大型犬のしつけを考える①:「愛犬のできること・できないこと」を整理する

しつけどころか飼い主に気を使ってくれる犬になった

なぜ泰楽のしつけに納得できているのか?
それを知るために泰楽のできること・できないことを整理しようと思う。

泰楽(ゴールデンドゥードル・5歳)のできること
・散歩中にリードを引っ張らない
・山や川でノーリードにしても家族から1m以上離れない
(常に背中に30㎝程のリードを付けているので、人が近づいたらすぐに手が届く)
・キャンプ中に「ここでトイレしな」と指させば大も小もそこでする
・吠えない
・なにをされても我慢できる(歯石取りOK)
・呼び戻しはほぼ完璧

(基本的に離れることはないが、私と嫁が離れているとどちらかにツイているのでそのときに呼び戻しが必要)
・クルマの中で2~3時間は留守番できる(夏以外。家の中なら12時間はOK)
・拾い食いをしない
・人間の食べ物を欲しがらない
・テーブルから新聞やタオルが落ちると「あいよっ!」と持って来る

泰楽のできないこと
・俊敏に動けない

強いて挙げればこれくらい。
家に迎える際にブリーダーから
「この子、頭のネジが1本取れていますよ。本当にいいですか?」
と念を押されたくらいトロい。

なので呼び戻しのときは、目が合って2秒経ってからノソノソと来る。
(屋外でテンションが上がっているときは一瞬)

だが、これで困ることは若干イラつくくらいで、ほとんどない。
なので、犬のしつけを
「他人に迷惑をかけず、不快にも思われないように教え込むこと」
と定義すると、成功したと言っていいはず。

ノーリードについては反対派が大多数だろう。
だから視界に他人がいるときは基本的にしない。
とはいえ、私は他人に気を使うのが苦手なので、
半径2km以内に他人がいそうな山・川には極力いかない。
なので熊にはいつもビクビク。
クルマはボコボコ。

それでも泰楽は後ろについてくる。
しかも交通ルールとモラルも守る。

あるとき山奥の林道を歩いていると十字路に出た。
周囲にだ~~~れもいなかったので、
私は特になにも考えずにそこを横切った。
「いやぁ~、清々しい朝だ。なっ泰楽!」
と脇を見ると白い毛玉がいない。
!?!?!?
「くっ熊にやられたか!?」
ぶるんっと振り返ると50m後方に泰楽が
ちょこんっ、
とオスワリしていた。

イメージ

「なななな何してんの泰楽っち!?」
目と目が合って考えること2秒。
ぴかんっ!と閃いた。
「“よしっ!”って言っていなかったね。ゴメン、ゴメン」
普段、住宅地で散歩をしているときに十字路があると必ず立ち止まるようにしている。
そして左右を確認。
クルマなし、歩行者なし。
「よしっ!」
そう言って泰楽と目を合わせてから渡るようにしていた。
コイツはそれを覚えていたのだ。
そのときは、まだ2歳。
「立派に育ってくれたねぇ」
と目頭が熱くなったものだ。

また、ある日波乗りにいったときのこと。
そのときは台風が通過した翌日で、どこをチェックしてもクローズアウト
(デッカい&ぐちゃぐちゃ)。
どうしよう、どうしようと悩んでいるうちに、
千葉の最南端まで来てしまった。

そこで何とか乗れる波を発見。
そのとき家を出てすでに3時間が経過。
泰楽と一緒にクルマを降りて、
「うっひょーーーっ!」
とウェットに着替えて海に飛び込んだ。

2時間後。
泰楽をつないだ柵の前に老人と柴犬がたたずんでいた。
「あら? 泰楽としては珍しくお友達になれたのかな?」
「こんにちはぁ~」
と近づく。

すると老人は目を丸くしてこう言った。
「この子、ぜんぜん動かないね。うちのが遊びに誘っても微動だにしないよ」
はぁ~っ、なんのことですかぁ?
泰楽に目をやる。

!!!!!

なんとつないだと思っていたリードが柵に乗っかっているだけ。
そのまま私は2時間もサーフィンを楽しんでいたのだ。

実際のそのときの様子

一瞬、
「コイツやるじゃん!」
と鼻が高くなったものの、
すぐに気分はどよ~~ん。
「なんてことをしてしまったんだ」
「つながれていない大型犬を見て“怖いっ!”と思った人がいたかもしれない」
「泰楽が“ボクちゃんは今日から自由だ!”とはしゃいで走り回り、クルマにひかれたかもしれない」
老人にお詫びをしてその場をそそくさと去った。

そんな感じで泰楽に対して困ったことは、ほとんどない。
それどころか気も使ってもらっている。
登山中の泰楽は基本的に先頭を歩く家族についていくが、
後ろの家族が10m以上離れると数分ごとに「大丈夫かい?」と確認しに来てくれる。
この気づかいは先代犬(バーニーズマウンテンドッグ)には、なかった特徴だ。

とはいえ、先代の前太(私のペンネームと同じ)も泰楽とほぼ同じことができた。

泰楽のような気遣いと「キャンプ中に“ここでトイレしな”と指させば大も小もそこでする」はできなかったが、それで困ったことは一度もなかった(そもそもそこまで仕込んでいなかった)。

前太についてはこちら↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/29

ただし、前太のしつけは最初の3年間は、本当に苦労した。
(嫁は私に隠れてかなりベソをかいていたらしい)

それでもしつけにこだわり続けたのは、幼少期に
「大型犬と暮らしたい!」

「大型犬は怖い!」
と心底思える経験をしたからだ。

つづく↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/4051

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