犬連れ登山「山桜と歴代最難度のロープ場に達成感を得る」明山(茨城県)

愛犬がアルプスのヤギのように崖を登る!
2024年4月20日

前日は久慈川(茨城県)をダウンリバーし、鉄橋近くの河原で車中泊。
そのときの様子↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/6807

早朝、「がたん、ごとーん」の音で起きる。
時計を見ると5時20分。
二度寝――。

再度「がたーん、ごとーん」
時計を見ると6時。
観念して起き上がる。
気温9℃、風速5m。
さっむーい! 

とりあえず泰楽のトイレを済ませて、JBLのスピーカーのスイッチを押す。
ジャズにするかフュージョンにするか悩む。

お湯を沸かしてカップラーメンを食べてから、8時前に明山(みょうやま)登山に出発。


途中で湧き水を汲む。わが家の飲み水は、ほとんどこの方法で入手。

地図上だと20分ほどで到着する道のりだが、なぜかナビが迂回路しか案内しない。
ナビを無視して進む。
途中でナビが愚図った理由が判明。
「どう考えても1カ月に1度しかクルマ通っていないでしょ」というような暗くて落ち葉だらけの道を通るのだ。
「対向車がきたらジ・エンド」とハラハラしつつ通過。


そんな道のりで予定通り正味20分で登山口の到着。

ここはBS朝日の番組で、南野陽子さんが途中で登頂を断念した山だ。
しかし、彼女が挑んだのは龍神湖からスタートする10㎞・7時間コース。
一方で私たちは反対側から登る2km・1時間30分コースだ。
「さくっと登って昼過ぎにはウチに帰ろう」とスタートした。


しかしながら最初から急登。
この周辺の山は、低山なのに急登ばかり。
どうやらこれは奥久慈登山あるあるのようだ。

だが、前日と打って変ってうれしいことも。
最初から登山道が明るい!


周囲が大好物の「新緑・パステルグリーン」の森だった。


さらに途中からは嫁さんが大好きな奇岩もちらほら。

 


そして期待のツツジも段々と増えていった。


とはいえ、ほとんどはまだつぼみ。
やはり1週間早かったか。


でも新緑は今がピーク。
もぉー囲まれ感が半端ない!
どちらかしか選べないなら、視界全体を埋め尽くす新緑の方がお得かもしれない。
「この山、なかなかいいぞ」


上機嫌でずんずん進んでいくと、はらはらと淡紅色の物体が降ってきた。
はて?と見上げる。

桜の花びらだ。
この山は桜が多いのだ。
考えてみれば当たり前なのだが、遠目から桜が咲いている山に入っても、中からその姿を眺めることはできない。
山桜の多くは背が高く、その先端付近に花を咲かせているからだ。
なのでこのときも見上げて確認できるのは、花びらの裏側のみ。
「う~ん、もったいない!」と地団駄を踏みながら首を振った。


すると視界に桜の花が入った。
真上ではなく、横方向の木々の間という間から桜の花が見えまくりではないですか!

なるほど、頭上の花が見えなければ、隣の山の花を見ればいいのです。
ここから先は、
「パステルグリーン」「奇岩」「ツツジ」「桜」
を順番に眺めながら登ることができた。

昨年、奥久慈男体山に対して「低山ナンバーワン宣言」を出した↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/4431

だが、あの山に桜はあまりなかった。
一方で明山は桜たっぷりで見所が多くて楽しい!
(総合評価は、まだ男体山の方が上だけど)

しかしながら、ここの登山道は微妙にアップダウンが多い。
曲者はニセピークの先。
せっかく登ってきたのに、一気に50mほど下がることになった。

やっと鞍部にたどり着いたとき、灯台下暗しに気づく。
周りの木がほとんどモミジではないか! 
これは秋には大変なことになる。
とはいえ、その多くは見下ろす谷の途中にあった。
囲まれ感は少ないかもしれない。


ラスト100mで直登コースと迂回コース(画像右側)の分岐点に出た。
直登コースなら50mで山頂に到着できる。
だが、どう見てもまともじゃない。
ロープにぶら下がって、よじ登る傾斜。
挑戦してもいいがロープを掴めない泰楽はどうする?

「私はこちらで行くから、どちらが先にゴールするか競争しようよ!」
冒険家の血が騒ぎだした嫁さんが目を輝かせる。
今のところ満足度は奥久慈男体山の方が上。
一発逆転の達成感を得るならここしかない。
ならばそれに賭けるか。
泰楽が無理だったら嫁さんだけ登るのもアリだ。
とりあえず家族全員で直登コースを選ぶことにした。


登り始めて口があんぐり。
本当に一直線の崖だ。
平均の傾斜は45度で50度超えの場所もある。
こりゃロープを掴めない泰楽は無理でしょ。
上から泰楽が落ちて来ることを覚悟してロープを握りしめる。

ところがどっこい。
アルプス山脈に生息するアイベックス(ヤギ属)のようにぴょんぴょんと登っていくではないか!

もちろん冒険家の嫁さんも猿のようにスイスイ登る。

つまりお荷物は高所恐怖症の私……。


そんな流れで登頂成功。
山頂ではツツジが咲き乱れ、それを目当てにしたミツバチのブ~ンという羽音がサラウンドで響き渡っていた。
ちなみにミツバチは攻撃しない限り刺すことはないそうです。


山頂は360度の展望。
奥久慈男体山の雄姿もはっきり確認できた。
なにより周りの山々の新緑、常緑樹、桜のパッチワークが水彩画のようで美しかった。

10分ほど休憩して下山開始。
さすがに下りは全員で迂回路を利用する。
ところが迂回路でもロープがほしいくらい急。
これで倍の距離なら登りは直登で正解だった。

そして2km・2時間5分でゴール。
ここで嫁さんが開口一番
「明山最高! 男体山より楽しかったよ。あの崖をもう一度登りたい!」

楽しんでくれて私もうれしい。
でも、自分は楽にツツジと山頂からの絶景を味わえる奥久慈男体山の方がいいかな。
妻と出会って30年。
今さら価値観の違いに気づくことになるんだと目をパチクリさせてしまった。


帰りに篭岩の展望台に寄る。


ここも水彩画風パッチワークが最高でした。

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