霧氷は無くてもスノーモンスターがいた!
前日天気予報:やまてん(四阿山):晴―3℃風速4mてんくら:A晴ー2℃風速7m眺望△ 実際:晴ー2℃風速1m眺望△
2023年3月4日、予定では新潟方面におじゃまするつもりだった。
彼の地特有の見渡す限り続く一点の染みもない純白稜線に身を浸し、泰楽(ゴールデンドゥードル)と雪中バタフライごっこをしたかったからだ。
ところが前日になって天気予報が急変。
どうやら新潟方面の山頂は、どこも暗中模索となるらしい。
それでは無限純白稜線は楽しめない。
ならばどこへ行こうか?
ヤマテンもてんくらも西へ行くほど晴れる確率は上がるという。
ならば浅間山方面or八ヶ岳方面ということになる。
前者なら根子岳リベンジ↓、
https://large-dog.iehikaku.com/archives/3825
後者なら高ボッチ山リベンジ↓ということか。
https://large-dog.iehikaku.com/archives/3921
両者とも北アルプスの展望台。
相手にとって不足はない。
だが、高ボッチ山の前日の様子をヤマップ&ヤマレコで確認すると、ほとんど雪が積もってない。
それでは、新雪蹴散らし歩きが大好きな嫁さんが納得するはずがない。
一方で根子岳の積雪量は申し分ない。
もしかしたら今度こそスノーモンスターと対面できるかも。
肝心の頂上からの見晴らしをてんくらで調べると、
「まずまず」の予報だった。
ちょっぴり雲が目立つかもしれないが、北アルプスの尊容は拝めるはず。
なので今回の目的地は根子岳に決定!
目標は北アルプス見物とスピードアップ。
何を隠そう、体力にはそこそこ自信があるのに、雪山登山についてはいつもスローペースなのだ。
そのため楽しみにしていた日帰り入浴を断念すること多数。
脳みそをひねって原因究明に取り組んだところ
「厚着し過ぎ」
ということに行きついた。
雪山=死ぬほど寒い、と思う人は多いが、実際は登っていると汗ダクダクになる。
だから山頂に到着するとTシャツ1枚の人に出会うことも珍しくない。
だが、私はハードシェルを脱ぐのを面倒がってしまう。
その結果、オーバーヒートとなりスローペースになると分析した。
その証拠に面倒がらない嫁は意外にスイスイ登る。
ちょうど天気予報では気温―2℃と比較的暖かい。
だから今回は基本的にハードシェルを着ないで、ベースレイヤー+中厚手フリースの2枚で登ることにした。
8時25分、駐車場に到着。
前回停めた手前の駐車場はすでに満車。
奥に停めると隣のクルマが地元の方で、登山口につながる道路の脇の牧場地帯も歩けると教えてくれた。
舗装道路歩きは味気ない。
いいことを聞いた。
8時45分、登山スタート。
早速、雪面がきらきらと輝く牧場地帯に足を踏み入れる。
真っ青な空。
スコーンっと視界が突き抜ける大雪原。
これからはじまる山行の期待度がグンっと高まる。
積雪30㎝。
つぼ足なので結構踏み抜く。
でもスノーシューを装着するのは面倒なのでがんばる。
しかし、結局200mで断念。
しばらく進むと「ハイキングコース」の看板。
実は「勝手に入っていいのかな?」と若干ハラハラしていたが、ここから胸を張って歩く。
途中から白樺の並木道に。
振り向くと全世界に立ちはだかるような北アルプスの面々。
この時点で「来てよかったぁ」と独り言を連発。
そんな感じで登山口まで20分のところを40分も費やしてしまった。
ここからは牧場の端を歩くコース。
この時点の気温は―2℃。
なので嫁さんが「山頂より好き!」と断言する霧氷はゼロ。
↑前回。-13℃
↑今回。-2℃
なのでキョロキョロせずに黙々と登れた。
泰楽も「オレはもっと速く歩けるぜ」と首をぶるぶる振ってアピール。
(嘘。本当はゴーグルがうざくて仕方がないだけ)
※ゴーグルは白内障予防のために装着してます。
左を向くとズドドドドーッと連なる北アルプス。
その右端には高妻山など戸隠連山のメンツたちも顔を出した。
ちょっぴり雲が多めだけど、なんてったって、てんくらではA判定。
山頂に着くころには晴れ渡っているはずだ。
牧場を登り切ったところにある東屋(1.8km)には1時間10分で到着。
前回1時間30分かかったので速いっちゃ速いが、1時間は切りたかった。
登山口までの時間浪費が悔やまれる。
東屋から先は白樺の森が続く。
前回
「白い貴婦人の集い」
と称したエリア。
嫁さんが
「今までの登山史上最高の場所」
と言い切った霧氷地帯だ。
だが今回は
「化粧を落とした貴婦人のお昼寝タイム」
という雰囲気だった。
嫁さんが肩をがっくり落とす。
泰楽が元気づけようと頭突きをするが無視。
(嘘。本当はゴーグルがうざくて仕方がないだけ)
森を抜けると一気に視界が開けた。
今まで隠れていた浅間山も真っ白な頭をちょこんっと出した。
でも反対側の戸隠連峰は雲隠れ。
も、もしや!?
(もやもやと嫌な予感……)
今回の山行の楽しみはもうひとつある。
それはあずきのかき氷を堪能すること。
正確には、ようかんの上に樹氷の雪をたっぷり乗せて食べることだった。
ところがここまで登っても樹氷はゼロ。
でも、そろそろ疲れが溜まってきた。
甘いものが食べたい。
なので、ふわふわ地帯の雪をすくい上げて食すことにした。
「ちょっと多すぎじゃない!?」というくらい雪を乗せて頬張る。
しかし、口に入れた瞬間に「ふわっ」と消滅。
氷点下の空気の粒を頬張ったようだ。
そこにようかんの濃厚な甘みが溶けてゆく――。
空前絶後のハーモニー。
これ以上ぴったりな組み合わせを私は知らない。
さすが氷点下―20℃が珍しくないエリアの雪は違う。
樹林帯を抜けると、あとは急登をやっつけるだけ。
ここから風がびゅーっとふいたのでハードシェルを着る。
前回は直登だったような気がするが、今回はトレースが右に流れていく。
合ってる?
この頃からチビ樹氷がぽつぽつ。
だが嫁さんは、
「これくらいじゃ~納得しない!」
という表情で黙々と先に進む。
すると、やはり山頂は左側だった。
どうやらトレースは急登を回避した迂回ルートだったらしい。
それがわかった時点で、嫁さんが大幅にペースダウン。
泰楽は山頂まであと100mという地点で
「お母しゃんをここで待ってる」
と言ってしゃがみこんでしまった。
相変わらずやさしい子だ
山頂に目を凝らすと黒山の人だかり(30人くらい?)。
大至急、泰楽のリードを握る手に力を込める。
そんな感じで3時間(3.8㎞)で登頂成功。
前回は4時間14分(3.4㎞)もかかっているので大成長でしょ。
薄着万歳!
ちなみに距離が伸びているのは、山頂直下でジグザグ歩行をしたせいだと思う。
ランチは最高の場所を確保できた。
気温―2℃。風速限りなくゼロ。
そこで360度の展望も味わう。
左から時計回りに四阿山、
浅間山↑(山頂からえらい勢いで煙が出ているのでドキッとしたが雲だった)、
富士山、八ヶ岳↑、南アルプス、
中央アルプス、御嶽山、北アルプス↑が、ずらりと並ぶ。
しかし、やはり戸隠連峰は分厚い雲でお隠れに。
その雲は草津白根山の方まで続いていた。
なので100点満点の眺望とは言えなかった。
前回が10点で今回は60点かな。
そりゃー、てんくら予報が「△・まずまず」だからこんなもんか……。
とはいえ、特等席ということは間違いない。
北アルプスの大パノラマをスパイスにランチを堪能。
メニューは、イタリア産の冷凍ピザとゆるキャン△で学んだ肉まんのホットサンド。
そしてデザートは冷凍今川焼き(カスタードクリーム)。
どちらも表面がパリッと焼けて旨かった!
泰楽は家でふかしてきたサツマイモをがっつく。
お腹が膨れたら、小根子岳へ移動。
そこでは根子岳からは樹林帯で見えにくい戸隠連峰の全貌が露わになるらしい。
ところがどっこい。
ちょうど食べ終わる頃に、なんと雲が急接近。
とうとう360度雲に覆われてしまった。
つまり遠景ゼロ……。
しかしながら山の天気は変わりやすい。
「山頂に着く頃は晴れ渡っているさ。だってオレ運がいいもの」
と予定を決行。
すると想定外のめっけもんが登場した。
もふもふの登山道と栄養不足だがスノーモンスターだ。
小根子岳は根子岳の北側斜面にある。
なので雪深い。
だからこれらが成長できたのだろう。
そしてこれらは嫁さんの大好物。
「やっと“来てよかった!”と思えたよ」
とモンスターの森を何往復もしていた。
ボディーガード役の泰楽は大変。
何度も踏み抜きながらついて行き、「これでも喰らえ!」と、うざくて仕方がないゴーグルを押し付けてグリグリしていた。
小根子岳へは、覚悟していたほどの高低差はなく20分程度で到着。
周囲は案の定真っ白。
10分くらい粘ったが、ずーーーっと真っ白。
その間、気づくと泰楽がどうやったのかゴーグルを額に乗せていた。
なんだかロン毛時代のキムタクみたいでかっちょいい。
「やるねー!」「イケてるよ!」
と写真を撮りまくった。
そんなことをしても景色は変わらず。
諦めて下山開始。
この山の傾斜は程よいのでヒップソリに最適。
だが前回は積雪が足りずにお尻を岩に強打。
1カ月半経った今も完治せず。
痛み30%残状態。
たぶん骨折中。
それでもガマンできずに滑走開始!
これが大正解。
痛みがぶっ飛ぶほどカッ飛べた。
樹林帯を抜けるとそこは雲海の世界に。
そして牧場は極上のゲレンデとなった。
久しぶりに泰楽と並んで滑る。
親子の競演に恐悦至極。
泰楽が楽しみにしているヒップソリ投げも、だーーーれもいないのでやり放題。
ちょうど投げた先に雲海がもくもく湧き出てきて幻想的な風景に。
夫婦でうっとりしながら何度も繰り返した。
泰楽にそんなロマンチックな気持ちはちっともなく、
とにかく
「投げて! 投げて!」
「どこへでも取りに行きます!」
といい続けていた。
行きに40分費やした登山口までの道のりは20分で踏破。
6時間50分・9㎞の山行でした。
景色は60点だったが、嫁さんはスノーモンスター、泰楽はヒップソリ投げ、私はヒップソリで大満足。
帰路では仁礼柳清水で湧き水を汲み、菅平高原プラザホテルで汗を流した(500円)。
翌日、泰楽をシャンプーすると衝撃の事実が。
彼がゴーグルを嫌がる理由は、目に毛が入るから。
だから前日に目の周りをカットしていた。
(それでも嫌がったけど)
登山時は気づかなかったが、実はお猿さんのようなオデコになっていたのだ!
嫁さんは激怒
でもまぁ1週間もすれば目立たなくなるでしょ。
次回は今シーズン最後の雪山。
今度こそ純白広大稜線で泰楽と雪中バタフライをしたい。
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