考えられる大変な理由は「しつけ」「やんちゃ」「毛の手入れ」
「ゴールデンドゥードル 大変」と検索して下記の記事にたどり着く人が多いようだ。
「ゴールデンドゥードルの飼いやすさを生後2歳9カ月時点で考える」
ゴールデンドュードルは飼いやすい!
ゴールデンドゥードル最高!
と声を大にしている記事なのになぜ?
飼い主として「ゴールデンドゥードル 大変」と検索する理由を想像してみた。
それが次の3つ。
1.「これからゴールデンドゥードルを飼いたいけどきちんとしつけられるか不安」
2.「ゴールデンドゥードルを飼っているけど言うことを聞いてくれなくて大変」
3.「もふもふで毛の手入れが大変そう」
そこで実際に飼ってみて、この3つがどうだったのかを書きたいと思う。
1.「これからゴールデンドゥードルを飼いたいけどきちんとしつけられるか不安」
ゴールデンドゥードルに限らず、どんな犬でも最初の3年はしつけが大変だ。
・「遊んで」「さびしい」「食べ物がほしい」と長時間吠える
・留守番中に家の中のモノを壊す
・拾い食いする
・狂ったようにリードを引っ張る
・トイレを覚えない
・甘噛みしまくる
これはどんな犬種でも当たり前のようにやる。
そのことを知らない、または対処する覚悟がないから不安になるのではないだろうか。
どんなに頭のいい人間でも勉強しなければ東大には合格できない。
同じように、どんなに賢いといわれる犬種でもきちんとしつけをしなければ自由奔放に育つ。
だからゴールデンドゥードルに限らず、しつける覚悟がなければ失敗する。
失敗とは老犬になって体力が衰えるまで上記問題行動を続けるいうことだ。
今まで80種類くらいの犬を見てきたが、どの犬種も飼い主に根性さえあれば上記の問題行動はなくせる気がする。
ただし、家庭犬には大きく分けて2種類あると思う。
一つは飼い主の言うことを理解し、飼い主に尽くしてパートナーとなる犬種。
もう一つは存在自体がかわいくて、最低限のことしか覚えてくれないが一緒にいるだけで飼い主を癒してくれる犬種。
同じ犬でも性質はまったく違う。
だが、どちらも飼い主にとって、かけがえのない存在になってくれるのは間違いない。
ゴールデンドゥードルは、「飼い主の言うことを理解し、飼い主に尽くしてパートナーとなる犬種」の代表選手だ。
泰楽は狭い階段の途中でも「待ってて」とお願いすればおすわりしたまま1時間でも動かない。
お願いしないけど。
ゴールデンドゥードルは、マニュアルどおりにしつければ比較的短期間に上記問題行動のすべてを解決することができる犬種だ。
泰楽の場合は特におとなしい性格なので、3年どころか生後半年くらいで全部クリアしたはず。
マニュアルどおりにしつけた体験談↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/4020
ただし、ゴールデンドゥードル(スタンダードサイズ)ならではの懸念点が2つある。
1.パワーがある
オスの場合は体重30kg前後。
思い切り引っ張られれば体重50kg以下の人なら簡単に転ぶ。
なので落ち着くまで子どもには散歩させない方がいい。
できるだけ早く落ち着かせたいなら女の子(メス)を選ぶことをおすすめする。
2.飼い主への忠誠心が高い
ゴールデンドゥードルは飼い主を信じ切る犬種だと思う。
そのことに気づかされた事例が2つある。
泰楽は飼い主以外にリードを持たせない。
他人がリードを持つと小さな子どもでも容赦なく「返してくださいよ!」と飛びかかる。
そのときの様子↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/4373
それは犬に対しても同じ。
泰楽は犬見知りなので基本的にほかの犬は無視する。
だが、ほかの犬が自分のリードを甘噛みしようとすると、いきなり「う~っ」と牙を剥く。
(噛んだことはありません)
また、泰楽はボール遊びが大好きだが、飼い主が投げたボール以外は取りに行かない。
これはほかのゴールデンドゥードルも同じだった。
私が「○○ちゃーん! いくよ~」とボールを投げたら無視をされた。
飼い主が投げたら光の速さで取りに行くのに。
この2つを理解しないで、他人の子どもに近づけたら事故になることもあり得ると思う。
2.「ゴールデンドゥードルを飼っているけど言うことを聞いてくれなくて大変」
どんな犬種でも3歳まではやんちゃで当たり前だ。
ただし、3年でおとなしくなるかどうかは飼い主次第だと思う。
先日、そのことを裏付ける話を噛む犬を専門とするドッグトレーナーから聞いた。
「3歳になるとその子本来の性格が出ます。
丸くなるという人もいますが、そうとは限りません。
攻撃的な子は、より攻撃的になります。
だから3歳までにしつけをしっかり行うことが重要です。
それまでの積み重ねが実るのが3歳です。
でも、いくつになってもしつけはできますけどね」
普通のゴールデンドゥードルが3歳を過ぎても言うことを聞かないのは、飼い主が気合を入れてしつけていないケースが多いと思う。
種類を問わず犬を飼うなら「しつけのためなら2~3回本気で噛まれても平気!」という気合が必要だ。
(どこまで求めるかは犬種による。「わが道を行く」系の犬種に「1時間待ってろ」としつけるの無理)
「気合」についてはこちらでくわしく説明しています↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/4242
とはいえ、気合が必要なのは長くても3歳まで。
しっかりしつけをすればその後はパラダイスが待っている。
泰楽はいつでもどこでも「お手伝いしましょうか?」と鼻先で太ももをつんつんしてくる。
「頼むことはないよ」と言うと、頼むことが出てくるまで待っている。
新聞が床に落ちるとすぐにくわえて「どうじょ!」持ってくる。
ヨダレだらけになるので本当は嫌だが、一応「ありがとう」と受け取る。
逆に気合が入っていないと一生だらだらと大変だ。
例えばゴールデンドゥードルではないが大型犬で以下のような事例を見たことがある。
「10歳を過ぎても散歩時にリードを引っ張りまくって、飼い主は毎日糸の切れた凧を追いかけるように走っている」
「ほかの犬を見ると吠え続けるので夜23時から早朝5時までしか散歩できない」
せっかく賢いゴールデンドゥードルを飼うのにこんな関係になったらもったいない。
3年間の大変さは必ず通る道。
最初から分かっていれば苦にならないはずだ。
3歳を過ぎてもやんちゃなら、飼い主は気合を入れ直す必要があると思う。
3.「もふもふで毛の手入れが大変そう」
個体差が大きいようだが泰楽は、ほとんど抜け毛がない。
先代犬のバーニーズマウンテンドッグのときは、一年中抜け毛があった。
だから家中いくら掃除をしても西部劇の枯草のように丸い毛の塊が転がっていた。
知り合いのラブラドールレトリバーの場合は、短い抜け毛が家中のカーテンなどの布に刺さって全部に抜くのは不可能だそうだ。
なのでゴールデンドゥードルの毛の手入れは、掃除に苦労することと比べれば全然大変ではない。
とはいえ、トリミング代を気にする人も多いだろう。
ゴールデンドゥードルのトリミング代は、スタンダードプードルとほぼ同額なので2万円強。
2ヶ月に1回は刈らないと、身体全体がもふもふの塊になってしまうので月当たり1万円の出費となる。
確かにこれはイタい。
だが同じ2万円強で業務用のバリカンを入手することも可能だ。
わが家はこれで出費を抑えている。
バリカンについてくわしくはこちら↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/19
以上のように「ゴールデンドゥードルだから大変」ということは一つもない。
それどころかゴールデンドゥードル飼いやすさはトップクラスだ。
犬種ごとの服従・作業知能をランク付けした本、『デキのいい犬、わるい犬』↓によると、プードルは2位、ゴールデンレトリバーは4位。
そのミックス犬のデキがわるいはずがない。
しかも他の上位犬のように、気難しいところはなくおおらかだ。
この犬種で大変過ぎると感じるなら、ほかの大型犬の選択肢はもう無いかもしれない。
犬はぬいぐるみじゃない。
チワワからグレートデンまで、どんな犬でも飼うのは大変。
そのことをしっかり理解してゴールデンドゥードルを家族に迎えれば、
「うちの子はなんて賢いの!」
「ゴールデンドゥードル最高!」
という毎日も遠くないはずだ。
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