最長2時間「待て」ができます。
6月8日、泰楽(たいが)の出身犬舎であるピッコラのオフ会に参加してきた。
会場は那須ハイランドパークのイベント広場。
つまり立派な遊園地。
そんな大それた所で開催できるんだ、とびっくり。
駐車場で兄弟犬家族と待ち合わせをし、
普通に遊園地のなかを犬連れで歩いて行く。
本当に犬連れで園内に入っていいのか!?
10分くらい歩いてオフ会の会場に到着。
入場するとゴールデンドゥードルの嵐!
大小合わせて78頭のモフモフが群れまくっていた。
もう綿あめに埋もれる状態だ。
(飼い主さんの顔を隠すのが難しいので写真は無し)
数年ぶりにお会いする兄弟犬や、インスタでしかつながっていなかった飼い主さんなどに対面できて感激。
「やっとお会いできましたね!」を連呼。
対面だからこそできるワンコ以外の話、たとえば安旨ワインやクルマ談義などもできて楽しかった~。
(アラフィフになると趣味の話をする相手が減っていくのです……)
そして今回のメインイベントの時間がやってきた。
それは待て競争。
ワンコを一列に並ばせ「待て」をさせ、飼い主がどんどん離れていって、どこまで待っていられるかを競うゲームだ。
これはちょっぴり自信あり。
雪山や清流で遊ぶ際、「ここにいて」と小ピークの上で待たせて数十m下から撮影したり、飼い主だけ崖を降りて流れをチャックしたり、といったことで10分近く待たせることは日常茶飯事だからだ。
「待て」の最高記録は2時間。
サーフィン中にリードを付けるのを忘れてクルマの前で待たせてしまった――。
くわしい様子はこちら↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/4039
なので、もしライバルが登場したらどうしよう、とも考えた。
待て競争で2時間も費やしてしまったら、「けっ! このモフモフ寝てんのか!?」と皆さん飽きて帰ってしまうだろう。
そんなことに悩みつつ、競技開始となった。
とはいえ、参加するのは78頭。
そのため、予選だけで8回くらい行われた。
しかも泰楽の登場は最後。
「優勝は間違いないな!」
「優勝するだろうな」
「優勝したいな」
「泰楽ボケてるからもしかして……」
時間が経つほど自信がなくなっていく――。
そして、いよいよ「泰楽く~ん」と司会の方に呼ばれた。
余裕だったはずなのに、若干ドキドキしている。
位置につく。
泰楽はいつものことなので「ここに座っていればいいっすね」と余裕の表情。
やばい、父ちゃんのドキドキが伝わらないようにしなければ!
さりげない雰囲気を絞り出しつつ「待て」と小声で伝える。
「一歩下がって~」と司会の方が言うたびに後ろに下がっていく。
泰楽は「待っていればいいんですよねぇ」と、目の前の私と遠くの嫁さんを交互に見る。
「いいんです!」
そして3歩くらい下がった時点で予選突破が決定。
すぐに決勝大会に入る。
決勝大会に臨む泰楽(一番手前)。なんかいつもと違って凛々しい――。
決勝の相手は、さすがに手強かった。
5歩下がっても数頭残っており、勝敗がつかない。
そこで難易度が上がった。
「飼い主さんは後ろを向いてくださーい」
背中に泰楽の視線を感じつつ試合続行。
でも、本当に見ているのだろうか?
実は、すでに嫁さんのところへダッシュして「お尻を揉んでくださーい!」とクネクネしているのではないか?
振り向くことはできないので観覧者の反応に集中する。
どうやら、どんどん飼い主のもとへダッシュするワンコが出てきているようだ。
だが、今のところ泰楽の気配は近くにない。
ついに泰楽に背中を向けて5歩進んだ。
これで合計10歩だ。
いつもは100歩くらい離れるから、どってことない距離。
でも心配……。
そこで観覧者たちの声がどっと響いた。
同時に「あぁ~、負けちゃった!」という女性の声。
そして
「優勝は泰楽くん!」
というアナウンスが耳に飛び込んできた。
「マジ!?」
と振り向く。
My sweet honeyが、ぽつねんとお座りしていた。
やった!
やると思った!
どんなもんだい!
思い切りホッとしながら表彰式。
泰楽はなんでこっちを向いてるの?
優勝賞品は、幹事さんのおひとりが手作りしたフードテーブル!
手作りといっても副業で販売している腕前の作品だ。
なので泰楽は、これ以降ずっとテーブルに乗ってドヤ顔。
胸には金メダル!
集合写真の撮影中もこのポーズを崩さない!
こんなに大規模なワンコのオフ会に参加したのは初めて。
本当に楽しかった。
幹事の皆さん、ご苦労をおかけしたと思います。
ありがとうございました!
さて、泰楽については「なんでそんなに”待て”ができるの?」とよく聞かれる。
しかしながら、実は泰楽に「待て」を本気で教えたことはない。
「待て」でも「ダメ」でも「入るな」でも、なんでもそうだが、ワンコと意思疎通をするなら、まずは信頼関係を築くことに専念しなければならないと思う。
つまり
「この人について行けば安心して生きていける」
「何をされても信じているから平気」
と思ってもらえないと本当の意味では言うことを聞いてくれない。
聞くとすれば「食べ物をくれる」か「叩かれる」からだ。
そんな状態で雪山や清流に連れて行ったら、とっさの判断で出した指示に従ってくれないので危険だ。
ならば信頼関係を築くにはどうすればいいのか。
私は
1.やり切る
2.無視する
3.愛する
が秘訣だと思う。
1年でも2年でも3年でもリードを引っ張られたら方向転換をやり切る。
「遊んで」「さびしい」と吠えても無視をする。
だからといって雑に扱うのではなく、毎日一緒に遊んだり、定期的に健康診断へ行ったりと愛する。
(単純に犬好きならば自然に愛せるはず)
そうすればワンコは、いつの間にかペットでなく仲間になる。
仲間だから、こちらが嫌がることはしない。
もちろん、こちらも嫌がることはしない。
これは信頼関係ができあがっているからこそ実現できるのだ。
信頼関係ができあがっているかどうかを簡単に判断できる方法がある。
それはリードを引っ張るかどうかだ。
(あくまで目安です)
リードを引っ張るということは、
「あっちに行ったら安全かな?」
「こっちは嫌なヤツがいるかも!?」
と周囲に神経を張り巡らせている状態だ。
要するに飼い主が信用できないから引っ張って自分で行く先を決めている可能性が高い。
「リードを引っ張る」=「天真爛漫に生きている」
と考える人が多いようだが、専門書などを読むと実際は逆らしい。
のほほんと安心して生きてもらうためにも信頼関係の構築は最重要だと思う。
なお、「信頼関係の構築」とは「しつけ」のことだ。
くわしくはこちらで書いています↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/4020
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