中国の水墨画を錦秋で色付けしたよう
水位:佐貫(上)2.38m
11月14日、2020年最後のカヌーへ行った。
目的は
「鬼怒川の上から紅葉を堪能する」。
これが結構難しい。
毎年カヌーの後に低山も登る。
そこで標高1000m前後の紅葉をメインとしてしまうので、
標高200m前後の川の紅葉が中途半端になってしまうのだ。
要するに欲張りがいけない。
なので今年は「川を中心とする!」と時期を遅めにした。
天気は雲一つない快晴。
予報は気温10度で風速1m。
でも実際は気温13度で風速5mくらい。
風は強いが寒さは感じない。
8時51分スタート。
そこからゴールまで振り向くと男体山と女峰山がどっかーん。
ただし、水位は普段より60㎝マイナス。
最初の1.5mの2級落ち込みが1m+50㎝+50㎝の3つに分かれていた。
スタートから底を擦る。
押してやっと進んだと思ったらすぐに横を向いて座礁。
そこから先は迫力の奇岩地帯。
しかも今までで一番の透明度。
鬼怒川では初めて
「空飛ぶカヌー」
ができた。
どうやら
秋になる⇒水量が減る⇒透明度が上がる
らしい。
これはうれしい発見。
潜ると水深2m以上あった。
でも魚は1匹もいない(放流していないから)。
水温は10度前後。
鼻がちぎれるほど冷たい。
その後はほとんど浅すぎ。
3分の2は歩く。
でも気分は悪くない。
理由は今までで一番の水の透明さと紅葉。
岸辺の旅館から先の200mは紅葉の嵐。
頭上を覆いつくす鮮やかな橙色。
その先には突き抜ける青空。
空飛ぶ絨毯のような疾走感。
そして、かすかに頬を通り過ぎるそよ風。
暑くもなく、寒くもなく、もちろん無人。
完璧なシチュエーション。
家族全員、終始ご機嫌で下った。
浅いところは泰楽(ゴールデンドゥードル)1匹で下らせたが、
黙って流されていった……。
紅葉地帯の先は街から排水が噴き出してきて一気に濁る。
透明度1m。
しかも臭い。
若干水量は増すもののやはり歩く。
不機嫌にならないのは前半が楽しかったから。
ヤナを過ぎたあたりから1級オーバーの瀬が続く。
爽快。
結局ゴールまで3時間20分かかった。
いつもより1時間多い。6.4㎞。
チャリは真面目に漕いで6.94㎞・23分20秒。
その後は更なる紅葉を求めて有名観光地の龍王峡へ直行。
30分かからず到着。
13時30分。
観光客多数。
なんとか奥の空き地駐車場に駐車。
トレッキングコースは、残念ながら午後は日陰になっていた。
それでも圧巻の景色。
それにしても人が多い。
大型犬連れは迷惑にならないか不安になる。
仕方なく脇にそれて岩の上で昼食を取ることにする。
これが大正解!
断崖の上から眺める対岸の錦は大迫力&優美。
中国の水墨画を錦秋で色付けしたよう。
大渓谷&紅葉で最高。
これで日差しがあったら気絶級だろう。
ところが悲しいことも。
岩の一角に空のペットボトルが数十本規則正しく並べられていた。
驚いて文句をブツブツ言っていたら後ろから
「釣り人ですよ」。
地元の山岳協会の人だった。
ここは9月まで釣りを解禁している。
山岳協会では定期的に清掃を行っているがイタチごっこということだった。
釣り人=自然を愛する人
と思っていたが勘違いらしい。
観光地に限らずポイ捨て行為には法的な制裁を科してほしい。
協会の人によると紅葉は先週がピークだったとのこと。
人が多すぎるので上流に駐車場はないかと聞いたが、ないと言われた。
次はキャンプをしに県民の森方面へ。
到着前に暗くなってきたので急遽見つけた川沿いの林道で野営。
ハマグリの燻製、おでん、お汁粉は大成功。
カキンっと冷えた星空を眺めながらの熱燗は染みたぁ~。
県民の森の駐車場は紅葉のピークを迎えていた。
巨大樹の紅葉に我が目を疑う。
これはメタセコイア。
スギ科の樹木らしいがこんなにも美しく紅葉するとは知らなかった。
超特大スケールの秋色は寝転んでいつまでも眺めていたい気持ちにさせた。
↑これは下に生えていたカエデを通して見上げたところ
でも感動はそこまで。
宮川渓谷沿いのトレッキングコースは上流も下流も紅葉終了。
4.0㎞1時間44分歩いたが不完全燃焼。
だから紅葉カヌーのときは川を選ぶか山を選ぶか迷ってしまう。
でもやっぱ川だな。
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