またもや地元の人の温かさに触れる
海部川ダウンリバー↓後の15時、大至急40㎞北の日和佐川へ向かう。
https://large-dog.iehikaku.com/archives/5147
そこはカヌーイスト野田知佑氏の終焉の地で、昨年非常に美味しい想いをした場所だ。
なんてたって川に湧くように鮎がいて、ヤスで突き放題だった。
日和佐川は日本では珍しい漁協がない川なのだ。
16時、野営地に到着。
大慌てで海パン一丁になってヤス突き開始。
ところがすぐに前回といろいろなことが違うことに気づく。
まず、水温が冷たい。
昨年は23~24度あった。
しかし今年は20度程度。
海パン一丁は10分でも無理。
そして肝心の鮎がいない!
昨年は360度どこを見ても常に20~30匹は目に入った。
それゆえ、冗談抜きで目をつぶっていても鮎が突けた。
(1匹目突いたら、警戒されるようになったけど)
それなのに今回は、ぐるっと見渡して5~6匹がさっと通り過ぎる程度。
明らかに3分の1くらいしかいない。
しかも小さい。
どれもこれも12~13㎝。
なのでウグイと見分けがつきにくい。
どう考えても突ける気がしない。
3分でギブアップ。
すぐにターゲットをテナガエビに変更してお魚キラーを仕掛ける。
エサは魚肉ソーセージ。
対岸まで渡って流れが穏やかな場所にお魚キラーを沈める。
水中マスクを付けて顔面を川に浸す。
10秒ほどで手のひら位あるテナガエビがテトラの下から出てきた。
これは期待できる!
獲物は今夜食べたいので、引き上げるのは薄暗くなった18時過ぎくらいがいいだろう。
手ぶらで川から上がるのは悔しいので、モクズガニを1匹手づかみで獲る。
今夜の食卓にワクワクしつつ、その場を離れることにした。
昨年、お世話になったおばあちゃんにご挨拶へ行くのだ。
彼女からは初対面にもかかわらず、
鮎やアマゴを約30匹、スダチをバケツ一杯&モアいただいた。
おまけに野田さんがよく遊んでいたという秘密の淵まで教えてくれた恩人。
なので今回は菓子折りを持って行く。
おばあちゃんの家の玄関から奥を覗くと、テレビを観ている彼女の後ろ姿が目に入った。
「こんにちはー! 去年お世話になった千葉の椎名ですー」
はっとした表情で彼女は振り返る。
そしてぱっと笑顔になった。
「覚えていますか?」
「覚えているに決まってるがな~。今年はこんかなと思ってたんよ」
(方言は適当。以下同)
紋切り型の挨拶を済ませると、おばあちゃんはすぐに眉をひそめた。
「今年の鮎は小さいやろ?」
やはりわかっていらっしゃる。
「そうなんですよ。数も3分の1くらいで突くことができません。どうしてですか?」
彼女は頬に手を当てつぶやいた。
「わからん。そうか数も少ないか」
だが、すぐに笑顔に戻って
「スダチはいっぱいあるけん、明日取りにおいで。鮎も小さいのなら冷凍してあるからあげるわ」
彼女と話をすると、毎回心がほんわかする。
嫁が「前回聞けなかったから」と携帯番号を交換してお宅を後にした。
その後、数百メートルだけシャワークライミングをした。
もう暗くなってつまらないーー。
コンビニで買い物をして野営地に戻ると19時を過ぎていた。
大至急、海パンで川に入ってお魚キラーを回収。
つつつつ冷たい。
引き上げると大1、中3の釣果。
テナガエビは、コンビニで買って来たワンカップの日本酒に浸けて絞める。
お魚キラーは野営地の足元に再設置。
翌朝が楽しみ。
宴会はスパークリングワインでスタート。
テナガエビの素揚げがピッタリ!
香ばしい&ほんのり甘い。
でも去年の方が味が濃かった気がする。
(ベビースターの風味だった)
なぜ?
モクズガニの塩ゆでは初体験。
ユーチューブで食べ方を調べる。
そのとおりにぱかっと開いてミソを舐めてみる。
苦い!
そんなはずは……。
半分に割った身に吸い付く。
細い脚から身を絞り出す。
甘い!
味が濃い!
旨い!
タラバガニより2割旨味が濃いイメージ。
だが身の量は10分の1。
なので食べるのが大変。
毛ガニの3倍くらい面倒。
要するに割が合わない。
もうリピートはないかな。
ちなみに後日、2人の地元の人に聞いたところ両者ともモクズガニは食べたことがないそうだ。
日和佐川にもカニカゴがたくさん仕掛けれてているが、ほとんどは地元の人ではないらしい。
10時40分就寝。
6時40分起床。
天候は予報どおり晴れ。
すぐにお魚キラーを引き上げると、でっかいテナガエビが3匹入っていた。
素揚げにして朝食のカップラーメンのトッピングにする。
朝っぱらからビールを飲んでゆっくりし、8時過ぎに川遊び開始。
朝なら鮎はいるかな?
潜ってみると、透明度は10m弱といったところ。
昨年と同程度。
しかし魚影は昨夕と同じで、かなり薄い。
泰楽とおもちゃで遊んでから場所を移動。
スーパーで弁当を買って、数百メートル上流の堰堤に行く。
ここでなんとか1匹突いたが、小さすぎて真っ二つになってしまった。
さっさと弁当を食べて野田さんの淵へ行く。
到着すると、なんと雨が降って来た。
今回の天気予報は、とことん外れるーー。
それでも淵の美しさは一級品。
エメラルドグリーンに輝いている。
とにかく遡ってみる。
透明度は天気に比例して悪化し、7~8mになっていた。
100mで支流と合流。
そこは川底に大岩が多くて変化に富んでおり、魚影たっぷりのパラダイスだった。
これは晴れていれば楽しそう!
やがて雨は本降りに
1.2㎞遡った時点でUターンを決断。
泰楽はブーツを1足無くす。
そこの河原には別荘のような手作り感満載の建物が立っていた。
その脇から道路に出ると泰楽が近くの倉庫につながれた飼い犬に吠えられる。
「どうした、どうした? おぉデカいな!」
倉庫から出てきた飼い主らしき人が泰楽を見て驚く。
しかし、ずぶ濡れ&ウェットスーツ姿の私たちには驚かなかったようだ。
見慣れている?
これは地元の人と話すチャンス。
「この辺に河原へクルマで下りてキャンプできる場所はないですか?」
と聞いてみた。
あれば次回の野営地候補にしたい。
すると
「クルマで? それならウチでええがな」
と親指を立て「カモン!」のような仕草で倉庫の裏を指さした。
「ウチ? もしかして別荘みたいな建物がありましたが、あれはキャンプ施設ですか?」
「そうや、見てみるか?」
と彼は河原へ向かって歩き出した。
ついて行くと別荘のように見えた建物は、クルマが縦に二台くらい入りそうな大きな東屋で、
その奥には10m四方くらいのウッドデッキが2つもあった。
「この東屋でよければ泊まってええで。トイレ(ウォシュレット付き)もあるし、カラオケもある。自由に使ってええで」
びっくり仰天してアウアウしながら、敷地内を歩き回る。
カラオケどころかピザ釜やテントサウナ、バー施設まである。
おまけに川までの距離は5mでいつでも出入り可能。
これほど完璧な仕様だとは思わなかった。
このときも雨はしとしと降っていた。
東屋があればタープを張らずにBBQができる。
「ぜひ泊まらせてください。買い物をして戻ってきます!」
と頭を下げた。
あとで調べるとそこは「椿谷自然体験村」↓というアウトドア施設だった。
https://www.awanavi.jp/archives/spot/1524
スーパーに行く前に、おばあちゃんの家に寄る。
鮎の甘露煮と冷凍鮎、スダチ&モアを抱えきれないほどいただく。
スーパーで刺身、ビール等を入手して椿谷自然体験村に戻る。
(ちゃんとお礼は支払いました)
宴会前に川へお魚キラーを仕掛ける。
たらふく飲んで夜空を見上げると満点の星が瞬いていた。
明日こそ晴れるだろう。
11時就寝。
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