桃源郷とはここのこと!?
足和田山:前日のてんくらA
紅葉には目が無い。
特に真紅のモミジがいい。
山肌を視界いっぱい真っ赤に染める風景は、想像するだけでくらくらしてしまう。
なので毎年晩秋になると紅葉登山&キャンプをすることにしている。
ここ数年追及しているのは、富士山と紅葉のコラボレーションだ。
だが、この組み合わせがなかなか難しい。
富士山の周りの山は、比較的モミジが少ないのだ。
一方で富士五湖沿いには真っ赤に燃えるモミジが存在する。
しかし、やりたいのはあくまで登山&キャンプ。
平地を歩くことではないし、観光地ど真ん中のキャンプ場での大型犬連れは気をつかう。
そこで毎年ヤマレコや関東地図と、にらめっこをしながら「う~ん、う~ん」と悩む。
そして今年は富士山の目と鼻の先にある「紅葉台」(標高1165m)という地を発見。
なんと読んで字のごとくの場所があるではないか。
調べるとそこからスタートして三湖台(1203m)、五湖台(1355m)と縦走できるらしい。
まさに灯台下暗し。
「これは間違いない」と10月31日に出かけた。
9時30分、紅葉台駐車場に到着。
空きスペースは1割(3台分)くらい。
コナラの黄色い紅葉は終了。
モミジの紅葉は1週間先の模様。
残念。
10時スタート。
気温10度。
しばらく広葉樹の林道を歩く。
たった8分・400mで三湖台に到着。
体育館並みの大きな広場。
正面に鬼が岳や黒岳。
左側に南アルプス。
そして眼下に毛無山方面へ続く広大な青木ヶ原樹海。
はるか遠くまで続く森・森・森。
本当に樹木の海だ。
まるで中国の水墨画のようなスケール感に呆然。
これは一見の価値あり。
ここで振り向くと富士山がどっかーん!と登場。
この圧倒的で分かりやすい景色。この駐車場から8分という手軽さ。人気の観光地となるわけだ。
山頂では30人くらいが風景を味わっていた。中でもスニーカー&Gパンのカップルなどが多かった。
そこから五湖台(足和田山)までは緩やかな&静かなハイキングコース。
紅葉はコナラの黄色が目立つ。
右手にずっと富士山が構えているが、木々で見えにくい。
それでも、一カ所だけ紅色と優雅なシルエットの組み合わせをチラ見させてくれた。
かなりゆっくり歩いて山頂(1355m)に到着。
約2時間。
すれ違ったのは3組くらいだが、山頂には20人くらいいた。
肝心の富士山の眺望は先っちょだけ。
期待外れ。
人が多すぎて座るところないので200mくらい先の西湖を見下ろす場所で昼食。
魔法瓶のお湯でカップラーメン。
湯温が80度くらいまで下がっていたが問題なく食べられた。
30分のランチタイム後に下山開始。
すれ違う人多数。子ども連れが多い。
手軽なので午後出発が多い模様。
トータル3時間9分・7.2㎞の山行だった。
このコースのクライマックスは三湖台だろう。
なので、しっかり歩きたければ紅葉台の下の駐車場からスタートして、三湖台をゴールとした方が満足度が高いかも。
とはいえ、それでも2時間・4㎞程度だ。
そこからグーグルアースで調べた高台へ車中泊のために移動。
14時48分着。
結構人気のあるスポットのようで、カメラを構えた人たちがずらっと並んでいた。
「なになに? そんなに写しがいのあるものが見えるのかい?」
クルマから降りると……。
👀
👀
👀
👀
👀
なんじゃこりゃっ!?
CG? CG? CG?
これはデッカいスクリーン!?
紅葉絶好調!
すさまじい赤とオレンジ。
その先にデッカイデッカイ富士山がどっかーん!
あまりに現実離れした絶景に脳みそが錯乱。
嫁さんと息子(ゴールデンドゥードル)は人目をはばからず狂喜乱舞してしまった。
「こんな風景がみたいな」
「でもそんな都合のいい場所なんてあるはずないよな」
と夢想していた風景が目の前に広がっている。
こんな理想的な構図は銭湯でもないのではないだろうか。
心底
「すげ~!」
「すげ~!」
「すげ~!」
「わんっ!」
「わんっ!」
「わんっ!」
を連呼した後で車中泊の地を求めて奥へ入っていった。
我々の「すげ~!」が誰にも聞こえない静かな場所を見つけてスモークをセッティング。
泰楽(ゴールデンドゥードル)と周辺探索を開始。
トータル1時間歩いたが駐車場よりモミジを味わえる場所はなかった。
日が暮れるまで水割りとスモークチーズ&ナッツで富士山&紅葉を堪能
翌朝は大平山へ。
9時50分、登山口に到着。
10時、登山開始。
杉林を100mくらい歩くと広葉樹の急登。
大平山に登る人のほとんどは石割山からの縦走なので、このコースは人気がないらしい。出発から一人も会わない。
静寂。無風。
たまに聞こえるのは野鳥のさえずりだけ。
思い切り空気を吸い込む。
ちょっぴり冷たい。
気持ちいい。
さらに100mくらい登ると林道に出る。
直登コースと迂回コースの分岐点。
直登は針葉樹林が続くようなので迂回コースへ。
そこはススキの大平原だった。
所々に真っ赤なモミジやカンボク(たぶん)も。
写真を撮りながらゆっくり歩く。
登った先は山頂直下の広大な草原だった。
山中湖を見下ろせて気持ちいい!
結局、すれ違った登山者は皆無。
傾斜が緩やかで最高のハイキングコースだった。
山頂はラスト100mの階段を登った先に合った。
登り切ると顔面に富士山が「どかんっ!」とぶち当たる。
写真では伝わらないが、登り切った瞬間、視界のすべてが富士山になる。
ほかに何も見えないので、まさに「ぶち当たる」という感覚だ。
山頂まで約1時間。
今まで黒岳や竜ヶ岳、三湖台など富士山を大迫力で味わえる数々の山に登ってきたが、
この大平山が一等賞。
稜線を端から端まで確認できる。
山頂は、人は多いが広いので気にならない。
ランチはコンビニ肉まんをホットサンド。
下りはピストンで30分。
トータル2時間20分・3.6㎞のお手軽登山でした。
史上最高の紅葉登山&キャンプだった。
富士山関係ではこれ以上の景色はないだろうし、観光地ではキャンプ場でしか大好物の焚火ができそうにないので、来年は「絶景紅葉僻地で焚火」を追求したいと思う。