大型犬と紅葉登山「大迫力の奇岩と真っ赤な紅葉に包まれに行く」妙義山(群馬県)

奇岩よりも真っ赤な秋が好き
11/12 てんくら:A9℃(9時時点) 実際:快晴12℃

真っ赤な秋が大好きだ。
レモンイエローでも黄色でも茶色でもなく紅(鮮明な赤色)。
たまにオレンジが混ざっていてもいい。

深紅に色づいたカエデは、何時間でも眺めていられる。
理想の鑑賞方法は、スタートからゴールまで赤く染まった山に登ることだ。
そもそも登山は自然のそよ風や爽快な眺望を楽しめるのに、
そのうえ真っ赤な秋も味わえたら絶頂といえる。

だが、赤く染まる山は意外に少ない。
ネットで検索すると赤く色づいた登山の記録を目にするが、
そのほとんどはコースのほんの一部を切り取っただけ。
実際に行って見ると黄色や茶色が目立ち、
赤は「やっと見つけたぁ~」という感じだ。
(例えば赤城山)

真っ赤に色づく山を探して数年。
ようやく一昨年見つけた。
妙義山(群馬県)だ。

この山は奇岩・怪石で有名。
だから2年前もそれを楽しみに行った。
紅葉はついでだったのだ。

ところがどっこい。
実際に行って見ると
赤・赤・赤のオンパレード。
しかしそれでもすでに落葉し始めていて、
7~8割といったところ(11月21日)。
当時の様子↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/68

なので今年は10月下旬からウェザーニュースの紅葉情報を毎日朝・昼・晩チェック。
そしていよいよピークを迎えたことが確認できた。
11月12日、絶好調の妙義山へいざ出発!

8時40分にさくらの里到着。
先客クルマ2台。
ここからスタートして石門めぐりルートを逆回りで楽しむ予定。

8時50分スタート。
快晴・無風・気温12℃。

一本杉から登山道に入る。

ここから大人場までいったん下って登り返すコース。
青々としたカエデに囲まれて清々しい。

青々??

!!紅葉していない!

してても2部咲き。
しかも黄色や茶色系ばかりだ。
全然赤ではない。

でもそれは織り込み済み。
ここの標高は700mでいったん500mまで下る。
今回狙っているのは、そこから登り返した800~900mの尾根道の錦秋を楽しむことだ。
だから
「大丈夫、大丈夫。気にしない、気にしない」
と自分に言い聞かせて歩を進める。

前回もっとも真っ赤っ赤だった地帯も早春のような爽やかな雰囲気だった……。

↑前回


↑今回

とはいえ、途中の奇岩&秋のグラデーションポイントでは狂喜して
嫁は飛び跳ね、
泰楽(ゴールデンドゥードル)は山肌を駆け回った。

絶頂紅に出会わぬまま大人場に到着。
ここから中間道(関東ふれあいの道)まで急登となる。
登るにつれてだんだんと紅が目に入るようになってきた。
しかし、期待の視界を覆いつくすレベルには遠く及ばない。

そして中間道との合流地点に到着。
前回ここに来た際は、石門方面(石門めぐりルート)は巨大な落石があったとかで立ち入り禁止になっていた。
だが今回はなんと2022年10月15日(土)に開通。
ラッキー!

そしてそこにあった案内板を確認すると、
途中で「堀切」へ上がれる分かれ道があり、
そこは半端ない岩場の急登らしい。

嫁の憧れのスポーツはロッククライミング。
案内板を見て目を輝かせる。

私と泰楽は岩場も急登も大嫌い。
見ただけで足がすくむ。
しかし今回は紅葉がどうも怪しい。
ならばせめて嫁の希望を叶えてあげよう。
途中で堀切へ寄り道することにした。

とはいえ、ここからもそこそこの登りが続き、
予想どおり標高800mを超えたあたりからカエデ系の木々が鮮やかに彩りはじめた。

期待が大きすぎたので満足していないが、
このレベルの赤を味わえる登山はなかなかない。

しかもブナなどの黄色系は絶頂期だった。
ウェザーニュースはそのことを指していたのね……。

ようやく気分が良くなってきたのもつかの間。
ついに堀切との分岐点に到着。
岩に記された進行方向を教える→の先を見上げると、
絶壁のような場所からヘルメットを被った人たちが岩にへばりつくようにして下りて来る。

その一人に
「犬も登れそうですか?」
と聞いてみた。
すると
「犬のことは分かりませんが、堀切までは鎖がありませんからそれほどキツくないですよ。キツいのはその先です」
とのこと。

嫁の瞳はキラキラ。
約束した以上行くしかない。
30分もあれば往復できるだろう。
泰楽が「もう無理です」と言ったら戻ることを条件に岩にへばりつくことにした。

これが怖いし辛いのなんの。
しょっぱなから「無理でしょ?」という感じだし。

その先も容赦なく「もう無理だよね?」となっていくし、

最後は「絶対無理でしょ!」となってしまった。

それでも嫁は先頭でサクサク行ってしまう。
その下の泰楽は壁面を見上げて「えっ!?」と呆然。
私は常に泰楽のお尻を押すはめに。
しかも足場が一枚岩なので滑りそうで怖い。
さらに
「ここはどう考えても鎖が必要でしょ」
というような難所もあり、
「ここから落ちたらこうやって助けてやろう」
と考えてばかりで気持ちもすり減ってしまった。

「もう帰る!」
泰楽と二人でふてくされて宣言をした。
嫁は渋々承諾。
だがそこで
「自分が今回の登山で一番高いところに登ったことにしたいので現時点の標高を知りたい」
と、私より3mほど高い場所へ進んだ。
ヤマレコアプリをインストールしているアップルウォッチを確認。
標高900m。
なので嫁のいる場所は推定903m。

そしてつぶやいてしまった
「堀切まであと50mだって……」
その瞬間、嫁の唇の片側が吊り上がった。
「たった50m!? それなのにやめちゃうの?」

さらに50m、岩に張り付くことになった。
そして見事ゴール。
すでに30分が経過していた。
そこは尾根道となっており、
反対側には浅間隠山がそびえていた。
いきなり冷たい北風が吹きつけてくる。

ふと左を見ると、高さ5mほどのオベリスクのような岩がすくっと立っていた。
足場があって登れそう。
「泰楽も上がれるか見て来る」

家族を楽しませたい一心で再度岩にへばりつくことにした。
意外に簡単に登頂成功。
しかし、握力が使えない泰楽には無理。
なにより山頂には樹木が茂っており、楽しくない。
「来ても意味がないよー」

嫁に声をかけると彼女は唇を尖らせた。
「結局、あんたが一番高いところにいるじゃん。もう疲れたから戻る!」

標高は951mだった。
堀切にあった標識には中間道まで15分とあった。
しかし、そうは問屋が卸さない。
所どころにある一枚岩は滑り台のよう。
ただし滑ったらお陀仏。
泰楽も私も鬼の形相でへっぴり腰を維持。
右に行き、左に行き、安全ルートを探る。
嫁はその様子を確認し、後ろから野生の勘でスイスイ下りて来る。
その表情は天使のような笑顔だ。

↑下りは結構手伝ってくれたけどね。

結局、元の場所に戻るまで25分、
トータル1時間も費やしてしまった。

とはいえ、そこからも決して平たんではなかった。
当初最難関と考えていたハシゴのような階段が50mほど続くのだ。

ここは踏板の奥行きは10㎝ほどしかなく、踏み外すと下は空中。
つまり泰楽は泥にハマった海亀のような状態になる。
そしてワンコロの泰楽はこの踏板を正確に踏むことができない。
なので常に私がザックのストラップを掴んで持ち上げて「エア歩き」で進むことになる。
これが50m前後続く。
泰楽の体重は31.5kg。
30mを過ぎると腕がプルプルだ。

しかし、それは想定内。
「よいしょ、よいしょ」と掛け声を発して前進した。

その後は意外な絶景地帯に到着。
高さ30mくらいある絶壁をくり抜いて開通させた登山道に入った。

こんな異空間的スポットは大好物。
まるでテレビで観た三重県の大杉谷のようだ。

ここを通り過ぎると、いよいよ本日のメインイベントに突入する。
奇岩・怪石地帯だ。
まずは大砲岩。

↑参考画像

これに乗る人もいたが、泰楽はもちろん私も絶対に無理。
遠くから眺めるだけでめまいがしそう。

だが、予想どおり嫁はやる気まんまん。
途中の5mほどの鎖場を下りて近づこうとする。
ところが大砲岩から下りて来る人が多すぎてなかなか近づけない。

待つこと数分。
鎖場の上は狭い場所なので泰楽も居づらそう。
試しに下にいる嫁が泰楽を呼ぶ。
すると傾斜60度くらいある岩の斜面を
「どどどどどぉーーっ!」
と下りて行ってしまった。

なんという愛の力。
周りからどよめきが起こった。
このままではサーカス団からスカウトされてしまうかもしれない。
大至急私も下りて泰楽のお尻を押して登らせ、
嫁には大砲岩制覇を諦めてもらった。

とはいえ、これで落ち込むことはない。
すぐ先には4つも石門が待っている。
今回は逆回りコースなので最初に出迎えてくれたのは第4石門。

巨大な岩の空洞から日光が指し込んで大迫力。
そのすぐ脇でランチタイムを取ることにした。
ここがまた大絶景スポット。
腰掛けるにはちょうといい岩の上で、
大砲岩をはじめこの世のモノとは思えない奇岩と紅葉を楽しみながらランチを味わった。

その後は第3・2・1と順番に石門を回る。
第3は第4の4分の1バージョンで物足りない。
第2は鎖場を10mほど登った先にあって第1とつながっている。
見上げると陽光がまぶしくてもっとも神々しい。

第1は第4の4分の3バージョンだが、周りにモミジがあって一番落ち着いた雰囲気。
第4が陽ならこちらは陰。

これはこれでいい。
そんな感じで車道に出てさくらの里に戻ってきた。
14時15分。5時間25分・6㎞の山行でした。

どうやら大好物のカエデ(モミジ)の紅葉は黄色系の後のようだ。
道中
「赤が少ない、赤には早かった、赤に囲まれたい」
と繰り返していたら嫁に
「そんなに赤にこだわるのはあんたくらいだよ。
みんな鮮やかなパッチワークを楽しみに来ているの。
だから今日がベストなの」
と怒られてしまった……。

でもやっぱり赤が好き。
なので今夜は車中泊して明日はさらに標高が高い荒船山へ行くのである。

つづく

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