ブレーキの壊れたダンプカーのように引っ張る!
しつけによって実現したかったのは次の5原則。
1.リードを引っ張らない
2.無駄吠えをしない
3.勝手に食わない(拾い食いしない)
4.噛まない
5.留守番できる
5原則に対して行ったしつけはこちら↓
https://large-dog.iehikaku.com/archives/4096
このうち2~5は、2年以内にほぼマスターした。
「2.無駄吠えをしない」については、
「要求を通したいから吠える」場合は、
「何を言っても無視されるから時間の無駄だね」
という気持ちに変換させた。
また、「恐怖を感じて吠える」場合は、
たくさんの友人に頻繁に会わせたり、近所の超大型犬にあえて近づいたりして、
「世の中に怖い物なんかない!」
と思わせることで克服した。
その結果、1歳になる頃にはほとんど吠えなくなった。
これは、もともとバーニーズという犬種がおとなしいことも大きいと思う。
「3.勝手に食わない(拾い食いしない)」については、
初めから人間の食べ物を与えなかったので、
そもそも興味をあまり持たなかった。
(犬用の手作りフードは与えたけど)
「4.噛まない」については、
彼の人生で本気噛みしたのは、私に対してだけ。
その理由は、
「たったこれだけでそんなにぃ~~~~っ!」
(おしっこじょ~~~)
というくらい叱られたから。
それ以外は、友人の子どもに永遠に目つぶし攻撃されても、
すれ違いざまにコーギーに噛まれて出血しても、
じっと我慢していた。
これも、もともとバーニーズがおとなしいこともあるが、
プラスして
「いざとなったら家族が助けてくれる」
と感じてくれていたことが大きかったと思う。
とはいえ、実は3歳くらいまで嫁に甘噛みを続けていたらしい。
私の見ていないときに嫁が構うと
「ガブ、ガブ、ガブ」
「ガブ、ガブ、ガブ」
彼女が
「イタイ! やめてぇ~!」
と懇願しても
「でへへ~~~っ」
「ガブ、ガブ、ガブ」
「ガブ、ガブ、ガブ」
さすがに出血ダラダラにはならなかったが、
いつも前腕部は青アザだらけだったそうだ。
彼女はそのことを前太が天国に行くまで黙っていた。
(「そもそも青アザに気づけ!」と思うかもしれないが、
嫁はちょっとぶつけただけでもアザになるので、「またかぁ~」と気にならなかった)
たぶん、前太の中では
私=うるさいけど生きていくのに必要な存在
嫁=いつもやさしい遊び相手
と役割分担が決まっていたのだと思う。
だから嫁には甘えて噛んでいたのだろう。
それでも3歳を過ぎる頃には、
やらなくなったそうだ。
「5.留守番できる」については、
家に来て10日目以降は、
独り寝&お留守番の毎日だったので慣れるしか選択肢がなかった。
(吠えても無視されるし)
しかしながら、なぜか1歳を過ぎたあたりで分離不安を発症し、
自分のしっぽの毛を噛んで抜いたり、
サークルを噛んで多少キズを付けたりした。
それも留守番中にガムをあげたりすることで、
1~2年で解決した。
ちなみに生後半年くらいで
反抗期
もあった。
きっかけは我が家のリビングで友人と立ち話をしているとき。
突然、前太が間に割り込んできて
「ぶりぶりぶり~~~っ」
とウンチをしたのだ。
足元で繰り広げられる阿鼻叫喚(あびきょうかん)。
ふたりそろって呆然と見下ろしていると、
前太は
「すっすいませ~~~ん!」
としっぽを丸めてダイニングテーブルの下に逃げ込んだ。
怒られることが分かっていてやったのだ。
それからしばらくトイレを失敗することが続いた。
犬に反抗期があることなんて知らなかった私は、
その都度叱ると同時に悩んだ。
「この子はバカなんじゃないか?」
と。
しかし、それも2カ月くらいで元に戻った。
そんな感じで比較的上手くいっていたしつけだが、
どうにもならなかったのが、
「1.リードを引っ張らない」
だ。
散歩のときは毎回全身全霊をかけてリードを引っ張る。
こちらがいくら立ち止まろうが、
方向転換しようが、
ブレーキの壊れたダンプカーのように引っ張る。
引っ張って、引っ張って、引っ張りまくる。
また、毎週のように海に連れて行っていたが、
誰もいない砂浜でリードを外すと、
まさに脱兎のごとくダッシュし、
200mくらい離れることもあった。
そのたびに
「ヤバい。警察に通報されるかも!」
と追いかけるのだが、
10mくらいまで近づくと逃げる、
を繰り返して波乗り前に疲れ果ててしまった。
(なのでノーリードなんて夢のまた夢……)
何度
「もうーー疲れた!」
「一生無理かも……」
とくじけそうになったことか。
しかし、それは
息子が長ランを着たり、金髪にしているのを見て見ぬふりをするようなもの。
「体重40kgオーバーのやんちゃ坊主を野放しにはできない」
「パトラッシュはいつもノーリードでついて来ていたではないか!」
と自分に言い聞かせて、
リードに力を込め続け、方向転換を繰り返した。
そんな感じで気づくと前太は3歳になっていた。
ちょうどその頃から変化が表れてきた。
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