まさかの無風ホワイトアウト!
前日の天気予報
やまてん(鉢伏山):晴れー1℃風速6m てんくら:A晴れー3℃風速3m
実際:曇りー2℃風速1m
「いい山=山容が美しい山」
要するに登る山ではないと思っている。
代表例が富士山だ。
だが、個人的ナンバーワンは、雪化粧した北アルプスだ。
初めてその全容を目の当たりにしたのは2年前の四阿山。
南北105㎞にも及ぶ連なりのスケール感に、
「ズッキューンっ!」
と胸を撃ち抜かれてしまった。
ちなみに富士山の裾野の長さは約40㎞。
単独でそのサイズは断トツ1位だが、
北アルプスはチーム戦で勝利したというわけだ。
なので今年は四阿山の隣の根子岳↓から鑑賞しようと企てた。
https://large-dog.iehikaku.com/archives/3825
ところが見事に失敗。
大部分が雲の中で頭をちょっぴりしか出してくれなかかった。
しかも、そのときのヒップソリで尾てい骨を強打し、
3週間経った今も痛い。
ネットで調べたら2週間以上痛みが引かない場合は、
骨折の可能性大……
(あばら骨折と同じで日常生活は、なんとか可能)
だから比較的やさしく登れる山から北アルプスを眺めたい。
そこでチョイスしたのが長野県の
高ボッチ山
だ。
ここは漫画「ゆるキャン△」で紹介されたほどの絶景スポット。
冬以外はクルマで山頂近くまで行けて、
冬でも4~5時間あれば登頂できるらしい。
それも急登なし
すり減った身体には、おあつらえ向きのターゲットだ。
ところがどっこい。
前日は全国的な大雪。
翌日の天気予報も新潟方面は吹雪、那須方面は暴風。
だが、西に向かうほど晴れて風も弱まる。
高ボッチ山の天気予報は晴れ。
しかも気温ー3℃風速3m。
完全無欠の理想天候だ。
一点気になるのは、前日の時点で高速道路のそこかしこで通行止めになっていたこと。
だが、国の大動脈である高速道路が二日連チャンで止まることはないと気にしないことにした。
4時45分に家を出る。
8時過ぎに到着予定。
しかし……。
中央自動車道に入ると
「甲府昭和インターから安曇野インターまで通行止め」
の文字が。
「いやいや、大動脈なんだから走っているうちに開通するはず!」
自分に言い聞かせながら走ること1時間。
休憩場所の談合坂パーキングに入っても通行止め継続中……。
「河口湖周辺の山を登るか?」
「甲府から茅ケ岳や夜叉神峠にするか?」
「いやいやそっち方面は暴風地帯でしょ」
これを頭の中で300回繰り返していたら甲府昭和インターに無事到着。
とにかく高ボッチ山方面に向かって時間的に無理そうなら、
行き先を2時間程度で登れる鷲ヶ峰に変更することに決めた。
甲府昭和から高ボッチ山まで120㎞。
高速道路なら1時間強。
だが下道なら?
ナビで確認。
なんと4時間(時速30㎞)!
その時点で7時近く。
なので到着は11時になってしまう。
焦る。
大いに焦る。
「八ヶ岳にするか?」
「でも強風だよな」
無限ループ開始。
だから車中は長時間無言。
悪い空気。
それでも時々快調に飛ばせる道もあったので、
とにかく高ボッチ山方面に向かう。
そんなこんなであと数キロというところまで来てしまう。
そして突然、とんでもないものが目に入ってきた。
巨大白銀屏風仕様の北アルプスの面々だ
四阿山では屏風の足元は見えなかった。
だがここでは、
松本市内からモリモリっとそそり立つ山々の根元
まで、どっかーんと見渡せる。
「道路からこんな絶景なら、山頂からはどうなっちゃうの!?」
想像しただけでクラクラ。
「いかん、いかん」とハンドルを握り直す。
結局10時30分到着。
トータル5時間45分も費やしてしまった。
すでにヘトヘトだが、
駐車場からも北アルプスが見渡せ癒してくれる。
半分くらい雲の中だが、午後から晴れる予報。
期待に胸はパンパン。
だが、ここでも衝撃の事実が発覚。
なんと駐車場に車ゼロ。
つまり、一番乗りだった。
今年は雪が少なかったようなので、地元の人が喜んで登りにきていると思っていたのに……。
とはいえ、登山口の積雪は意外にも20㎝程度。
これくらいならスノーシューを履けば辛くないはず。
そんなことを考えながら準備をしていたら、
地元の方が来て、さっさと先に登っていってしまった。
もしかしてラッキー??
10時50分スタート。
登山口は休業中のホテルの真横。
しばらく森の中だが、ヤマレコなどの記録を確認すると、1時間程度で大雪原に出て、そこからさらに1時間、トータル2時間で登頂できるらしい。
ランチを入れて往復5時間として16時着。
そこから温泉に入るとなると、
帰宅は21時くらいになってしまう。
ちょっとキツい。
北アルプスを味わって途中Uターンもありだな、と歩を進める。
すると想定外の展開が。
なんと上空を雲が覆い始めたのだ。
「山頂では晴れるはず。山頂では晴れるはず」
念仏のように繰り返す。
そんな中、嫁は上機嫌。
前日の降った雪が樹上にしっかり残っていたからだ。
彼女は眺望よりも霧氷の方が好き。
なので、これで今回の山行価値はすでに回収完了。
ニコニコで泰楽をおちょくりながら登っていた。
さて、私としては、スコーンっと突き抜ける眺望を楽しみたい。
樹林帯突破はまだか?
1㎞地点で車道を横切る。
そこからは、そこそこの傾斜。
1時間経っても傾斜。
そしてスタートして2時間後(2.5㎞)、やっと樹林帯を抜けた。
1時間ではなかったのか!?
ヤマレコの人たちは、みんなアスリートなのか?
若干イジケルが、楽しみにしていた「ようかん&新雪」で気分が一気に上々に。
フワフワの新雪と濃厚な甘さのようかんの組み合わせは、
一度知ったら病みつきになる。
有刺鉄線をくぐると、一気に視界がどっかーん!
広大な牧場地帯だ。
しかも見る見る雲が流れて青空も広がってきた。
ヤマレコによるとここで振り向けば北アルプスがどどどーんっのはず。
だがそちら方面は、未だ分厚い雲の中だった……。
それでも山頂方面は晴れてきているので、幸運を信じて登る。
所どころに霧氷があって、嫁はさらに上機嫌。
大雪原の、ど真ん中で時間を確認。
13時50分。
すでに3時間が経過。
それに北アルプス方面は一向に晴れる兆しなし。
ちょうど解放感バツグンの場所。
それに、ほぼ無風。
悪くないタイミング。
ここでランチをとってから下山することにした。
ランチはマルエツの手作りピザと目玉焼きハンバーガーのホットサンド。
だったが、時間の都合でそのまま食べることにした。
使い捨てカイロと一緒に保温バッグへ入れていたのでほぼ常温。
爽やかな風景&天候の中、気分上々でテーブルセッティング。
すると嫁が不意に叫んだ。
「真っ白になっちゃったよ!」
「はっ!? なにをおっしゃてるの?」
と頭を上げると、まさにそのとおり。
360度真っ白な世界に早変わりしていた
視界10m。
大雪原のど真ん中が、雲のど真ん中になってしまった。
がんばって山頂まで行ってても、がっくりの嵐だったはず。
ほっとしたと同時に
「天気予報は晴れだったよね」
とスマホで、てんくらを確認した。
「14時:晴れ、-2℃、風速1m」
気温と風速は体感どおりだが、天気だけ思いっきり違う。
つくづく天気予報は絶対ではないことを痛感。
下山しながら泰楽とボールやヒップソリを投げて遊ぶ。
大力山のときは、フットワークがかなり重かったが、今回は小鹿のように軽やか。
たぶん足に雪玉が付いていないから。
犬用ソックス万歳。
樹林帯に戻るとそこそこ傾斜があるのでヒップソリOKと期待したが、
雪がフワフワ過ぎてほとんど不可。
(お尻骨折中のため嫁がテスト)
4時間42分、5.8㎞でゴール。
駐車場からは北アルプスがしっかり拝めた。
登山あるある。
とにかく北アルプスの眺めが最高クラスということが分かったのでリピート確定。
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