犬と川遊び「秘境キャンプ地を探して林道を10km歩く」西荒川(栃木県)

秘境を見つける最短距離は人に聞く!

我が家は基本的に誰もいないところでキャンプをする。
犬をノーリードの状態にしておきたいし、
何より他人に気を使いたくないからだ。

なのでいつも林道の奥の奥へ行き、
「ここだ!」
と思える清流の河原で野営をする。

理想は半径3㎞以内無人。
注意するべきは熊のみ。
(嫁が刺されてからスズメバチも加わりました……)

ところが稀に
「なぜここに!?」
というところでお仲間に会う。

大体がジムニーかランクル(80以前の型)で来ていて、
ソロまたは少人数で静かに焚き火をしている人だ。

お互いに
<構わないでちょうだいオーラ>
を全開にしているので、
最初に目が合ったときに
「こんにちはー!」
と挨拶だけして、
可能ならば100m以上離れて宴をするようにしている。
だって、
「あぁー、あいつ安物の肉を食ってる」
とか思われたら嫌だもん。
それはあちらも同じはず。

だが、撤収時だけは違う。
お互いに孤独な夜を過ごしてスッキリしているはずなので、
結構話し込むことが多い。
テーマは
<ほかの秘境キャンプ地を知りませんか?>

服部文祥先生クラスになれば、
山奥を一週間でも二週間でも歩いて、
本当に誰も踏んだことのない地で野営をするのだろうが、
我々レベルは、所詮クルマが入れるところまでしか行けない。

秘境なのにクルマで行ける。
この矛盾を乗り越えるために常に情報収集を欠かすわけにはいかないのだ。

この夏もそれぞれ違うジムニーキャンパーから、
2つの耳寄り秘境情報を仕入れた。
1つは日光方面の西荒川林道。
もう一つは那須方面の清流。

聞いた瞬間に行きたくてウズウズしたが、
隊員1号の嫁はまったく乗り気になってくれない。

「だってどんなところか分からないじゃん。
下見なら一人で行ってよ」

我が家の家訓の一つは、
<合理的 is beauty>
嫁は無駄なことは大嫌い。
下見に行くらいなら、
貯まりにたまったドラマの録画をやっつけたいという。

仕方がない。
久しぶりに隊員2号の泰楽(ゴールデンドゥードル)と、
男二人で遠出をすることにした。

9月下旬の7時15分、日曜にもかかわらず渋滞なしで西荒井林道に到着。
そこで早速、事件発生。
まさかの林道入口が通行止めーー

聞いてないよー!
ユーチューブでは、ジムニーたちがガンガン走り回っていたのに。

ぶら下がっていた案内板を確認すると、
林道の途中で土砂崩れがあったらしい。

だが、高速道路を約200㎞もぶっ飛ばしてきて、
手ぶらで帰るわけにはいかない。
クルマがダメなら歩いて行く。

10分くらい歩いた先に、
パラダイスがあればめっけもの。
ちょっと行くだけなので泰楽にはヒル避けのブーツを履かせずに出発した。

かなり整備された砂利道。
歩きやすい。
おまけに下界(千葉県)は、今頃25度前後のはずだが、ここは15度。
清々しい。
ずんずん進む。

西荒川林道は途中でいくつも枝分かれしていて、
支流の河原にクルマでも入れそうなところが多い。

ただし、ジムニーオンリー。
我がデリカでは道が狭すぎる。
しかも河原に出たと思ったら、
川を渡らなければ先に行けない林道も多かった↓

これはジムニー乗りにはたまらないだろう。
デリカ乗りの私は、がっくりしながら林道本線に戻って来た。
同時に嫌な予感。
河原の手前でちょっぴり藪漕ぎをしてしまったのだ。
泰楽もぴょんぴょんついて来た。

恐る恐る肉球を確認。

オーマイガー!

吸い付いていました、ヒルが。
しかも4本足中3本=3匹も。

「ボクは大丈夫だよ」
と真っ黒お目目で私を見つめる泰楽。
大丈夫なわけがない。
だって血がだらだら出ているんだもん。
ブーツを履かせなくてゴメンよ泰楽。

こんなときは腹が座る。
ナメクジのようなルックスのこん畜生を親指と人差し指の爪で思い切りつまんで、
「えい! やー!」
とほん投げてやった。

と思ったら、今度は自分の手の甲に喰らいついて来た
大至急、反対側の手の人差し指で
ぴんっ!
とやる。
これを3回繰り返した。

ここまでで15分経過。
そろそろ戻りたい。
だが、川を見下ろすと大好物の光景がーー。

結構、透明度高いんじゃない!?
ヤマメ居そうじゃない!?

「あとちょっとだけ先へ!」
私の本能がそう叫ぶ。
ならば仕方がない。
歩を進めた。

スタートして2.7㎞の地点で大きな橋が登場。
その下の淵も大きい!

ここは全長20mの流れるプールとして活用できそうだ。
小魚もちらほら見える。

しかし、周辺は暗いジメジメした場所のみ。
ここでキャンプをしたらヒル地獄だろう。
惜しい!

この先ならもっといい場所があるはず。
ならば仕方がない。
歩を進める。

その先にも河原まで下りられる場所が何カ所かあったが、
すべてデリカではギリギリ&地面ジメジメ。

それでも川が上物なら無理をする価値はある。
試しに川の中にカメラを入れて撮影してみた。
すると黄色がかった水で透明度は5~6m。
意外に綺麗ではない。

魚はカワムツ↓とウグイがちらほらで、ヤマメは一匹のみ。

この時点で移動距離は5.7㎞。
もう潮時だろう。
肩をがっくり落としてUターンを決断。
西荒川にキャンプ地無し!

結局10㎞・3時間近く歩いてしまったーー。


ちなみに結局土砂崩れ地帯にはたどり着かなかった。
おまけに行きはランクル80、
帰りはジムニーとオフロードバイクとすれ違った。
そして林道の入口に戻ってきたら、
通行止めのバリケードは脇にどかされていた。
一体何なの??

気分を切り替えて尚仁沢名水パークで湧き水を汲む。
昭和生まれの我が家では、
飲み水を買うことはあり得ない。

さて、次こそは!
期待に胸を膨らませて那須方面へ向かう。
ジムニーキャンパーに教えてもらったのは、
秘境というより穴場。
行こうと思えばカローラでも行けるが、
誰も行くメリットを感じない場所だという。

たどり着くと、確かに林道ではなく舗装道路沿いだった。
だからだろうか、早速先客2名発見。
若者が河原でテントサウナをしていた。

これでは孤独になれない。
頭の上に
<???>
を浮かべつつ、とりあえず泰楽と川の中に入る。
今度こそブーツ付きのフル装備だ。

泰楽はヒルによる流血が止まって大はしゃぎ。

確かに水はきれい。
透明度は10m以上あるかもしれない。

イワナもいる。

ざっと数えて30匹ーー。
これは多過ぎないか!?
絶対に放流している。
つまり釣り人も多いはず。

ここでのキャンプも無し!

やはり、秘境キャンプ地探しは奥が深い。
これは一生続く旅となる予感。

今回は嫁を連れてこなくて良かった。
危うく
「こんな無駄なことに付き合わせて、プンっ!
とされるところだった

 

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