犬連れ登山「大パノラマの山頂と絶壁沿いの稜線歩きに大満足!」トビ岩山(千葉県)

500mも続く断崖絶壁の稜線が続いていた!
2025年3月8日

「千葉県でもっとも富士山が美しく見える山を見つける」シリーズ第5弾。
第4弾である天羽城山の続き↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/9387


天羽城山のバリエーションルートで、人生最大の孤独感を味わった。
それから、トビ岩山の登山口に向かって広い車道を約500m進む。
こんな看板にも人の温もりを感じて熱いものがこみ上げて来る


妙蔵寺の前の赤い橋を渡ればトビ岩山の登山口
ここから山頂までわずか300m・30分だ。


ここもきちんと整備されていて、リボンも10m間隔で結ばれていた
ぜんぜんバリエーションルートじゃないね。


そして、たった20m標高を上げると、こんなに気持ちの良い岩稜が現れた!
すぐ下には住宅。
うらやましいーっ!


その後も森の中の稜線歩きが続く
台風の影響で倒木が多くて明るい雰囲気。
倒木はしっかり整理されていた。
どれも切り口が新しい。
印象的には高宕山に近いかな。
高宕山の山行記録はこちら↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/3685


途中の眺望はないが、風通しが良くてところどころ見どころもある。


そして登山口から約700m進むと高さ5mの岩壁が現れた。
これは素人には無理でしょう、と見上げると頂上でピンクのリボンが2つも揺れている。
ならばどこかから登れるのか?

右脇を進むとロープが現れた。
傾斜は約50度。
泰楽の実力は60度。
これならイケる!


念のため落ちても受け止められるように先に登らせる。
彼は目を輝かせてアイベックス(山羊)のように一気に登った。
やるじゃないか相棒! 


自分も登ってビックリ。
その先が高さ約50mの断崖絶壁だったのだ。
下を覗くと背中がきゅ~っと縮まる。
石射太郎山(高宕山の途中)の大岩からの眺めを思い出す。
このスリルは千葉県では希少だ。


さらにここからも稜線になっていて、その絶壁沿いを歩けた。
だからといって普通の人なら余裕で怖くはない。
コースの幅が2mくらいあるので高所恐怖症の私でも平気だった。
(妙義山の鉄砲岩には300%登れないレベルです)


もしかしてトビ岩山の実力は、とんでもなく高い!?
もうこの時点で、テンションがかなり上がる。
ずっとこの稜線を歩いていたい! 

ところがどっこい、100mほど進むと10mの急登が立ちはだかっていた。
残念!
えっちらおっちら登り切ると――。


前方にぶわっと東京湾が広がった。
トビ岩山の山頂だ。
そこは6帖くらいの芝生広場だった。
360度遮るもの無しの大パノラマ! 

こんなに素晴らしい場所だったのか!
それまでがあまりに楽しくて、山頂までの距離なんてちっとも意識していなかったので感動が衝撃的。
青い海が目に入った瞬間は、跳ね返されて尻もちをつきそうなほどのインパクト
だった。

だが、その衝撃は最初だけではなかった。
左側が幅1mくらいの1枚岩になっており、その先は高さ60mくらいの断崖絶壁。
突き当たりも同様なので周囲240度くらいが垂直の岩壁の上だった。

だからといって怖くはない。
私の高所恐怖症の偏差値は推定65。
クラスで3番目くらいの怖がりだ。
それでも山頂が広いので思う存分リラックスできた。


その証拠に絶壁の端でテーブルを広げてカップラーメンを味わった
どうですか、この極上の食卓は!?

気温5℃。無風。
天気予報は気温5℃、風速6mだったので良い方に外れてくれた。


泰楽なんて食後すぐに居眠りを開始。

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残念だったのは、天気予報どおり曇り空だったこと。
空気が澄んでいれば、東京湾の向こうに富士山がそびえていたはず。

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鋸山はしっかり見えました。

こんな贅沢な山頂は、千葉県のみならず関東一円でもなかなかない。
大の字で寝そべったり、泰楽とオテの練習をしたり、あまりに気持ちがいいので50分も滞在してしまった。

その間、登ってきた人はゼロ。
ずっと貸切状態。
土曜日ですよ。
これは穴場といえるだろう。


もしかして下山時は、あそこの岩稜を通る? 
これからのルートを想像するとワクワクが止まらない。


実際にその岩稜は通り道だった。
そこから山頂を見上げる。
あんなでっぱりに立っていたのか!?

でも、その岩場は5mで終了。
しかし、見所はそこではなかった。


下山を開始してから500mも断崖絶壁の稜線が続いていたのだ!


途中の風景は、とても標高100m台とは思えない。
どう見ても1500mクラスだ。
コース上のコナラがすべて白樺に見えてきた。
この時点で千葉県ナンバーワンコースとなった。


約20分の稜線歩きを終えると杉林(ヒノキ?)に入る。
途中に風早山の山頂標識があるが眺望ゼロ。


その先は倒木だらけ。
がんばってリボンをつけていただいているが、なかなか見つけられない。

やっと倒木地帯を抜けたと思ったら、急傾斜の下りだった。
ロープ無し。
ざらざらの土質でかなり滑る。

下り切ったところは、ほぼ垂直の崖だった。
ロープが二本垂れ下がっている。
5m以上ありそう。

Uターンするとしたら、あの滑りやすい斜面を登らなければならない。
だからといって握力が使えない泰楽に懸垂下降は無理。


絶対Uターンと思うが、念のため2m下りてみる。
傾斜80度。
泰楽には300%無理!
ゴールまであと600mなのに――。


諦めて風早山まで戻ると、標識の後ろに分岐点を示すリボンがあった。
それにしたがう。
こちらも通常の登山道のようにきちんと整備されていた。
途中でクルマの走行音も聞こえて安心する。

とはいえ、さすがバリルート。
藪の中からいきなり二人の迷彩服を着たゴツい男性が出てきた。
「とっ、登山ですか!?」
「いえ、訓練です」
「へっ!? 本物ですか?」
「そうです。習志野駐屯地です」
そう答える人は役職者のようで、後から自動小銃やバズーカ砲のようなものを抱えた若者が次々に現れた――。


その後、少々藪漕ぎがあって車道に出た。
それから1㎞歩いてゴール。
天羽城山と合わせて6時間18分・9.5㎞の山行でした。

トビ岩山の山頂と稜線歩きの楽しさは、千葉県では過去最高!
房総グランドキャニオンがなければ、トータル評価で歴代1位の小鋸山を抜いたはず。
千葉県の山ランキングはこちら↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/8018

ただし、天羽城山の先の巨石の森の孤独体験と、風早山前後のバリルートはいらないかな。
次回は物見塚山経由の一般的なルートで登りたい。

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