづかみにした。
自然にこんな色がつくり出せるの?

この日の真っ赤大賞はこの木。

こちらも風が吹くと深紅の雨を降らせてくれた。

さらに下ると、またまた見渡す限りの紅葉地帯に。
なのに無人。
木の棒を投げて泰楽と遊びながら進む。

ずんずん行くと突然視界が抜けた。

湯畑だ。
ここは展望がよく、見事に色づいた周囲の山肌を見渡せた。
眼下には奥塩原新湯温泉郷も見える。

ここでランチにしようと思ったが、硫黄臭が強烈で食欲激減。
とりあえず先へ行くことにした。
するとまたもや紅葉地帯に。
この山のサービス精神に感謝。

そして最後に待ち構えていたのはヨシ沼だ。

この沼をぐるっと回るコースを選択すると、
途中で新湯富士のどんっと構えた姿が拝める場所がある。
今回はそちらへ行ったが、次回は直線の時短コースでもいいかなぁ。

ヨシ沼を通過すると、行きに道を間違えた場所に戻ってくる。
相変わらず素晴らしい彩り。

「もう1年分の紅葉を味わいました!
そんな気分でゴール。
3時間13分・5.3㎞の山行でした。
ランチ抜きだが、たっぷり撮影したのでタイムは±ゼロだと思う。

紅葉のスケール感は歴代NO.1!
視界に紅葉が入らない瞬間は、ほとんどなかった。
しかもモミジは、お気に入りの妙義山より多い。

だが肝心の赤が少ない。
オレンジ7:黄2:赤1
といったところ。

また、山頂からの眺望がないのが残念。
なので、
「紅葉をとにかく眺め続けながら歩きたい」
という場合は最適な山だと思う。
ロープ場なしで傾斜も楽なので犬連れでも楽々。

次回行くなら新湯富士登頂は個人的に意味がないので、
反対コースでモミジ広場(新湯富士から下った鞍部)まで行ってピストンかなぁ。

さて、今年の紅葉シーズンは始まったばかり。
次回は待望の真っ赤を目指したいと思う。

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