「首都圏から日帰りOK 犬連れ初心者向け雪山登山コースランキング!」

意外に差がつくのはコース途中の楽しさ
あと10日ほどで2021年も終了。
年末が近づいてくると気になるのが雪山だ。
雪山は、とにかく犬(バーニーズマウンテンドッグ・ゴールデンドゥードル)が喜ぶ。
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腹が減っていようが、

クルマ酔いをしてようが、
白銀を目の前に首輪を外すと、
脱兎の如く駆け回る。

飼い主としては一度そんな有頂天状態を目にしてしまうと、
毎年雪がある場所へ連れて行かない訳には行かない。

人間としては、どうせ雪がある場所へ行くなら、
景色を楽しめる場所がいい。
ならば雪山だ。

山頂から見渡す純白と紺碧のコントラストは、
空気が研ぎ澄まされた真冬でしか味わえない。

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この醍醐味は、かなり奥が深い。
入笠山(長野県)のようにゴンドラに登って簡単に味わうこともできるが、
日本にはわんこと登れる雪山が無数にあり、
その一つひとつに独特の味がある。

だが人生は意外に短い。

そしてわんこの命はさらに短い。
気になる雪山のすべてを登ることは、
プロアドベンチャーレーサー以外はできないはずだ。

そこで

「首都圏から日帰りで行ける犬連れ初心者向け雪山登山コースランキング」

を紹介したいと思う。
2014年2月から犬連れ雪山登山をはじめ、
今まで31の頂を踏んできた。
その中で特に初心者へお勧めできるベスト5を選んだ。

前提となる雪山の基準は以下。

●千葉県北西部からクルマで3時間以内

●基本的に往復10㎞・6時間以内コース
●スノーシューとトレッキングポールがあればOK(12本爪アイゼンとピッケルは不要)

●はしご・鎖場無し

はじごと鎖場が無いので、
大型犬もOKだ。

ランキングの選出方法は、

「コースの手軽さ」(簡単に登れる)
「コースの楽しさ」(途中で飽きない)
「頂上からの眺望」(絶景を楽しめる)

をそれぞれ5点、合計15点満点で点数を付けた。
上記3つの中で意外に差がつくのが「コースの楽しさ」だ。
いくら頂上が大絶景でも途中が真っ暗な森の中で、
景色をほとんど楽しめないところだとリピートする気にはなれない。
まぁ、犬には関係ないけど。
(例:西岳(八ヶ岳))

また、多少登るのが辛いところでも、
帰りに思い切り尻セードを楽しめるコースなら、
犬も大喜び。
「また登ろう!」
という気持ちになる。

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さて、ではランキング順に発表します。

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なお、3位は複数あったので、
そのなかでも特におすすめを紹介します。

そして2位は同点で3つの山を選びました。

 

第3位:地蔵岳(標高1674m・群馬県)
コースの手軽さ:5 コースの楽しさ:4 頂上からの眺望:3 合計12点
3㎞・2.5時間コース(休憩込み、以下同)
赤城山の一つ。地蔵岳の魅力はなんと言っても手軽さ。
東京のど真ん中から2時間ちょっと。

駐車場(赤城山第一スキー場)にはトイレがあり、
休憩をしなければ2時間で往復できる。
しかも比較的雪があり、
頂上からの景色も悪くない。
山頂手前の日本庭園のような霧氷地帯は絶品の域だ。

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第2位:守屋山(標高1650m・長野県)
コースの手軽さ:5 コースの楽しさ:4 頂上からの眺望:4 合計13点
7㎞・5時間コース
地味な存在だがトータルバランスが優れている。
コースは基本的に森の中だが、落葉する樹木が中心なので冬季は明るい。
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頂は2つ。東峰の頂上は絶景。八ヶ岳が間近に見える。
15分ほど歩く西峰も最高で諏訪湖を見下ろせるうえに御嶽山が見える。
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下りの60%は尻セードで下れる。

 

第2位:赤面山(標高1701m・福島県)
コースの手軽さ:4 コースの楽しさ:4 頂上からの眺望:5 合計13点
6㎞・6時間コース
これまた穴場。なぜなら多くの人は隣にある百名山の那須岳に登るから。
でも、わんこ連れにはそこがいい。
元スキー場の明るいコースを人混みを気にせずに登れる。
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この山の最大の魅力は山頂を取り囲む霧氷地帯。
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↑これが全部宝石のように輝く霧氷。

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「魁!!男塾」を愛読する私でもウットリしてしまった
山頂からの眺めも立派。
那須岳・朝日岳・三本槍岳がどっかーん!

第2位:黒岳(標高1792m・山梨県)
コースの手軽さ:5 コースの楽しさ:3 頂上からの眺望:5 合計13点

4.6km・3時間コース

富士山周辺ゆえに雪が積もる週末は年に1回程度。
しかも雪を求めて北側の日向坂峠から登るマイナーコース。
そのため、基本的には暗い。
頂上も開けてはいない。
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しかし、頂上脇の展望台からの景色は悶絶の大絶景。
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樹林帯を抜けるといきなり河口湖越しの富士山が視界に飛び込んでくる。
しかもすそ野からの全体像。
まさに昭和の銭湯の絵そのもの。
そこでのランチは格別だった。

帰路の半分は程よい斜面で尻セードが楽しい。
そしていよいよ単独の1位です。
第1位:黒斑山(標高2404m・長野県・群馬県)
コースの手軽さ:5 コースの楽しさ:4 頂上からの眺望:5 合計14点

5㎞・4時間コース(黒斑山山頂まで)
駐車場は初心者に優しいトイレ付。
コースは「表」と「中」の2つから選択可能。
スタートは明るい表コースがお勧め。
しばらく明るくなだらかな樹林帯を歩く。

途中に北アルプスを臨める場所が2か所。
標高2300mを過ぎると木々にこんもりと雪が積もるメルヘンの世界に。

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北八ヶ岳に似ている。

この樹林帯を抜けるといきなり浅間山がどかんっ!

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ここから頂上までずっとこの雄姿を眺めながら歩ける。

多くの人は山頂で浅間山を味わって下山するが、
それはかなりもったいない。
ぜひその30分先の蛇骨岳へ向かってほしい。
メルヘン森を100m行くといきなりトラバースになり、浅間山がずっとどかーん!
これぞこのコースの醍醐味。

蛇骨岳に到着すると外輪山の反対側の視界が抜けて北アルプスがどっかーん! 

右から左へ(晴れていれば日光白根山)武尊山、谷川岳、草津白根山、四阿山、火打山、
そして威容を放つ北アルプスの壁が見渡せる。
さらにさらに目の前には迫りくる浅間山。
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圧倒されて転げまわりたくなった。

帰りは程よい傾斜の中コース。
標高2000mくらいまでかなり尻セードできる。
1カ所ロングコースもあり。
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これらベスト5は、すべて特に危険な場所はない。
体力的にも「100mは全力疾走できる」と思える人なら問題ないだろう。

なお、参考までに6位以下のランキングも紹介しておく。

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わんこ連れ登山で有名な入笠山は意外に点数が低い。
その理由は頂上まであまり景色が楽しめないことと、
頂上に登っても南アルプスや富士山が意外に遠いこと、
そして何より人が多すぎることだ。

数メートルだけ二股に分かれてすぐに合流するコースを登っているときに、
60歳くらいのおばさんが下山してきたので、
リードにつないだ犬を覆い隠すような態勢で立ち止まっていたら、
わざわざこちらのコースを進んできて、
すれ違いざまに
「けっ!」
と言われたことがある。

どんなにかわいらしい小型犬でも嫌いな人は嫌いだ。
入笠山はゴンドラを利用できるので人気だが、
そんな人がいることも忘れないようにしたい。
また、入笠山登頂のラスト約200mは、かなりの急登なので甘く見ない方がいい。

あと、北八ヶ岳の北横岳もロープウェイで山頂近くまで行けるので人気だが、
こちらは「遠くて日帰りできない」「ロープウェイは犬不可」なので選択肢には入れていない。
中級以上になって下から隣の縞枯山へ登るのはアリだと思う。
(下りだけ犬無しで経験済み)

最後に犬連れ登山で絶対に守ること。
・完璧に呼び戻しができるまで連れて行かない
・排泄物は必ず持ち帰る

これができない人が目立つと、
胸を張って犬を連れていけなくなるので何卒よろしくお願いします。

※以前、那須岳で人混みの中をノーリードのゴールデンレトリバーと歩く人がいた。
しかもその犬は飼い主の側にしっかり付くことはなく、
半径10mをウロウロ。
おそらく飼い主は
「うちの犬はしつけのできていない人間の子どもよりはるかにマシだぜ。
絶対に噛まない、吠えない」
と思っているのだろう。
でも、「噛む」「噛まない」は問題ではない。
前述のように「犬が大嫌い、見るのも嫌い」な人も少なからずいるのだ。
犬連れ登山をするなら、そのことを分かってほしい。
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