大型犬と雪山登山「初心者でも安心して絶景を堪能!」一ノ倉沢(群馬県)

ほとんど登ることなく白銀の日本三大岩場を味わう
前日天気予報:てんくらA晴4℃風速2m 実際:晴2℃風速1m

2023年12月30日、今期最初のスノートレッキングに行ってきた。
メンバーは、ドゥードル仲間のルーク家とぷっちゃん家の3家族。
わが家以外は雪山初心者。
なので事前に出された条件は、簡単な雪山!

そこで選んだのが日本三大岩場である谷川岳の一ノ倉沢だ。
ここなら高低差をほとんど感じることなく、
絶景を二ヵ所も味わえる。

ネックはいつもガスガスの天気。
過去2回行っているが両方とも谷川岳の山頂を拝むことはできなかった。
だが、今回の天気予報は朝から晩まで快晴。
これは期待できる!


8時50分、白毛門登山口駐車場に到着。
例年のこの時期は、雪に閉ざされて入れないことが多いが、
今年は積雪20㎝程度で利用可能だった。


9時10分、トレッキング開始(標高700m)。
気温1℃。天気は予報どおり快晴。
まずは国道291号を歩く。
路上に雪はまったくない。


1.2㎞・20分進むとゲートで道が塞がれる。
そこから先も国道だが、年間を通して車両通行止めになる。
(冬季以外は電気ガイドバスのみ通行可)


徒歩の我々は、そのまま進む。
しばらくは積雪5cmでつぼ足でも余裕。
でも徐々にふかふかになっていき、気づけば30㎝に。
それでもトレースがしっかりあるのでつぼ足で進む。
傾斜もほかの登山者もほどんどないので、みんなでワイワイと歩く。


ルークくんは雪がうれしいようで、やたらと身体を雪面にすりすりして大はしゃぎ。
甘えん坊のぷっちゃんは、パパ・ママからあまり離れようとしない。
泰楽はいつもどおり私と嫁の間を行ったり来たり。
同じ犬種でも性格はかなり違う。


ブナを中心とした紅葉樹林の中の道なので、落葉した今は明るい雰囲気。
右側には、雪を被ってすくっとそそり立つ白毛門の山容も確認できて気持ちがいい。
さらに正面に目を凝らすと、ひと際真っ白な稜線が左右に広がっている。
武能岳から大源太山へと続く広大な山稜だ。
この晴天時、あの中心にポツンと立ったらどんな風景を味わえるだろうか。
永遠と続く白銀の山の背を想像しただけで恋をしたようにほっぺが熱くなってしまった。

しかし、ここでも大絶景が2つも待っている。
第一弾は左カーブを曲がると突然姿を現す。

マチガ沢だ。


雪山初心者のルーク家とぶっちゃん家は、
カーブを曲がった瞬間に「うわ~っ!」とハモりの声を上げていた。
今回のコースは、この大迫力の絶景にずんずん近づいていく。


行き先に立ちはだかるような岩壁は谷川岳。

そして目の前まで来た瞬間に、話し合うまでもなく撮影大会開始。


みんな心の中で「うちの子がいちばんかわいい!」
と思いながらスマホのシャッターを押していた。


モデル犬泰楽も、はしゃいでスッテンコロリン。

振り向くと、まだ白毛門が見下ろしている。
正面に谷川岳、後ろに白毛門。
「こんなに簡単に絶景が見えるんですね」
と皆さんテンションアップ。

私は
「これは今回の序章なのですよ」
と心の中でニヤリとしつつ、
「そうですよね!」
と相づちを打った。

そこから進むこと約30分。
また左カーブに出くわす。
私はスマホの地図を確認して、再度ニヤリ。

先頭はぷっちゃんパパ。
心の中でカウントダウン開始。
「3・2・1!」


「うっわ~っ!」
彼の歓声につられるように「うっわ~っ!」「うっわ~っ!」の合唱が続く。


今回の最終目的地である一ノ倉沢だ。
「マチガ沢よりもっと凄いところがあったんですね」
ルークママがうっとりとした眼差しでつぶやいた。
マチガ沢と同じ谷川岳の山肌を眺めるスポットだが、
こちらの方がより近くて迫力感がワンランクアップするのだ。


全員、気分は南極探検隊。
一列になって立ちはだかる威容を目指した。

車道から見上げる山容のゴツイことこの上ない。
目を輝かせるぷっちゃんパパは沢の奥も見つめていた。
彼はシャワークライミング愛好家なのだ。

そこで私は提案。
「ずっと奥まで行けますよ」
彼は、はっと振り向き
「行っていいんですか!?」
「大丈夫です。ただし、踏み抜き地獄は覚悟してください」

我々は、南極探検隊を再編成して奥へ向かった。
予想どおり膝くらいのラッセルが数十m続く。
突き当りは左右から滝が流れ込む場所。


滝と雪をまとった超巨大岩壁の組み合わせがたまらない。
全員で数分間うっとり。

そして今回最大の撮影大会がスタートした。

この時点で12時。
ここでランチにしてもいいが、
河原まで下りて広々とした大雪原で取ることにした。

ただし、そこまでの道のりは少々手強いという記憶が。
急傾斜で岩がごろごろだったはずだ――。

まずは車道をさらに進む。

積雪が急に増えて歩きづらい。


約20分進んで下降口に到着。
ひとりで確認をしに行くと、最初から狭いトラバースがある。
登山初心者はビビッても仕方がない。

「滑落しても雪がふかふかなので危険ではありませんが、
傾斜もコースの狭さも怖いと感じると思います。大丈夫ですか?」
全員、鋭い目線を返して大きくうなずく。
では出発!


ところがどっこい。
狭いトラバースは10mくらいしかなく、
しかも足元がふかふかで滑る気がぜんぜんしない。
さらに急坂ではあるが、基本的に九十九折になっていて意外に楽。


皆さん「きゃっきゃ」言いながら楽しく下れた。

一ノ倉沢から約40分で河原に到着。
森林地帯を抜けた地点で先頭の私が言った。
「はい皆さん、右を向いてくださ~い」

「はて?」と全員が右側に首をひねる。
1秒後。
「うーわっ~!」

またもや喜びの大合唱。
紺碧の空をバックに、再び一ノ倉沢の雄姿が見下ろしていたのだ。


河原の大雪原では、好きな場所でくつろげる。
日の当たる平らな場所を見つけて車座でランチタイムとした。


食後は絶景を眺めつつ、みんなでお菓子を交換したり、
熱々のココアをいただいたりしてまったり。


そして14時前に出発。
あとは平らな河原を歩くだけなので気が楽だ。
そして満を持してスノーシュー解禁。

私たち家族以外は雪山初心者だが、特にルーク家はスノーシューほぼ初体験。
装着して
「わざと雪深そうなところを歩いてみてください」
とお願いする。
するとルークママが
「うわ~、ふかふかして雲の上を歩いているみたい!」
と一発で気に入ってくれた。

私はヒップソリを投げて犬が取ってくる遊びをやりながら進む。

この遊びは犬なら全員大好きと思っていた。
だが、脱兎の如く追いかけるのは泰楽だけ。
犬の性格ってほんとうに十人十色なんだなぁ。


ところがそんなリラックスモードも10分程度で終了。
道に迷わないようヤマレコマップをダウンロードしてきたのだが、
いつの間にか藪漕ぎに突入。
やっと抜けたと思ったら渡渉を余儀なくされ、
ルークくんが川へ飛び込む事態に。


さらに大事件が発生。
わが家のスノーシューが両方とも大破したのだ。
これは10年前に約5000円で購入したものなので仕方がない。
むしろ長い間ご苦労様でした――。

ちょうどその時点で車道に上がるコースとの分岐点に出た。
車道に出ればスノーシュー不要になるが、距離は1.5倍になる。
そのことを皆さんに相談すると、
皆さん迷いなく「車道にしましょう!」と言ってくれた。
ありがたい!

車道に上がるコースを見上げると、一人分のトレースが付いていた。
積雪30㎝、傾斜30度以上のラッセルの跡だ。
やるしかない。
先頭&つぼ足で踏みだす。

えらく気合いを入れたつもりだったが、
トレースどおりに足を置くと、
意外にグリップして見た目ほどきつくはない。

とはいえ、わが家以外は雪山初心者。
しかも事前に
「今回のコースに登りはありません。楽チンそのものです!」
と言い切っている。
「このうそつき野郎!」
と聞こえてこないかとヒヤヒヤしながら歩を進める。

そして5分毎に「大丈夫ですか~」と振り向く。
すると予想に反してしっかりした足取りではないですか。
ぷっちゃんママなんて
「なんか本格登山みたいで楽しいー!」
とまでおっしゃっている。
かたじけない!


急登に張り付いたのは300m前後だったと思う。
ラスト5mは傾斜45度。
私は左へ約50mのトラバースを選んだが、ほかの人たちはあえてこの壁に挑戦していた。
意外に皆さん体育会系だったのですね――。

そんな感じで無事に車道に出て駐車場に到着。
10㎞・7時間の山行でした。

帰還してすぐに
「すいません! ぜんぜん楽ではありませんでした!」
と頭を下げた。
するとルーク家は
「自分たちが意外に体力があることがわかってよかったですよ!」
ぷっちゃん家は
「一ノ倉沢の絶景の次に最後の登りが楽しかったです!」

気を使っていただいているのかもしれないが、
全員が笑顔だったのでほっと胸を撫で下ろしたのでした。


帰りは湯テルメ・谷川で入浴。
谷川SAで水汲み。

帰宅後に地図を確認したら、
車道へ上がる分岐点から整備された河原の道までたった100mだった!
もしかしてスノーシュー無しでも歩けた?
やはり雪山初心者にとってこのコースはおすすめだ。

 

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