根子岳には欠点が一つもない!
2025年3月22日
前日Windy:晴れ10℃・風速11m てんくら:C 快晴3℃・風速10m・見晴らし◎
実際:快晴2℃・風速8m・見晴らし○
今まで関東周辺を中心に50座近い雪山に登ってきた。
その中で根子岳は、もっとも気に入っている山の一つだ。
スタート直後から北アルプスのデッカい山々が、ずらっと並ぶ。
白樺の霧氷↑が、まるで白い貴婦人のように美しい。
なので毎年欠かさず行くようにしている。
どれだけ美しいかはこちら↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/3825
ところが今シーズンは土曜日の天候がイマイチで、いつの間にか3月後半になってしまった。
天気予報は快晴。
でも風速10m以上の強風。
今回を逃したら、もう雪はないかも。
風速20m以下ならGOでしょ。
今シーズン最後の雪山として、根子岳に行ってきます!
7時20分、駐車スペース着。
キャパ15台中11番目。
雪が融けると泥だらけになるので、停める位置を吟味する。
7時44分、登山開始。
気温-3℃、快晴、風速0~2m。
乾いた道路を牧場方面に進む。
1.1km・20分で登山口に到着。
振り返ると北アルプスが薄っすら。
戸隠連峰は、ぎりぎりそれぞれのシルエットが分かる。
相変わらず高妻山のすくっとしたとんがり具合が目立つ。
積雪1m。
牧場の脇を通って登る。
雪面が硬い!
一歩ごとに5cmくらい沈んでパリっと音がする。
50m進んでアイゼンを装着。
登れば登るほど北風が強くなる。
風速0mと3mの繰り返し。
とはいえ、気温が低くないので薄手のフードを被ればちょうどいい。
一直線に引かれた白いトレースに従い、頭を空っぽにして進む。
1.8km・1時間で東屋に到着。
ここは北アルプスの展望台。
でも見えないからさっさとスルー。
東屋の先から樹林帯に入る。
真っ白な白樺の森なので清々しい。
すべて落葉しており、見上げると網目のように交差する白い枝の向こうに紺碧の空が。
雲一つない、一発でさっと塗ったような鮮やかな碧だ。
青空、白い樹木、白い雪面。
2色だけの世界に浸る。
2.5km進んだ地点には、「根子岳まで800m」と書かれた道標がある。
毎回、「あとそれだけ!? うれしい!」と気持ちが上がる。
ところがどっこい、これは嘘800mの模様。
実際は1.2kmある。
森はいつの間にか白樺からダケカンバに。
どちらにしても美しい白系の樹皮なのでウェルカム。
途中でおやつタイムとする。
今シーズン最後のおやつは、大好物のようかん。
こいつとバージンスノーのコラボは、口に入れた瞬間にふわっと気が遠くなる超希少体験だ。
雪が軽すぎて、抵抗感ゼロ。
-10℃の冷気としか思えない。
ところが、今回は雪面がカッチカチ。
そこで1cm掘ると、ふわふわスノーが登場した。
口に含むと、冷気の中にマイクロ氷粒が混じる新感覚。
ようかんの濃厚な甘さを上手に包んでくれた。
進めば進むほど、周囲のダケカンバが、だんだんと低くなっていく。
森林限界が見えてくるころには、高くても1.8mくらいに。
積雪はたぶん1.5mを超えているだろう。
根子岳としては、かなり多い。
スタートして3.2kmで森林限界を抜ける。
つまり、白樺エリアが1.4km続いたことになる。
雪山で樹林帯といえば、暗い杉林ばかりで好きではない。
だが、ここは明るい雰囲気でむしろ気分が上がる。
さらに運が良ければ、その間ずっと白珊瑚のような霧氷天国になるのだからタマラナイ。
木々が無くなった雪面には、彫の深いシュカブラ(風紋)が描かれていた。
こんなに陰影がはっきりした風紋は初めて見た。
たしか前日の風速は22mだった――。
美しい曲線に目が離せなくなって先に進めない。
それでも無事に根子岳の頂に到着。
スタートから3.7km・3時間7分。
推定8mの強風がずっと吹き続けていた。
お隣の四阿山とその後ろの浅間山、それと草津方面の横手山↑などは、はっきり見える。
だが、肝心の北アルプスは、やはりガスの中――。
大至急、シラビソの森が風よけとなる小根子岳方面へ行こうと思っていたが、なんと山頂には大きなクロラブくんがいた。
ブーツ、ウェア、リュック、全部同じメーカーで同じ色。
こんなことってある!?
飼い主さんと30分も話してしまった。
大雪が降った翌日は、シラビソの森がスノーモンスターの街と化す。
この日のモンスターは、予想通り消えていた――。
それでも風除けとなって昼食の場を提供してくれた。
気温ぽかぽかの2℃。
ぎりぎりシルエットが分かる高妻山を眺めながらカップラーメン。
手前の小ピークが小根子岳。
こちらの方が見晴らしがいいのに、なぜあちらの方が知られているのだろう?
ちなみに根子岳の山頂から戸隠連峰は、シラビソの森があってよく見えない。
なので戸隠連峰を眺めるならここからがベストだと思う。
帰りはスノーシューを装着。
あえて誰もいない雪原に踏み入れる。
気温が上がって雪面がモフモフに。
スノーシューでガシガシ風を切って下る。
正面には八ヶ岳どーん!だったはず。
でも一切見えず。
楽しみにしていたヒップソリも、全体を通して緩斜面な上に雪面が柔らかすぎて無理。
なので、ずっと泰楽と遊びながら下る。
愛犬と同じくらい体力を使って遊ぶのは、絆が深まるようでほっこりする。
7時間38分・8.2kmでゴール。
ほとんどの雪山は、嫌なところが1つ以上あるものだ。
多くは急登、または退屈な樹林帯。
だが、根子岳には欠点が一つもない。
急登無し。
杉林無し。
全体的に明るい雰囲気でタイミングがあえば霧氷とスノーモンスターも出現。
最初から最後まで楽しいだけ。
個人的には一等賞の山だ。
泰楽の登山ウェア(体重31kgのゴールデンドゥードル)
泰楽の雪山用ブーツ
泰楽の雪山用ゴーグル
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