犬とカヌー「三重県の川はどこも透明度バツグン!」船津川・大河内川

歴代最高に美しい淵を発見!
水位:上里35㎝

私にとってカヌーの聖地は四国だ。
・透明度バツグン
・水量十分
・魚たっぷり
・人が少ない
・なにより水温が暖かい

しかし、残念ながら気軽に行くことはできない。
千葉県の自宅から遠すぎる。
仁淀川の場合は高速道路を飛ばして11時間もかかる。

ならばより近い場所に同等のクオリティを持つ川はないのか?
ネットでブログ記事やグーグルアースを探索し続け、関西道路地図に赤字を入れまくり、やっと候補地を確定させた。

その名は三重県。
透明度の高さから「奇跡の川」と呼ばれる銚子川を有する。
銚子川は水量が少ないのでカヌーには不向きのようだが、ほかにも全国的には知られていないカヌー向きの美しい川がたくさんあるらしい。
それなのに自宅から6時間で到着する。
四国の約半分だ。
行かない手はない!

9月上旬の23時15分、自宅を出発。
1回休憩して6時30分に銚子川の手前に位置する赤羽川に到着。
ほぼナビどおりの移動時間。

そのまま7時30分まで河原にクルマを停めて寝る。
起きると川は増水中。
白濁し、草が水に浸かっていた。

なので10㎞ほど南下して船津川へ。
ゴール地点は河口近くで、かなり川幅は広いが透明度は高い。
スタート地点は支流の大河内川の気持ちのいい河原。
透明度はさらに高く、クリスタルブルー。

10時スタート。
浅くてゆったりとした流れに見えたが時速8㎞くらいある。
水深は70㎝前後。
川岸の草が水没しているので、こちらも増水中の模様。
でも透明度は10m弱。
潜るとカワムツの嵐。

鮎のはみ跡もあったが魚体は見当たらず。
なかなか素晴らしいが、瀬も淵もなくずっと同じ流れで飽きる。

唯一の難関は、スタートして2㎞の線路下。
テトラポットだらけの3mの落ち込み。
ここだけ激流になっていて、その中に鮎が見えた。

じっくりスカウティングして真ん中から無人のカヌーを流す。
一か所引っかかったが、なんとか押して無事滝つぼに落下。
結構気疲れした。

その後はのんびり。
嫁と交代で飛び込み、ぷかぷか浮きながらビールを飲んだ。
泰楽(ゴールデンドゥードル)は嫁さんが心配で絶対に離れない。

ゴール地点の高速道路が見えた辺りで40㎝前後のシーバスを2匹発見。
大至急釣りたいが竿もルアーもない……。

結局生物はカワムツとシーバスのみ。
鯉が一匹もいないのが不思議。
2時間5分・6.1㎞のコースだった。

透明度は神崎川(岐阜県)↓と勝負できるくらい素晴らしいが、


コースに変化がない。
釣り人皆無なのがうれしいが、少々物足りない。
クルマ回収のチャリは6.2㎞・22分。

その後はスタート地点の河原でキャンプ。
近くに民家が無く、静かで気持ちがいい。
月明かりがまぶしいくらいだった。

9時過ぎに眠りにつき、6時30分起床。
7時過ぎに頭上の砂利置き場の重機が動き出す。
まったく落ち着けない。
急いであずきのホットサンドを1つ食べて、「奇跡の清流」と呼ばれる銚子川へ移動。

下流からさかのぼって見ていくが、やはり水量が少なくて漕げそうにない。
せっかく来たので川遊びで有名な魚飛渓まで足を延ばす。

たしかに透明度は高いものの、それは船津川などの周辺の川も同様。
しかも水の色はグリーン系。
仁淀川などクリスタルブルー系を見慣れているので、期待を下回ってしまった。

銚子川が注目される理由は、魚飛渓という奇岩巨岩の絶景の中で川遊びができるからだと思う。
水の綺麗さに限れば周辺の川も同じ。
なので個人的には人が多い銚子川よりもそちらの川で遊びたい。

とにかく銚子川はカヌーを漕ぐには水量が足りない。
そこで大河内川に戻ってさらに上流の様子を探ることにした。

すると、すぐに小さな湖を発見。
大河内川が堰堤でせき止められていたのだ。
四万湖(群馬県)のように美しいブルーの水面。
透明度は5m以上ありそうだ。
湖岸に砂利の広場があり、出艇&キャンプもできそう。

さらに上流へクルマを走らせると、道路脇の木々の隙間からキラキラと輝くものが。
停車して崖下10mに目を凝らす。
天国のような淵だ。
朝の光を反射して吸い込まれそうなほど美しい

我慢できない!
大至急ウェットに着替えて吸い込まれに行った!

淵は、1.5級ほどのいい感じの瀬からつながっている。

「ここを漕ぎ抜けて湖まで出たい……」

問題はどこからスタートするか。
淵は崖の下にあるし、湖から1㎞ほどしか遡っていない。
そこでさらに上流へ走ると約1㎞で巨大な堰堤があった。
なので合計たった2㎞コースと判明。
それだけ漕いでもつまらなそう。
それゆえ、逆に湖から淵まで頑張ってさかのぼり、往復することにした。

11時16分、湖をスタート。



「大至急、吸い込まれ淵まで行きたい!」

ワクワクで漕ぎ始めると、たった5秒後に上流からモヤモヤが……。
「あらっ? あらっ? あららっ~~?」
あっという間に白濁の世界。
たぶん上流に採石orセメント工場があるのだろう……。

諦めてとにかく漕ぐ。
18分で湖と川の境目に到着。
そこからはカヌーを引っ張って歩く。
結構面倒。

20分歩いて天国のように見えた吸い込まれ淵に到着。
白濁して1時間前の面影なし。
一応潜るが透明度1m。
魚はカワムツのみ。
淵の先の1.5級の瀬をカヌーで下って、さっさと帰路につく。

帰りは嫁が船長(後部席)。
小さな瀬を2つやっつけた時点で流れは終了し湖に。
このときちょうど工場が昼休みに入ったのか、いくらか透明度は改善。
1時間40分・往復4.1㎞でゴール。

カヌーの空気を半分以上抜いてクルマに載せ、出発地を探す際に偶然見つけたキャンプ地へ向かう。
14時に到着。
すぐにカヌーを再度膨らませて河原で乾かす。

なぜそこをキャンプ地としたか?
それは目の前に飛び込みができそうな淵があったからだ。

そこは白濁した川の支流に当たるので、限りなく透明に近いクリスタルブルー。

極上の遊び場を目の前にゆっくり昼食を取る。
食後はシュノーケリング&飛び込みタイム。

潜るとそこはお魚の王国。
視界いっぱいに小魚の世界が広がっていた。
透明度10m。
水深2m。

今まで30カ所くらいの河原でキャンプをしてきたが、こんなに
・透明度が高くて
・魚が多くて
・深くて
・水温が高くて
・人がいなくて
・クルマを横付けできる
場所はなかった。
歴代最高のキャンプ地
だ。

大至急飛び込みを4回繰り返す。

この淵から焚き火をするイスまで5m。
た・ま・ら・な・い

思う存分潜り、飛び込んだら家族サービス開始。
泰楽のおもちゃを持って上流へ探検だ。

嫁さんは、あらゆるスポーツの中で、沢登り(シャワークライミング)が一番好き。
彼女は「落ちたら骨ポッキリでしょ!?」という見上げるような滝でもニコニコで登っていく。

対する私と泰楽は高所恐怖症だ。
2人とも高さ2mを超えるとブルブル震える。

そんな私は、飛び込みと魚を探すシュノーケリングが大好物。
(飛び込みは、ケガをしない水深があると分かっていれば平気)
そして泰楽は、とにかく家族と一緒に遊ぶことが生き甲斐。

なので
嫁は見上げる滝を目指し、
私は深~い淵と大イワナを目指し、
泰楽はとにかく家族と離れないことを目指し、
清流をさかのぼる。

早速100m先の淵で18㎝のアマゴを発見。
その先も小魚&モクズガニ天国。

1㎞ほど進むと急に河原が無くなり、両側が切り立った岩壁のゴルジュに。
秘境感が急上昇!

歩けないので泳ぎながら先に進む。
突き当りには、クラクラするほど美しく深い淵と落差3mほどの双子の滝が立ちはだかっていた。

淵を目の前に左を見上げるとそそり立つ岩壁。
右を見上げてもそそり立つ岩壁。
両者とも高さは約10m。
振り返れば数十m泳いできた透明で冷たい流れを、同じく垂直の岩壁が切り取っている。
それらの上に木々が茂っているので川面は微妙に暗い。
ただでさえ透明度が高すぎて「吸い込まれ感」が高い淵が、より冷酷に感じる。

嫁さんも泰楽も同じ気持ちなのだろう。
黙る。
聞こえてくるのは「ざざざーっ」という水が流れる音のみ。

こんな秘境感満点の淵を前にしていつも思うのは、
「川底に鹿の骨が沈んでるんじゃないの!?」

この考えが浮かんだ瞬間、ヒヤっとする。
だがここで引き返したら1か月間は、やり残した感に苦しめられるだろう。

「うりゃ~~っ!」と潜ってみる。

水深3m。
20㎝アマゴ1匹。
巨大モクズガニ1匹。
ちなみに今までこのような気合潜りを30回くらい行ったが、鹿の骨が沈んでいたことは1度もない。

骨が沈んでいないことが分かると、
「楽勝でしょ!」
「あの滝を登るでしょ!」
というワクワクがムクムク湧き上がる。

嫁さんも同感のようだ。
しかし、泰楽だけは反対票を入れた。
淵の手前の岩に乗ってテコでも動かず、
「大変恐縮ですが家族よりも自分の命のほうが大事です!」
と大袈裟なことを言っている。

なので泰楽はお留守番。
2人で滝を二つに分ける高さ3mの岩によじ登る。


↑赤丸が泰楽

するとそこからさらに川幅が狭くなり、より秘境感を増幅させるゴルジュが続いていた。

だが目を奪われたのはそこではない。
滝の上部も淵となっており、そこだけ異世界のような様子で釘付けになってしまったのだ。

この淵から水があふれることで二筋の滝を生み出されていた。
ところが淵自体はまったく流れを感じさせない。
ガラスのように滑らかなとろ~っとした水面がたゆたっているだけ。
そこだけ時間が止まったような空間。
2人とも声が出せずうっとり。
なので写真は無し……。

とはいえ、うっとりタイムは3分ほど。
見るだけではもったいないと飛び込んだ。

「この泉こそ大イワナの住処だ!」

しかしイワナどころか小魚もゼロ。
ただし川底には、帯状の陽が差し込んでゆらゆらと揺れていた。
美しい……。

気がつくと遠くから泰楽の「わんわんわん(さびしいよぉー!)」という悲痛な叫びが聞こえた。
それでも2人は無視して潜りまくった。

2時間かけて往復約1㎞のシャワークライミング。
歴代最高の美しさだった。

17時にキャンプ地へ帰還。
お魚キラー(わな)でオイカワとアブラハヤを捕って素揚げにした。
どちらも臭みがなく淡白でハゼ並みに美味しかった。

翌朝は6時10分起床。
往古川へ向かう。
透明度は10m以上。
大河内川より上。
淵と線路近くの急流を中心に17㎝前後の鮎の群れがいた。

13時に出発して横浜青葉で渋滞し、20時に帰宅。

今回の川はどこも透明度バツグン。
しかも生き物が多い。
三重県の川はいい!

でもカヌーで下れるところは瀬と淵が少ない。
次回は櫛田川を下りたい。

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