急登を耐えた先には霧氷と眺望のパラダイス!
2024年1月20日 前日:てんくらA 晴れ 気温-3℃ 風速3m 実際:曇り 気温0℃ 風速2m
前日の天気予報は関東一円雨。
ただし、谷川岳方面と那須方面だけ薄曇りの予報だった。
薄曇りということは遠景は期待できない。
ということで那須方面の甲子山(標高1,549m)を登ることにした。
目的は、嫁は霧氷、私はゴツい旭岳(標高1,835m)の山容を間近に味わうことだ。
8時13分、駐車場(標高893m)に到着。
と思ったら、入口がアイスバーンでブレーキが利かずにつつつーーっ!
デリカが5mも滑ってしまった。
北海道に約3年住んだ経験がある私でも最長滑走距離。
マジで怖かった~。
先行車は3台。
周りを見ると積雪10㎝程度で所々土も露出している。
例年は1mくらい積もっているはずなので極端に少ない。
これで霧氷は楽しめるのか?!
8時43分、登山開始。
この時点で気温ー3℃。
案の定、道路がツルツルでビブラムソールのブーツを履いている泰楽でもすってんころりん。
チェーンスパイクを持ってくればよかった(泰楽は履けないけど)。
登山口は100mほど離れた旅館・大黒屋さんの前を通った先にある。
大黒屋さんの脇で登山届を提出。
ここは日帰り温泉もやっているが15時まで。
ぜひ間に合いたい。
登山口は旅館からいったん下ったところにあった。
地面は雪が解けてぐちゃぐちゃ。
温泉の熱のせい?
コースについてネット情報では「山頂まで森の中の急登が続く」とあった。
ところが幸いにもしばらくつづら折りの道が続く。
しかも森の中とはいえ広葉樹林なので落葉していて雰囲気は明るい。
意外に楽ちんで登れる?
ところがどっこい。
今シーズン初の雪山登山ということもあり、夫婦共に身体が重い。
えっちらおっちら登っていたら、1㎞進むのに1時間もかかってしまった。
そこでついに直登コースとつづら折りコースの分岐点が登場。
ヤマレコ地図で確認すると、つづら折りコースだと約700mの道のりが、直登コースだと約200mに短縮できるらしい。
私としてはこのままのんびりとつづらっていたい。
ところがマインドが冒険家の嫁は迷わず直登コースを選択。
私と泰楽はその後ろをしかめっ面で続く。
(写真は撮影のために前へ出たとき)
この急登が半端ない。傾斜推定45度。
しかも積雪が足りないので竹藪だらけ。
さすがの嫁も100m登った時点で斜面に張り付いたままフリーズした。
彼女は冒険家ではあるのだが、それは気持ちだけで体力は普通なのだ。
大至急、斜面の張り付いた状態でアイゼンを装着する。
結局、1時間かけてやっと稜線(猿ヶ鼻)に出た。
すると木立の隙間からついに旭岳が姿を見せてくれた。
ゴツい!
早く全貌を拝みたい!
その後はチビ雪庇なんかもあったりして意外にのんびり進めた。
だが、嫁の大好物である霧氷はいまだゼロ。
気温が高すぎたようだ。
彼女は「ここの木は低くて枝がトンネルになっているから霧氷になればきれいだよね」「この葉っぱが茂っている木も低いから上に雪が積もればメルヘンの世界になるよね」と妄想の世界に入っていってしまった――。頼む、霧氷ってくれ!
3時間10分・2.6㎞、甲子山分岐地点で傾斜がワンランクアップ。
それでも中の上程度。
猿ヶ鼻の手前が上の中だったので、ぜんぜん精神的ダメージなし。
しばらく登ると前方から「うわぁ~!」という歓声が。
ついに霧氷地帯に突入したのだ。
嫁が喜ぶと泰楽もはしゃぐ。
ここで初めて人とすれ違った。
「頂上からの景色も最高でしたよ~」
家族全員の足取りが一気に軽くなった。
そして――。
3時間45分・3㎞、ついに登頂成功。
この瞬間、全身に跳ね返されるような衝撃が走る。
目の前に旭岳が立ちはだかっていたからだ。
とにかくデカい、ゴツい、かっこいい。
ここまでのコースは単調で、けっして楽しいとはいえなかったが、この景色のためなら問題なし!
しかも絶景はこれだけではなかった。
山頂は360度の大展望。
↑「富士山じゃん」と言っているのは磐梯山のことです
旭岳から左回りに三本槍岳。
磐梯山(右上のとんがっているヤツ)。どう見ても富士山でしょ!?
飯豊連峰(左上)など見ごたえある山々を眺めることができた。
特に私のお気に入りは飯豊連峰。
飯豊山(右)から大日岳(左)につながる純白の量塊感は遠く離れていても目立つ。
いつ見てもその存在感に心を奪われてしまうのです。
気温0℃。風速2m。
絶景に囲まれながらランチタイム
そして下山開始。
再び霧氷の中を歩く。
復路はつづら折りコースを選択した。
楽しみにしていたヒップソリは「積雪が足りない」「コースが踏み固められていない」ということでまったくできなかった。
それでも身も心も安心して歩を進める。
やはり急斜面は嫌いだ。
ところが途中で後方からこんな声が聞こえてきた。
「登りは直登でよかったよね。こんなつづら折りを登ったら飽きてつまらなかったよ」
やはり嫁は冒険家だ。
尊敬の念を再確認しつつ登山口に戻った。
結局、6時間17分・6.5㎞の山行でした。
コースタイムより1時間は遅い!
甲子山の頂上からの景色は那須方面でもトップクラスだと思う。
あくまで主観ですが「那須岳」「赤面山」「観音山」と比べたら一番です。
理由は、大迫力の旭岳に一番近いから。
でもコースがつまらないので次回狙うならスノーモンスター&霧氷確定時の観音山かなぁ。
観音山↑
日帰り温泉については、到着が15時ジャストだったため大黒屋さんには間に合わず。
帰り道にあったみやま荘さんで入浴しました(16時まで)。
昭和の香りの内風呂&露天風呂。
やや熱めで気持ちよかった~。
最後の締めは「大清水の清水」で水汲み。
獣道のような場所の奥なので湧き水マニアか林道マニアじゃないとたどり着けないと思う
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