こんなに山桜を眺められる川は初めて!
2024年4月20日 宮平橋下流⇒平山橋 水位:舟生橋‐0.7m
4月下旬、わが家のカヌーシーズンが開幕する。
さて、どの川を下ろうか。
この時期は、まだ水が冷たいので絶対に沈したくない。
だから流れがゆっくりの川がいい。
そのうえで川面から新緑やツツジを眺められれば最高だ。
そこで茨城県の久慈川を下ることにした。
この周辺は、素晴らしい低山も多い。
昨年はダウンリバーの後に熊の山と奥久慈男体山に登り、どちらも大満足だった。
特に男体山のツツジと頂上からの景色が秀逸で、勝手に「低山ナンバーワン宣言」を出してしまった。
その様子はこちら↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/4431
今回もゆっくり川を下り、その後に登山とキャンプを楽しむ予定だ。
なので昨年よりもさらに短い宮平橋下流から平山橋コース(約6km)を選択した。
7時53分、ゴール地点の平山橋に到着。
この橋は茨城県ではめずらしい沈下橋。
鮮やかな新緑に向かって欄干のない姿が一直線に伸びていて爽やか。
橋の上から水位を確かめようとしてびっくり。
水がキレイ!
久慈川の水質のイメージは「ぎりぎりセーフ」。
喜んで飛び込むほとではないが、臭うほどでもない。
間違って落ちても「まぁいいか!」という感じ。
具体的には透明度1mから2mで渡良瀬川以上、多摩川以下、那珂川と同等。
それが水深1mの川底の石までくっきり見えた。
おそらく透明度は余裕で2mを超えている。
しかも無数の小魚が水面を覆い、その下を70cmくらいの丸々と太った鯉が泳いでいるではないか!
まさに生命があふれる正しい日本の川。
これは期待できる。
橋脚に大量の竹が張り付いていたので、どの位置を通過するのかと上陸地点を確認。
そしてクルマ回収用のチャリを置き、スタート地点の宮平橋へ向かった。
宮平橋の周辺は工事中だったが、河原までクルマで行くことができた。
そこで満開の菜の花がお出迎え。
これまたうれしい。
大至急着替えて9時30分にスタート。
嫁さんはこの日、誕生日プレゼントのウェットスーツのデビュー戦。
フルオーダー品。着心地はいかがでしょう?
気温18℃、追い風3~4m。
しょっぱなから0.5級の瀬が50mほど続いて、いきなりぐんぐんスピードに乗る。
川沿いの道路からこちらに向かって手を振る男性が。
「どこまで行くのー?」
「平山橋までですー!」
「気をつけてねー!」
地元に受け入れられたようでなんだかうれしい。
彼の後ろには平屋があり、屋根から薪ストーブの煙突がにょきっと生えていた。
その後は、期待どおりずっとのんびりモード。
追い風によって勝手に時速4㎞程度で進む。
左右が森になると「ホーホケキョ!」というウグイスのさえずりと「フィフィフィフィフィー」というカジカガエルの声に包まれる。
もうなにもしたくない。
ただ浮いていたい。
だからビールを飲むことにした。
この先に瀬がないはずなので船長席(後ろの席)を嫁さんに交代してもらう。
泰楽も私の足の間でまったりモードに突入。
ぐびぐびしつつぷかぷかしていると、あることに気づく。
我々を取り囲む鮮やかな新緑のなかに淡いピンクも混ざっているではないか。
山桜だ。
これは想定外。
以前この時期は、同じようにのんびりしている那珂川を下っていた。
あそこの新緑も見事。
しかもここよりスケールがデカい。
でも山桜はほとんどなかった。
それが久慈川では、視界のなかに常にある。
なんてラッキー。
なお、ツツジはまだ早かったようで、ほとんどが開花直前の蕾だった。
その後も漕ぎたい人が漕ぎたいときに漕いで、泰楽は先頭で目をしょぼしょぼさせていた。
すると段々と「しゃわしゃわしゃわ」という音が近づいてきた。
高さ10mほどの滝だ。
この向こう側に民家はないはず。もしかして天然もの?
ゴツゴツとした岩肌から落下してくる姿が清々しい!
「ほぉ~、これはこれは」と見上げては離れ、離れては近づくを繰り返す。
ちょうどその辺りが淵になっていた。
いつもは濃いグリーンなのに、この日は透きとおったエメラルドグリーン。
試しに230cmのパドルを押し込んでみる。
ぜんぜん川底につかない。おそらく水深3m前後。
それでもぎりぎりブレードが見えた。
つまり透明度は3mだ。
久慈川としては最高クラスだろう。
うれしいー!
だがその分、水温は冷たかった。
10秒以上手を入れていると痛いくらい。
真冬の九十九里浜レベル。
たぶん12℃くらいだろう。
久慈川の水源である八溝山に雪は積もっていないはずのになぜこんなに冷たい?
途中で2回ほど無人の河原に上陸して休憩した。
泰楽は「待っていました!」とばかりに木の棒を拾ってきて、「投げて!」「引っ張って!」とアピール。
ハイハイ、遊びましょうね~!
挙句に3kgぐらいありそうな大木を咥えて来て投げろという。
無理です。
ここの対岸の新緑と桜が格別だった。
新緑といっても色々ある。私の好みは、やや白みがかったパステルグリーン。
4月の中旬から5月上旬までの限定カラーだ。
これを川面から味わえるだけでも満足。
それなのにここでは、桜の淡いピンクも加わっていた。
もうくらくらするほどの感激だ。
ちなみに淡いグリーンのなかには、モミジもかなり多くあった。
これは秋も期待できるかもしれない。
この辺りの川沿いにはJR水郡線が走っている。
所どころに鉄橋が出現するのだが、その橋脚がレンガ製で大正ロマンのような味がある。
ゴール手前400mで水深20cmに。
20mだけ歩く。
沈下橋を潜ってゴール!
河原でキジがお出迎えしてくれた。
ところどころ漕がずにのんびり下って2時間29分、6.3㎞の川旅でした。
ダウンリバー中にこんなに山桜を見たのはじめてだ。
昨年は同じ時期に下って藤の花を楽しめた。
今年はもう少し先の模様。
とにかく春の久慈川を選んで正解だった。
平山橋でゆっくり昼食をとる。
沈下橋と単線電車の組み合わせがいい。
14時14分、沈下橋を渡った先にある盛金富士を目指して登山スタート。
目標は大好物のパステルグリーンの樹種をつきとめることと満開のツツジのトンネルをくぐること。
途中で2回ほどダンプカーに追い抜かれる。
さらに歩を進めると「ガシャーン! ガシャーン!」と大きな音が近づいてきた。
この先に採石場があったのだ。
結局、この音は山頂近くまで響き渡っていた。
肝心の登山道は、結構急。
しかもパステルグリーンはなく、ずっと濃い緑の常緑樹林。
そんな感じで45分、1.5㎞で山頂に到着。
東側だけぐわっと開けていい眺めだった。
西側は咲き始めたツツジの森だった。
下山は反対側へ進む周回コース。
ここで雰囲気が急変。
明るいのだ。
理由はお待ちかねのパステルグリーンの森だから。
樹種は色々だが、メインはコナラだった。
下山中に薪拾い開始。
キャンプ予定地の平山橋の河原には、流木があまり落ちていなかったからだ。
人間のノルマは背丈クラス4本。
泰楽は直径5cm以上を1本以上。
3.3km・1時間39分でゴール。
去年の熊の山が80点ならここは60点かな。
千葉にもありそうな普通の山でした。
そのまま平山橋でキャンプする計画だったが、周囲が開けすぎていてあまりにも目立つので下小川橋へ移動する。
下小川橋は鉄橋のすぐ近くで結構うるさい。
でも大正ロマンな橋脚との組み合わせがいいので、むしろ楽しみ。
電車の始発を調べると5時20分頃に通過する模様。
ちょうど起きる時間なので、目覚まし代わりになってもらうことにした。
チーズとサラダチキンのスモークをつくっている間、嫁さんは読書、私はワイルドターキーを舐めつつ薪を切る、泰楽はお気に入りのコットで用心棒のつもり
明るい時間に飲み始めるのは、それだけで楽しい!
暗くなったらブリカマの塩焼きと牛モツ鍋で宴会開始。
酒は香り豊かな純米大吟醸。
最近嫁さんは結構イケる口になってきた
後半は熱燗にして焚き火大会。
嫁さんに薪の管理権を移譲したら、いきなり火柱が3倍になった。
相変わらず豪快。
テーブルが燃えないか心配。
気温12℃。
締めはお汁粉。
21時30分、就寝。
翌朝は、ちょっと移動してサクっと明山(みょうやま)に登る予定です。
つづく
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