たった1時間30分で紅葉と絶景がどーんっ!
11月11日:てんくらA
昨年、インスタで日向山(標高1,660m)の投稿を見て心が揺さぶられた。
山頂から見下ろす周囲の山肌がどこもかしこも錦秋、錦秋、錦秋。
身体全体が吸い込まれるような美しいグラデーションの嵐だったのだ。
投稿したのは、mami_k_0918さん(バッちゃん・バーニーズマウンテンドッグ)。
以来、嫁さんは何度かコメントのやり取りをさせていただいていた。
そこで今年はぜひご一緒したいとお誘いをしたところ、なんとご快諾をいただいた。
なので今回の山行は
「錦秋に燃える日向山withバッちゃん」
昨年は11月6日に行ったそうだが、今年は猛暑でどこも紅葉が遅れているようなので、11月11日に登ることにした。
中央道の八王子ICを、ほぼ渋滞なしで無事通過(午前6時くらい)。
須玉ICを出るとさっそく満開の黄葉が出迎えてくれた。
道中その風景がずっと続く。
これは期待できる!
8時10分に待ち合わせ場所の矢立石登山口(標高1,120m)に到着。
ぎりぎり最後の1台で停められた(帰りは14時の時点で5台くらい路駐)。
10分遅刻。
最初のご挨拶が「申し訳ありません!」になってしまった……。
バッちゃんは先代犬と同じバーニーズマウンテンドッグ。
さらに先代犬とはよく山に登ったので、その姿にちょっぴり熱いものがこみあげて来る。
とはいえ、バッちゃんは思い出に残る老犬ではなく、5歳の活発な女の子。
出会ってすぐにぴょんぴょんして泰楽を遊びに誘う。
だが彼は相変わらずモジモジして、最後は私に「どうすればいいんですか!?」と頭突きをしてくる。
「ならば」と無理やり並ばせて登山口で記念撮影。
いざ出発!
スタートから期待どおりの紅葉。
しかも大好物の紅系も多い。
ちょっぴりピークは過ぎたようで落ち葉も多いが、真っ赤でふかふかのコースも悪くない。
この山は基本的にずっと傾斜が緩いので、犬・山談義に夢中になりながら登る。
その間もmami_k_0918さんにぴったり寄り添うバッちゃん。
さすが登山に慣れている。
一息ついて見上げると鮮やかに色づいたモミジが。
南アルプス周辺の紅葉は黄色系メインと思っていたが、日向山の紅葉は感覚的に半分が赤系。
マジでうれしい。
しかしながら、標高を上げていくと植生は変わるもの。
1,350m辺りでカラマツの森になり、登山道は笹藪に囲まれるようになった。
この辺りから深くえぐれるコースも目立つようになり、何カ所か手を使ってよじ登るような場所もあった。
全体的には、かなり整備が行き届いた山。
それでもこんなにコースが崩れてしまうのは土質のせいか。
10年後がちょっと心配。
そんなところでもバッちゃんはぴょんぴょん登っていく。
体重は泰楽より重い38kg。
筋力はかなり強いようだ。
太ももを触らせてもらったが泰楽以上にパンパンだった。
大型犬は筋力不足で歩けなくなることが多いが、これなら安心だろう。
スタートから1時間23分、三角点に到着。
ここもカラマツ林の中なのでノンストップでスルーする。
mami_k_0918さんは5度目の登頂、わが家も2度目の登頂。
なので、その先に最大の見所が待っていることを知っているからだ。
三角点を過ぎればほとんど傾斜のない尾根道。
一歩一歩クライマックスが近づいていることを噛みしめながら進む。
あと5歩、4、3、2、1――
さぁ、どうだ!
こうだ!
ここが「雁ヶ原(がんがはら)」だ。
花崗岩が露出したザレ場で、「天空のビーチ」と呼ばれている。
その場に立つとまさにその通り。
標高1,600mオーバーの広々とした砂浜。
傾斜はあるものの、野球ができるくらいの広さがある。
見所はそれだけではない。
正面には視界いっぱいに広がる八ヶ岳がどーん!
その右側には金峰山を中心とする奥秩父の山々がどーん!
振り向けば深田久弥が「日本アルプスで一番奇麗な頂上」と絶賛した甲斐駒ヶ岳がどっかーん!
あいにく甲斐駒ヶ岳方面は雲の中だったが、全員大興奮で撮影大会に突入。
まずは左端の奇岩先端へ行き、
「かわいいよー」「かっこいいよー」「お利口だよー」
と親バカぶりを全開にした(当然、周りに配慮しています)。
その場所に飽きたら、今度は八ヶ岳方面へ降下。
より間近に周囲の山のグラデーションを味わう。
黄色、オレンジ色、赤色、黄緑色、緑色ーー。
巨大な美しいモコモコに吸い込まれそうになる。
だが、今回は少々遅かったようだ。
半分近くが茶色になっていた。
それでも角度によっては十分錦秋。
ここで我々のワンコが実力を発揮。
「待て!」
をさせたまま、飼い主たちは100mくらい登り返し、そこから撮影を行った。
その間、じっとモデル犬を務めるバッちゃんと泰楽。
(当然、周りに配慮しています)
普段犬見知りをする泰楽だが、バッちゃんが近づくのは嫌ではないらしい。
なかなかいいコンビのようだ。
撮影会は1時間近く続き、やっとランチタイム。
のびやかに裾野を広げる八ヶ岳の全貌を眺めながら厚切りカツのホットサンドを焼く。
気温8度・風速4m。
厚手のベースレイヤーとソフトシェルを着ていたが若干震えながら食べる。
でも、晴天&絶景が寒さを忘れさせてくれる。
バッちゃんと泰楽は、サツマイモを仲良く分け合って食べていた。
仲良く分け合って?
片付けの最中に振りむくと甲斐駒ヶ岳がついに雄姿を現した。
さすが主役は自分の演出方法を知っている。
ゴツい! 壮麗!
全員の意見が一致し、大至急撮影会を再開した。
再び「かわいいよー」「かっこいいよー」「お利口だよー」を連呼。
そんなことで結局2時間も頂上に滞在してしまった。
帰りの中央道渋滞は絶対に避けたい。
急いで下山しなければ。
ところがどっこい。
日向山は、その後も私たちのハートをがっちり掴んで離してはくれなかった。
午後の日差しに照らされて紅葉がさらに美しくなっていたのだ。
紅色が目立つようになった標高1,300m辺りからは登山コースを無視!
(しっかり地図は確認しています)
「はふ、はふ。はふ、はふ」
ふかふかの鮮やかな絨毯にくるぶしまで埋まりながら、少年・少女のように駆け降りる。
転ぶのはむしろ本望
飼い主がはしゃげば犬もはしゃぐ。
全員が色とりどりの落ち葉を蹴散らし、
「あの色よくない!?」
と美しい場所があれば愛犬をモデルに撮影会を開催した。
もう渋滞なんてどうだっていい!
そんな気持ちで無事下山。
5.44㎞・5時間38分の山行でした。
秋の日向山はかなりいい!
そもそもたった1時間30分登れば「天空ビーチ」&「秀峰絶景」を拝める。
それに加えて道中の紅葉も十分美しい。
こんなに費用対効果の高い山は、ほかにあるだろうか?
唯一気になる点は、人が多いこと。
登りは10分に一組くらいしかすれ違わなかったが、下りは引っ切り無しに50人以上とすれ違った。
(なぜ午後に登るのでしょう?)
しかも団体客が多く、10人以上も3~4組いた。
なので紅葉シーズンの犬連れ登山は、慎重に行いたい。
なお、あまりに気分がよかったので、帰りに尾白川渓谷(標高770m)へ寄った。
ところが紅葉は5割終了。
尾白川渓谷の紅葉の素晴らしさはこちら↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/3411
標高が低いのに何で?
たぶん
「渓流沿いなので気温が低い」「黄色系が多いのでモミジより早く落葉する」
のだろう。
そんなこともあり、次回行くなら、やはり1週間早くしたい。
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