スノーモンスターの村は存在したのか!?
2月4日:天気予報
やまてん(那須岳):晴れー4℃風速8m てんくら:A晴れー5℃風速7m 実際:晴れー2℃風速1m
冬は大嫌いだ。
なぜなら寒いから。
30歳を超えたあたりから年々寒がりになり、今では10月下旬から家(千葉県)の中でダウンジャケットを着ている。
にもかかわらず雪山は大好きだ。
その理由ランキング↓
1位:真っ白&広大な稜線(例:大力山↓)
https://large-dog.iehikaku.com/archives/3770
2位:雪によって陰影がはっきりする大迫力の山容(例:黒斑山から見る浅間山↓)
https://large-dog.iehikaku.com/archives/69
3位:今にも襲われそうな巨大なスノーモンスター(例:西吾妻山↓)
https://large-dog.iehikaku.com/archives/72
今シーズンは大力山で1位と2位を満喫できた。
残るスノーモンスターは、なかなか難しい。
わが家がある千葉県から日帰りで行ける山で、コイツが出現するところは、ほとんどない。
その少ない選択肢である根子岳↓に前回行ったが、残念ながら、まだまだひよっこだった。
https://large-dog.iehikaku.com/archives/3825
まぁ、その代わりに嫁さんから
「雪山が好きな理由ナンバーワンは霧氷でした!」
という気づき宣言が出たんだけど。
とにかくスノーモンスターに会いたい。
どうしても会いたい。
そんな気持ちでヤマレコを熟読していたら見つけました。
数年前から注目していた裏那須(ぎりぎり日帰りエリア)に、観音山というところがあり、そこでは毎年2月から3月にかけてヤツが出るらしいのです。
それも一匹や二匹ではなく、もうそれは村・ビレッジというくらいわんさかと。
それが事実ならば、以前、腰を抜かして狂喜乱舞した西吾妻山↓と同等クラス。
しかも、急登はあるものの1ヶ所のみで、山頂まで2時間半と比較的お手軽コース。
肝心のモンスター村は山頂の先にあるらしいが、そこまで行っても往復6時間で帰って来れるはず。
穴場発見!
2022年2月4日早朝、現地へ向かった。
午前8時、登山口へつながる林道の入口に到着。
そこで驚愕に事実が!
まさかの通行止め。
大至急、手前の「道の駅しもごう」に駆け込むが、当然ながら早すぎて誰もいない。
8時20分、ダメ元で下郷町観光協会へ電話をかける。
鳴らすこと3コール。
「はい、下郷町観光協会でございます」
下郷町バンザイ!
登山口へ行く道を聞くと、林道の入口を通過して2~3㎞行けば、左手に集落につながる道路があるので、そこから林道に入れるとのこと。
大至急、アクセルをベタ踏みする。
おかげさまで8時40分に登山口着。
登山口の駐車スペースは2台分だけで、すでに満車。
手前100mに停める。
9時スタート。
今回は泰楽(ゴールデンドゥードル)に付く雪玉防止のオーダーソックスを新調。
効果はいかに。
登山口はいきなり2mの雪の壁。
↑ゴール後に撮ったので壁が崩れている
早速スノーシューを履いてよじ登る。
でも、そこから先は軽い傾斜の登山道。
ミズナラ、ブナ、ダケカンバなどが混ざる広葉樹林。
積雪1m。
嫁さん期待の霧氷はなかったが、陽の光が差し込んで明るい雰囲気。
20分で急登が登場。
これはヤマレコ情報で想定内。
ここを我慢すれば比較的平坦な稜線に出て、あとは風景を楽しみながら登頂できるはず。
めったに出さないトレッキングポールを使って、えっちらおっちら登る。
でも、雪がモフモフ過ぎて、頻繁にマイケルジャクソン(ムーンウォーク)をしてしまう。
体力大幅ロス。
まして泰楽はスノーシューを履けないので、踏み抜きまくり(スタッドレスタイヤと同性能のビブラムソールだけど)。
テンションを大幅にロスしていた。
そこを我慢すること30分で稜線に到着。
傾斜が緩くなっただけでなく、樹木も低くなったのでより明るい雰囲気になった。
しかも振り向くと、ゴッツくて真っ白な山容が。
三倉山、大倉山、流石山の裏那須オールスターズだ。
幅広く連なるその姿は、
「調子はどぉ~~~だい?」
と重低音で迫ってくるようでかっちょいい。
この景色をたった1時間で味わえるなんてお買い得!
全員ご機嫌になって歩を進めた。
特に霧氷を見たい嫁さんは
「早く行かないと溶けちゃう」
とダッシュ。
私が遅れて10mくらい離れると、嫁にぴったり付いていた泰楽が
「父しゃんどうしたの?」
と様子を見に来てくれる。
それは嫁さんが遅れたときも同じ。
しかも彼女のことは「守るべき存在」と認識しているようだ。
嫁さんが先頭のときは前をぴたっと歩く(今回はめずらしく終始後ろ)。
一方で私が先頭のときは前を歩くと叱られるので、後ろにぴったり付きつつ、頻繁に嫁の様子を確認するために振りむく。
そして、10m以上離れると走って迎えに来る
そのとき以外に飼い主から1m以上離れることはない。
(他人に近づくときは背中に付けたリードをつかんでいます)
このゴールデンの性格の良さと仲間意識の高さを知ってしまったら、もう離れられない
さて、「あとは楽ちん」と気を緩めていたのもつかの間。
すぐに急登が再登場。
それも、さっきよりもキツい箇所多数。
何度も四つん這いになった。
全員で「聞いてないよぉ~~~!」を連発。
とはいえ、三ツ頭(八ヶ岳)や白毛門(谷川連峰)のように「こんなの登山道じゃねぇ~!」と登っていて腹が立つほどの傾斜やアイスバーンではない。
それに陽光が指し込んで、視界が360度開けているので気分がいい。
「キツい!」
「でもいいか」
を頭の中で永遠に繰り返しつつ前進する。
2時間経過。
そろそろゴール間近か?と思っていたころに、お待ちかねのキャラが登場。
霧氷だ。
前回の根子岳の硬質な「白いサンゴ礁」と違って、こちらはふわふわの「雪の花」といった印象。
個人的には前者の方が美しく感じるが、これはこれで見ごたえがある。
再度テンションが上がる。
そうこうしているうちに霧氷がモンスターチックに変貌していった。
木々に積もる丸みを帯びた雪が、北八ヶ岳や黒斑山のようなメルヘンな雰囲気を醸し出す。
やがて樹木の高さが低くなっていき、雪化粧した日本庭園のような空間に移っていった。
「このスケールの庭園は、なかなかないねぇ」と全員ご満悦。
そして視線の先に、とんでもないキャラが登場した。
白い! 周りのどの山よりも真っ白。
オマケにゴリゴリにゴツい!
旭岳だ。
その迫力は、裏那須オールスターでも敵わない。
まさに大御所の風格だ。
でも、そろそろ疲れた。
山頂はまだか?
スマホを確認する3時間が経過!
あれれっ!?
そこそこ楽しかったので時間の感覚がズレていた。
ちょうどそのとき、地元の登山者に追い抜かれた。
「山頂まではあと20分だね。モンスター? 今シーズンは積雪が例年より1m少ないんだよ(この地点で1.5m)。だからモンスターも小さいよ。それでも山頂の手前にいるよ」
ほどなくして本当に首長竜のモンスターが登場。
全長7~8mの巨体。
近づくと、いきなり喰いつかれそうで、後ずさりしてしまう。
でも、村とは程遠く2匹くらい。
もの足りない。
そしてやっとこさ登頂に成功。
3時間40分、2.6㎞の道のりだった。
時刻は12時40分。
快晴・ほぼ無風。
目の前に旭岳がドンっ!
山頂には他の登山者が7~8人いてワイワイとランチ中。
気分最高のレストランだ。
でも村が見たい。
ランチ抜きでも見たい。
後ろ髪をひかれながら先に進んだ。
そこは、登頂前を上回る半端ない傾斜。
崖のような場所を下りて行く。
「帰りはどうしよう……」
不安全開だったが、トレースがたくさんあったので、なんとかなるだろうと進む。
山頂から前進すること400m。
いったん下りて登り返した地点でモンスターが再登場。
エビの尻尾を積み重ねたような陰影が、「毎日、毎日極寒&暴風に耐えています!」と伝えてきてイケてる。
でも、また2匹。
先に目を凝らしても小物ばかり……。
ここを今回のゴール地点とする。
大至急Uターン。
若干の粉雪。
さっきの崖は意外に問題なし。
急斜面は、登りより下りの方が恐怖を感じるものだ。
再登頂すると晴れ間が。
無風、無人。
気温推定―2℃。
理想的。
カップラーメンのランチ。
サーモスの魔法瓶&保温ポーチに入れたお湯の温度は約70度。
ぎりぎりセーフの温かさ。
泰楽はサツマイモをむさぼる。
スマホの残充電を確認すると22%。
行程は、まだ半分。
やばい。
そんなときのためにワイヤレスモバイルバッテリーを調達しておいた。
今回がデビュー戦。
ランチ中に充電する。
この極寒コンディションで役に立つのか!?
結果は、
27分で48%(+26%)に。
1分で1%増。
上出来!
14時23分に下山開始。
毎回楽しみにしているヒップソリだが、2週間前(根子岳)で岩に激突したお尻がまだ痛いので、
嫁さんだけスタート。
でも、直線が少なかったり、雪もフワフワだったりでやりにくい。
そもそも傾斜がキツ過ぎで不向き。
下山はその傾斜がネックに。
スノーシューを履いたままだと、足首をひねりそうで常に腰が引けてしまう。
それでもつぼ足だと踏み抜きまくるので、そのままで行く。
往復7時間、6㎞でゴール。
泰楽は最後まで雪玉とは無縁だった。
いい買い物でした。
冬季の観音山は、北八ヶ岳の爽快さ、黒斑山のメルヘン、黒斑山の大迫力、そして根子岳のスノーモンスターを併せ持っている。
バランスのいい雪山だ。
でも、全部が1番ではない。
つまり、もっといいとこあるよ、という感じ。
絶対にモンスターがいると分かっていたらリピートするかな。
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