犬と川遊び「清々しい森の中を流れる川沿いのキャンプ地」栃木県の川

30匹のイワナの群れを間近に見る!

透明度バツグン、冷たくない、淵が多い。
それゆえ、ご機嫌で終了した男鹿川のダウンリバー↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/5083

だが、ご機嫌ゆえに大いに時間を費やしてしまった。
時刻は13時30分。
予定より2時間オーバーだ。

大至急、未体験の秘境へ向けてアクセルを踏む。
ところが途中から踏みたくても踏めなくなった。
ジャリジャリ、ドロドロの正真正銘の林道になってしまったからだ。

しかしながらこのような林道は、むしろウェルカム。
たどり着きにくいほど、人口密度が減る。
西日が強くなっていくのを感じつつ、ハンドルを握りしめる。

とはいえ長い。
1時間経っても似たような風景。
森、森、森。
ときどき駐車してミヤマクワガタを探すが気配なし。

実は秘境の存在を教えてもらった際、
林道の入口までは聞いたが、
その先のどの辺りにあるのかまでは確認しなかった。

「林道沿いに河原へ下りられる場所がありますよ」
「そうなんですね。ありがとうございます!」
で終了してしまったのだ。

後日、念のためその林道名でユーチューブ動画を検索したところ、
確かに河原で車高を高々と上げたジムニーが走っているものを見つけた。

「絶対に秘境はある!」
信じているが、なかなかたどり着けないーー。

そして男鹿川を出発して2時間30分後の16時、
やっと秘境と思える河原を見つけた。
全然近くないじゃん!

先客は、これまた車高がえらく上がったジムニーが2台。
タープとテントを張っているが無人。
もうこの時間ならば今晩お泊りは確実だろう。

お互い気を使わないように100m以上奥へ行ってみる。
そしてクルマを降りる。
その瞬間に
ここでお泊り決定!

周囲を見渡してすぐに昔読んだ
野田知佑氏の本に出てきたニュージーランドの小川
が頭に浮かんだ。

澄んだ空気(標高1100m)。
鮮やかな緑。
湿気がなく清潔感がある砂利の河原。
緩やかで透明な流れ。
そして決め手は、その流れのすぐ脇までクルマで入れること。

夢のようなシチュエーションだ。
これで近くでミヤマクワガタが採れて、
深さ3mの淵があってそこに30㎝のヤマメが10匹いれば、
終の棲家はここになること間違いなし。

キャンプ道具を一通りクルマから出し、
ちょうど裏手にヤナギの木が10本ほど生えてたので、
全部蹴ってみたがクワガタどころかカナブンも落ちてこなかった。

ちょっぴり肩を落として腕時計を見る。
16時20分。
日暮れまであと1時間30分しかない。

大至急、嫁さんと泰楽に声をかけ、
川をさかのぼる準備をする。

キャンプ地前の川の水深は20㎝。
これではヤマメはいないだろうし、何より泳げない。
でも、上流には魅惑的な淵があるはず!(根拠なし)
気合いを入れてさかのぼり開始!

100mほど進むと川は森の中を流れていた。
清々しい緑に囲まれた穏やかなせせらぎ。
上下左右、絵本のようだ。
「ほぉ~」と噛みしめながら進む。

途中で川の中にいくつも倒木があった。
そんなところでは魚が群れていそうだが、
水深は、やはり20㎝ほど。
水中を覗いてみたが生き物の気配はなかった。

さらに進むと数人の釣り師が歩いて来た。
おそらくジムニーの方たち。
声をかける。
「こんにちはー。この川には何がいるんですか?」
すると、そのうちのひとりが、
「ウグイとイワナがいます。よかったらこれあげますよ」
と25㎝くらいのイワナを差し出してくれた。

これはラッキー!
ありがたくいただく。

情報収集も完了。
魚がいる!
ならば見たい!

さらに200mほど行くと、
境界線を引いたようにいきなり両岸が岩場になった。
正統な渓流の景観。

ちょうどそこに倒木があり、
その周りが水深1mほどの淵になっていた。
上から眺めると、ぴゅーっと魚影が逃げていく。

いる!
振り向いて嫁さんと泰楽に向かって
「し~っ」
と鼻先に人差し指を立て、
そ~っとシュノーケリングを開始した。

顔を水面につけると、
3m上流に銀色の魚の群れ。
推定30匹。
平均20㎝。

銀色だからウグイか。
確かにあの釣り師が言っていたことは合っている。

ゆっくり2mまで近づく。
そこで気づく。
「あれ? 身体の横に薄っすら斑点があるぞ!」
「おお? よく見るとお腹が黄色いヤツもいるぞ!」

正体はイワナだった。
今までこんなに多く集まっている群れは見たことがない。
(放流後の稚魚以外)
興奮気味にさらに近づくと、
その固まりは急いで倒木の根の下に隠れてしまった。

チャンス!
隠れた=動かない。
カメラを用意して水中で倒木の根にへばりついた。
そのときのショットがこれ↓

く~っ、もう辺りが暗いから画像がブレてしまった。
この奥を覗くと十数匹のイワナが、
崖の上のポニョのようなまん丸お目目でこちらを見つめていた。

しばらく観察したら嫁さんたちを呼んで交代。
そして彼女たちはこの浅い淵でおもちゃを投げて遊ぶというので、
私は単独で先に進むことにした。

すると段々と川の中の岩と淵が増えてきた。
けれども淵の水深は全部1m以下。
それも小さい。
なので飛び込めない、泳げない。

それでも魚影の濃さは一級。
潜るたびに尺クラスが出てきて、
最後は50㎝クラスも登場した。
でっかい頭と目玉。
今まで見た中で最高記録。

こりゃたまげた。
しかも標高1000mを超えているにもかかわらず、
水温は男鹿川と同等。
つまりセミドライスーツは不要。
ヒルなし。
アブなし。

いいではないか!
秘境認定に決定!

上機嫌でキャンプ地に戻ってビールで乾杯。
いただいたイワナは素揚げにした。

イワナはヤマメやアマゴと違って、
味が薄くて身が柔らかくべちゃべちゃ。
なので塩焼きにしても美味しくない。
でも、このように揚げ物にすれば、
なかなかイケる。

宴では久々に花火もやって21時過ぎに就寝。

5時40分起床。
まるごとバナナなどで簡単に朝食を済ませる。

片づけを全部終えて、
再度上流部の探検へ出かける。

昨日、私が行ったちょっと先で、
イワナをくれた釣り師たちと再会。

「こりゃ追い抜けないな」
と引き返そうとしたら、
「おとなしい犬ですね」
と話しかけてくれた。

そこから渓流談義がはじまった。
その方は栃木県在住で渓流釣り歴25年。
つまり県内の渓流を知り尽くした大ベテラン。
しかも筋肉ムキムキ。
10mの岩壁でも道具無しで登るそうだ。
今回は初心者を連れてきたので、
自分は本気で釣らないからお話しても構わないとのこと。

そこで、
「この辺りは熊は出ますか?」
とお聞きしたら、
「出る!」
という断言と同時に、
さっと左手で右の脇腹を指さした。

そこには円柱の物体が。
「やはり熊よけスプレーは必須ですね」
顔をしかめると、
彼はニヤリとしてその物体の後方をつんつんとした。

そこにあったのはナイフ
いざというときはそれで戦うというのだ。

うっそーぉ
と思ったが、彼が何度も熊と遭遇した経験があることは、
会話をしている中でよく理解できた。
なんてったって熊鈴を5つくらいチンチン鳴らしていたもの。

熊と遭遇した際、
基本は音を立てずに後退。
それでも、どうにもならないときの最後の手段として、
ナイフを用意しているという。

このような会話が意外に弾み、
今回も地元の人しか知らない秘境を教えてもらった。
残り少ない夏の間に、ぜひ行きたい。

前回のダウンリバー&キャンプは、
嫁さんがチャイロスズメバチに刺されて、
ちょっぴりブルーになってしまったが、
今回は完全無欠に楽しい夏休みとなりました。

次回は今年最大のイベントである徳島遠征です。
2週間くらい先だけど、もう眠れないーー!

コメント

タイトルとURLをコピーしました