犬連れ登山「短時間で大迫力の富士山を眺めるなら最適コース」嵯峨山(千葉県)

青い東京湾に白い富士山が直接乗っている!
2025年2月8日

大寒波で登れる雪山がない。
波乗りも暴風予報で修行となりそう。

なので地元千葉県の低山に登ることにした。
目的は千葉県でもっとも富士山が美しく見える山を見つけること。
年末に小鋸山に登り、大迫力の富士山を目の当たりにした。
「房総グランドキャニオン」と呼ばれる小鋸山の様子はこちら↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/8838

「千葉県でこんなにデカい富士山が味わえるなんて!」
そのインパクトが忘れられず、さらに美しく見える山を見つけたくなったのだ。

そこで選んだのが嵯峨山(316m)と鋸山(329m
鋸山は、富士山の展望台としても知られる日本百低山。
おそらく千葉県で一番有名な山だ。
過去2回、真夏と真冬に登頂しているが、富士山を眺めた記憶がどうしてもない。
たぶん天候が悪かったんだろうけど。

一方で嵯峨山を知る人は、千葉県民でも、ほとんどいないだろう。
しかしながら鋸山、小鋸山、嵯峨山は一本の稜線でつながっている。
調べてみると、嵯峨山の頂の先にある展望台からの富士山も素晴らしいとのこと。
なので1日で両方を登ることにした。


7時40分、嵯峨山登山口の駐車場(トイレ無し)に到着。
ここは小鋸山の登山口でもある。
(トイレは鋸南保田インターチェンジ近くのコンビニを利用)

7時55分、登山開始。
気温2℃。
正午の風予報は風速9m。
中綿入りジャケットを着て出発した。

なお、嵯峨山の一般コースは、たった2.5km・1時間45分のルートだ。
いくら1日で2ラウンドの予定でも短すぎる。
なので途中で迂回してバリルートも通る予定。


スタートして100mで、前回(12月末)泰楽の足を思い切り汚してくれた泥泥地帯がある。
ところが今回は9割くらい乾いていたのでスムーズに通過できた。
真冬は湧き水が少ない?


泥泥の次は白梅地帯。


さらに100m進むと今回最大の難所に出る。
3mの崖を下りてからの渡渉だ。
とはいえ、低山に慣れた人や中型犬以上なら余裕。
ただし、登山靴は必須。


しばらく休耕地の脇の中弱レベルの傾斜を登る。
樹林帯なので風はほとんど感じない。
背中が少し汗ばむ。
木立の間に広がる青空が眩しい。

途中で2019年の台風で倒木だらけになった急斜面を登る。
帰りにこれは間違いだったことに気づく。
(新たに大きく迂回するルートができていた)


その急斜面を100mくらい登ったら小保田峠に出た。
ここを右に進む。
なお、左に行けば小鋸山に到着する。


小鋸山方面に行けば、すぐに倒木だらけだが明るい稜線に出る。
そこからの富士山が素晴らしかった。
だが、こちらは常緑樹に囲まれた千葉県らしい稜線。
なぜ同じ稜線上なのに台風の影響が違うのだろう?


左にバリルートの入口があるはずなので注意して進む。
チラチラ左、チラチラ左、を繰り返していると、木立の隙間から薄っすらと雪を頂いた山塊が。
丹沢の山々だ。
一瞬「ドキンっ!」とした後にニンマリ。


そして二歩進むと、今度はさらにどデカいお山がちらっと見えた。
富士山ではないか!
前回から随分と雪化粧して上半分が真っ白だ。
「富士山だよ泰楽!」
しんっとした山中で大騒ぎ。
これだけで「来てよかったー」頭の中をぐるぐる回る。


そこから10m進んだところにバリルートとの分岐を伝える案内板が立っていた。
なんだ、注意して歩く必要なんてなかったんだ。


バリルートは杉林の中だった。
足跡が薄っすらあるだけなのでルートが分かりにくい。
ピンクリボンを頼りに進む。
足元が乾いた砂状の土なので滑りやすい。
実際に1回だけ尻もちをついた。
薄暗いし、滑るし、で先ほど急上昇したテンションが徐々に下がっていく。


だが、杉林は200mぐらいで終了。
きれいに舗装された林道に出た。
陽の光が差し込んで明るい。

しばらく林道歩きが続く。
泰楽は、くわえる棒を私から受け取って上機嫌だ。


ヤマレコ地図では右側に登山道の入口があるはずだが、ぜんぜんその気配がない。
偶然、ひょいと右に視線を逸らすと登山口を示す小さな、小さな案内板があった。
ほそーい登山道に入るためにV字に曲がる。
かなり分かりにくい。


入ってすぐはミカン畑だった。
100mで雑木林になるがリボンがあるので迷うことはない。
だが、ラスト5mは崖崩れのような急斜面を両手も使って登る。


登り切ったところは稜線の先端だった。
その向こう側には富士山の雄姿がどーん、と待ち構えていた。
青い東京湾に白い富士山が直接乗っている。
どうやら嵯峨山の先にある展望台に出たようだ。


そこからは、左右にたおやかに伸びる裾野まではっきり確認できた。
今まで千葉県から見えた富士山は、上部だけだったり、左側が隠れていたりして全体を見渡すことができなかった。
それがほとんど丸見え。
しかもデカい。
逆さにしたお茶碗を手のひらにのせて、腕を伸ばして見たサイズ感。
ありがちな「あぁ、遠くに富士のお山の姿がありますね」というのではなく、富士山を眺めるためにつくられたような場所だった。


富士山の右側には、若干木立に邪魔された丹沢山地、そして横浜の高層建築物などが広がっていた。

素晴らしい!
夢中で撮影会を開催した。


手前左が鋸山。その下の削り取ったような地形が房総グランドキャニオンの奥の部分。

展望台にあった案内板には嵯峨山まで10分とあった。
でも実際はそんなにかからなかった。


2分で右側に丹沢と横浜がはっきり見える展望台があった。
その10m先の左側では海に浮かぶ伊豆大島が姿を現した。
つまり左右が海。
ここはどんな地形なんだろう?
千葉県民でも想像がつかない――。


そして5分で嵯峨山の頂に到着。
木々に囲まれて眺望ゼロ。
見どころはリスが横切っただけ。
なのですぐに下山開始。


3分で嵯峨山パノラマと名付けられた展望台に出た。
ここからも伊豆諸島の山々が望めた。


その先は基本的に明るい稜線が続く。
ただし、小保田峠から小鋸山のように岩稜ではなく、崩れやすい地質だった。
また、小保田峠から小鋸山のような倒木がほとんどない。


途中にロープ場が3つくらいあったが、すべてなくても行けるレベル。


スイセンピークに到着。
周りはかつてスイセン畑だったらしいが、現在は面影もない。
ピークなのに見晴らしもない。


スイセンピークからバリルートとの分岐地点は、かなりの急傾斜だった。
しかも地面が砂っぽい土なので滑る。
ここはロープがあって助かった。

2時間47分・3.7㎞でゴール。
一生懸命に撮影しなければ2時間くらいのコース。
林道はいらなかったかな。
距離にこだわらないのであれば、展望台までのピストンでいいと思う。
それなら往復2時間もかからない。
手軽に大迫力の富士山を眺めるなら最適といえるコースだった。
内房で海鮮を食べるついでなどにおすすめだ。

では、クルマで10分移動して鋸山にも登るぞ!


なお、移動している途中の海岸で見た富士山素晴らしかった。
嵯峨山よりさらに遮るものなしでどどどどーんっ!
もしかして、千葉県で一番の富士山スポットは鋸南町の海岸??

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