犬とカヌー「楽しい川だが水質が心配……」富士川(山梨県・静岡県)

「近い・楽しい・支流キレイ」だったのに……。
水位:北松野-5.3m

7月最後の週末は富士川を下った。
東名高速でデリカD5の水温計が急上昇
港北パーキングで停車。
ペットボトルの水を500ml入れる。
(後日、冷却ファンの故障と判明。新車で買って3年。早くないか?)

そんなことがあってゴールの稲子川合流点には8時20分着。
大至急、ヒラタクワガタがいるはずのヤナギへ走る。
しかし、なにか様子がおかしい。
昨年までその木は70mくらい河原を進んだ先を左に曲がればあった。
だが、今回は100m以上歩いてもない。
左手には草がびっしりと茂った高さ2mほどの崖がずっと続いている。

「・・・・・・」

分かってしまった。
河原そのものが濁流に削られて見渡す限り2mほど低くなってしまったのだ。
振り返って左側を見上げると、崖の上の竹林のそのまた上にヤナギの葉のようなものが、ふらふら風になびいていた。

崖には腰くらいの高さの雑草が隙間なく生えている。
間違いなくマダニの巣。
突入は絶対無理!

さっさとチャリを置き、発電所手前のスタート地点へクルマを走らせた。

9時50分。気温30℃。出発!
数日前に大雨が降ったようで水質は激濁り。

でも水位は通常なので快適に進む。
しかし、川底に砂利が溜まっている模様&透明度10㎝なので気づかず中洲で座礁。
最初で最後の歩き10m。

橋の手前の瀬は2級クラス。
猛暑対策で空気圧を緩めにしたのでカヌーは若干ふにゃふにゃ。
なので操作がしにくく、突入した瞬間にクルンっと回転。
バックで大波に突っ込む

カヌーの性能で何とか乗り越える。
だが、その先に大岩が!
結構な勢いで激突するが全員無事。
20点!

橋の先の右側の瀬は、ここ数年で若干穏やかになっている。
おそらく以前重機が入ったせい。
(広い川のど真ん中に重機が入っていたのだ!)

富士川の魅力は迫力ある瀬とそれを囲む奇岩の列。
今回もそいつを楽しめた。

天気は快晴。
気温はぐんぐん上昇し推定33℃。
川面はまっ茶色。
それでも灼熱に我慢できずに激濁りの淵で泳ぐ。
泰楽(ゴールデンドゥードル)をあえて1mくらいの岩に登らせ、
川の中から夫婦で呼ぶ。
家族大好きの泰楽には絶頂の瞬間のはず。

胸の中で
「さぁ、飛び込んで来い!」
と叫び、スマホを構える。

すると彼は
「ハァ! ハァ!」
と大興奮しながら岩を下り、水面すれすれのところから……。

ぽちゃんっ!

その後、嫁さんと泰楽はどんぶらこっこと流されていった。
そして対岸をハイジとヤギのようにぴょんぴょんしながら引き返して来ると、
突然しゃがみ込み叫んだ。

「金を発見しましたぁ~~!」

なぬ!?
大至急、クロール全開で対岸へ向かい鑑定。

ぼくは100%素人だが、たぶん砂金だろう。

そういえばFMヨコハマ「ザバーン」の井出さんが、
「山梨で砂金が取れる」
と言っていた。
まさにこれではないだろうか。

とはいえ、一粒一粒拾う根気はないので先に進む。
最後の2つの瀬も大人しくなっており2級弱。
結構遊んだつもりだったが流れが早かったようで1時間39分でゴール。
6.2㎞コースでした。
チャリは5.1㎞・17分12秒。

その後、大好物の支流へ向かう。
途中の林道で前回に続いてカモシカに遭遇。
今年は大繁殖?

いつもの野営地は大型のショベルカーとダンプが入って砂利を採っていた。
山梨・静岡あるある。
なので今回のお泊りはその先の小さな河原ですることにした。

途中でミヤマクワガタの森へ寄る。
昨年、64㎜のそこそこサイズを捕った場所だ。
だが今回はカブト&ノコギリクワガタ(65mm)&チビミヤマのみ。
ミヤマは過去最少記録で30mm強。
頭の出っ張りがないミヤマをはじめて見た。

ここでもナラ枯れの形跡あり。
樹液ダラダラだが通常の黒っぽい液体ではなく白い泡状。

ナラ枯れとは、おもに西日本にいたカシノナガキクイムシというヤツが、
ブナ科の木に入り込んでナラ菌というヤツを繁殖させることで、
クワガタが好まない樹液を流させた後に枯らせてしまうこと。
地球温暖化と山のメンテナンス不足でクヌギやコナラの大木が増えていることが原因で、
全国的に問題となっているらしい。
なので我が千葉県でもコイツのせいで、
昨年辺りからクワガタがぜんぜん捕れない。

14時過ぎに沢登り開始。
すると5秒で背後の嫁さnが
「待って、待って」
とささやき声をかけてきた。

「はて!?」
と振り返る。
すると彼女はぼくの5m右後ろをつんつんと指さした。

「はて? はて?」
と視線を右後ろに……。

クリ仰天
またまたカモシカがいるではないか!!
しかもその距離5m。
最短記録だ。

ばっちり目が合いながら3mまで近づく。

逃げる気配なし。
カモシカは基本的におとぼけだが、コイツは弱っているのかも。
これ以上刺激しても悪い。
丁寧に三人で
「それでは」
とお辞儀をして上流を目指すことにした。

その先の淵を潜るとチビアマゴの嵐。
でも透明度2m。
やはり大雨の影響が残っている模様。
シュノーケリングは諦めてゴールの滝へ向かう。

いくつか淵を泳ぎ、

岩壁を渡り、

たった100m弱を30分近くかけてたどり着いた。
大好物の滝壺だ

ベルトコンベアーのように飛び込みと岩登りを繰り返す。
嫁さんはシュノーケルを無くしたとオロオロし、
泰楽はぼくと嫁の間で「(赤い)おもちゃをちょうだい」とウロウロ。

疲れ果てて18時過ぎにディナーに突入。
メニューはイオンで買った冷凍のジンギスカン・ムール貝(トマト味)・パエリア。
全部炭火&フライパンで調理。
成功。
特にムール貝は赤ワインとの相性がバツグンだった。

宴たけなわで今年初の花火大会を開催。

嫁は面倒がるがぼくは大好き。
一気に一袋やりきった。

21時過ぎに雲が晴れる。
目が潰れそうな星空。
でもすでにベロベロで目の焦点が合わず。
残念。
座ったままウトウト。
23時30分に車内へ。

5時30分起床。
大物ミヤマを期待して森へ。
だがカブトのみ。
朝食は竜田揚げバーガーと塩バターあんぱんのホットサンド。
両方ともソコソコ。

7時30分に沢登り開始。
前日飛び込んだ滝を巻いて先を目指す。

カモシカがいなくなっていて安心。
濁りは取れず。
滝の奥の堰堤も巻いて越える。

すると予想外の風景が目に飛び込んできた。
直径数十㎝のゴツゴツした岩がゴロゴロ。
コケが無いので灰色の世界。
工事現場のよう。
氾濫の跡だ。
角のある岩が多いのでたぶん上流で大規模な土砂崩れが発生している。
やはり山が管理不足で保水力が低下しているのだろう。

その後は潜ってもずっと魚ゼロ。
冒険家の嫁さんだけ流れ込みの急斜面を登る。

途中で引き返して来た彼女とさらに進むか相談。
視線の先も灰色の世界。
なにか見てはいけないものを見てしまったような気がして戻ることに。

クルマに到着して足元を確認すると泰楽も含めて全員ヒルの嵐(一人5匹以上)。
目を三角にして取りまくる。
(「気持ち悪い」なんて思っていたら血を思いっきり吸われる)
巻いた際に杉林を通ったからだ。
もう絶対に行かない。

山梨と静岡は自然が豊か&川の水温が北関東より温かいのでよく行く。
しかし、行くたびにダンプに土ぼこりを掛けられ、
自然が破壊されていく様を見せつけられる。
今回も楽しい8割、残念2割でした……。

なお、富士川は毎年下っているが透明度の高い状態に出会ったことがない。
その理由として支流の早川から濁った水が流れてくることは知っていた。
しかし帰宅後、事態はより深刻だと分かった↓
https://www.at-s.com/news/article/topics/shizuoka/846486.html

富士川公害 - Wikipedia

もう富士川へ行くことはないかもしれない。
「近い・下って楽しい・支流キレイ」で、
もっともバランスの取れた川だと思っていたのに本当に悲しい。

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