首都圏から日帰り可能・初心者にも最適!
2026年1月10日 てんくら見晴らし予報◎ WINDY:雲なし
雪山に登り始めて13年。
昨年辺りから急に山選びが贅沢になった。
・色は純白と蒼しか見たくない
・稜線しか歩きたくない
・山頂からはデッカい景色が見たい
・でも急登の連続は嫌だ
・なにより犬連れOK
千葉県から日帰り圏内で、この条件を満たす山は数えるほどしかない。
マジで10座もない。

その中で、もっとも優しい山が新潟県の大力山(標高504m)だ。
今回は、ドゥードル仲間のぷっちゃん家と一緒に登ることにした。
8時35分、登山口近くの駐車スペースに到着(トイレなし)
キャパ12台中、路駐含めて20台。
最後尾に停めた人が、それ以上停めさせないようにカラーコーンを並べていた。
(トイレはクルマで3分の魚沼ICのセブンイレブンで済ませました)
その人に「この辺で停められるところはないですか?」と泣きつく。
「この道をそのまま走って行くとUの字を描き始めます。そのあたりに体育館の駐車場があります。そこなら停められます」
やけにくわしいな、と感じたら、なんと私服のおまわりさんだった!
「案内しましょうか? ついて来てください!」
ありがとうございます!

無事「小出第3体育館」に駐車。
駐車スペースは5台分ほど。
綺麗に除雪されている。
我々が最初だった。
クルマの温度計を確認するとマイナス9℃!
このエリアとしては特別に低い。
でも朝日がさんさんと降り注いでくるので、それほど寒さは感じない。

9時ジャストに登山開始。
登山口まで住宅街を400mほど歩く。
いつもの駐車スペースなら100m。
せっかちな私には痛い――。

登山口は宝泉寺脇。
除雪後の1mくらいの雪の壁を乗り越える。
昨夜は雪が降ったはず。
それでも積雪は50~60センチといったところ。

しばらく杉林の中程度の傾斜を登る。
朝日に目を細めながら黙々と進む。

とはいえ、退屈なのはここまで。
登山口から300mほど進むと秋葉神社に到着。
全員で整列して登山の安全と、それぞれ秘密の希望を祈願する。

ここでスノーシューを履く。
一気に踏破性アップ。
みし、みし、みし。
雪を踏みしめる感触が足の裏から脳天に伝わる。
久しぶりで心地いい。

その先は雰囲気が一変。
下山まで純白の稜線歩きが続くのだ。
ぷっちゃん家族は、スノーシューを履いた長距離登山は初めてとのこと。
この360度視界が突き抜ける、ほどほど傾斜のコースは最適ではないだろうか。
中程度と緩い傾斜を繰り返しながら進んで行く。
楽ちんとは決して言えない。
でも、前方はまるで雲の上を空中散歩しているような白と青だけの世界。

振り返れば視野から大幅にはみ出す魚沼の街並み。
疲れを覚える隙間が無い!
上昇中の太陽が新雪をキラキラと輝かせている。
気温計を確認するとマイナス2℃。
道理でこめかみから汗が垂れて来るはずだ。
全員、徐々に薄着になっていく。
そこで数少ない「急登」と言える斜面が登場。
見上げてもその先が分からない。
この時点で、すでに人間も犬もハイな状態に。
「よっしゃ!よっしゃ!」
「ハイ!ハイ!」
「バウ!バウ!🐶」
みんな勝手なかけ声を出し合って、つま先で雪面を蹴っていく。
嫁さんと私は、この後の景色を知っている。
自然と目が合い、かすかな笑みを交わす。
「ぷっちゃんさ~ん、先に登ってくださーい!」
「はーい!」
何も知らない彼らは素直に返事をくれた。
視界上方の割合が、白銀から青空に段々と切り替わっていく。
そして登り切った先には――。
👀👀👀

これです!
これがこのコースの最大の見どころ、八海山、中ノ岳、越後駒ケ岳の越後三山。
いわゆる「ハナコ」の大パノラマです!

「うわわわ~っ! いきなりなんですね!👀」
ぷっちゃん家族は、菩薩様を眺めるような恍惚の表情で立ち尽くす。

「まぁ、まぁ、そんなところに立っていないでこちらで一休みしましょう」
ここは東屋がある休憩所。
もう少し経つと東屋は雪で埋まってしまう。
ちょうどいい感じの積雪だったので、ここでおやつタイムとした。

我が家のメニューは、定番の「ミニ羊かんの新雪和え」
北八ヶ岳など気温が極端に低いエリアの新雪を乗せると、口に含んだ瞬間、雪の粒々感ゼロ。
まるで冷気そのものが羊かんを包み込むように甘味を中和して上品な味わいになる。
今回も、それを狙って皆さんに振舞ったが、やはり標高が低い分だけ雪が重かった。
要するに通常の氷あずき。
それでも個人的には美味しかったけど。
そんなことをワイワイやっていたら、背後から聞きなれた声が。
「あぁ~、やっと着いたよ」
「およっ、このワンちゃん千葉から来たのか!?」
振り向くと、おなじみの地元山岳会のおばあちゃんたちだった。
「そうです。今年も来ました。お元気でしたか?」
「そうかい、そうかい。皆さん千葉県からかい?」
「こちらは東京からです。はじめてきました」
「そうかい、そうかい。ならこれからは毎年来てね!」

「ほら、れんこんの塩こうじ漬け食え!」
「名物の豆食え!」
今年も地元の食材をたらふくいただいた。
毎回・毎回ありがとうございます!
もうお腹いっぱい・胸いっぱいだが、お楽しみはこれから。
実は、山頂は300メートル先なのだ。
ベンチに根を張った腰を無理やり引き抜いて向かう。

とはいえ、ここまで来たらもう登りはほとんどない。
要するに「気持ちいい」しか残っていない!
しかも山頂までは「ハナコ」に向かって一直線に進む形になる。
全員がのんびり自分のペースで越後三山に吸い込まれていく――。

11時50分、スタートから2時間50分で登頂。
(コースタイムは1時間30分です)
山頂は、10メートル四方くらいの広い空間。
そこで15人ほどが思い思いの場所でハナコと昼食を堪能していた。
これだけ大人数だと、犬連れの我々はいい場所が見つからない。
「うぅ~む」と行ったり来たりしていたら、一等地に座っていたおじさんの二人組が下山して行った。
その跡には3帖くらいの平らなスペースが。

ラッキー!
大至急、テーブルとイスを広げる。
真正面には越後三山が迫っている。
こんな贅沢な食卓は、めったにない!

なお、背後には美しく雪化粧した苗場山や妙高山が並んでいた。
無風・快晴・気温2℃。
天気予報は快晴だったものの風速は10mだった。
いい方向に外れてくれた。

「たまらん、たまらん」
あまりに条件が整った食卓。
全員感嘆詞しか出ない。
視線はハナコに固定したまま、熱々のカップラーメンをかき込む。
お上品なぷっちゃんは、雪の上に座れないので、常に旦那さんの膝の上でお食事。
泰楽は、ふかしたサツマイモをむさぼる。
横取りしてかぶりついたら、ねっとり甘味濃厚系!
その後、嫁さんと泰楽はイモを取り合いバトルしていた。
食後は、ただ、やさしく見下ろしてくれる越後三山を目を細めて見上げる。
あそこの峰に立ったらこちらはどう見えるのだろう。
あれだけ雪煙が上がっているなら風速は10mを軽く越えているな。
想像が、ほろ酔い気分の焚き火談義のように終わらない。
「次に行きたい雪山はどこですか?」
「そうですね、ぷっちゃんが臆病なので誰もいない山がいいですね」
彼女は旦那さんの腕の中でスヤスヤ――。
風の音さえ聞こえない。
先ほどまでの喧騒が消えている。
はっとして周囲を見回す。

ぽつん――。
大雪原に存在しているのは私たちだけ。
なんと山頂を貸切りにしているではないか!
まだ時刻は12時25分。
ならばこの空間を大いに味わい尽くそう!
「泰楽ー、こっちおいでー!」
「かわいいねー! 凛々しいねー!」
「ぷっちゃんもこっち来られるかな??」

ちょうど誰かがつくった雪のひよこが行進していたので撮影会。
結局、山頂には1時間以上居座ってしまった。

下山も楽しいことが目白押し。
いや、むしろこれからがメインイベントといえる。
引き続き八海山へ向かって進む。
巨大な氷山を荒々しく削り出したような雄々しい山容がどんどん迫ってくる。
やがてコースは右にカーブ。
ここで越後三山とお別れかと思いきや、あまりに壮大なのでまるで満月のようについて来てくれる。
個人的にこのコースで一番楽しみにしている場面だ。

やがて稜線は、滑らかな曲線を描く純白のホイップクリームに。
その先には白銀の山々が、やや西に傾いた日差しを受けて輝いている。
どこを切り取っても最上級の絵画だ。
ザ・雪山の風景。

ここでは誰もが一流のフォトグラファーになれる。

やがてコースは左右に分岐する。
左側は雪庇の上を歩く上級コース。
この日はトレースがなかった。
なので一般的な右コースを選択。

この先にもお楽しみがある。
ほとんど一直線に下るので、スリリングなヒップそりを体験できるのだ。
ぷっちゃん家は、ほぼ初体験という。
前後1㎞無人。
ご夫婦とも歓喜の声を上げて滑り下りて行った。

特にラストの滑りは50メートル以上ノンストップ。
S字を描くドリフトするような操作感もあり。
まるでボブスレー。
歓喜の声が響き渡った。

下り切ったら約1㎞の車道歩き。
手前の駐車スペースなら600メートルなので悔しい。
住宅地をショートカットして5時間55分・6㎞ジャストでゴール。
天候・雪質・コース・眺望・メンバー、すべてに大満足の雪山でした。

下山後は、「見晴らしの湯 こまみ」で汗を流す。
その後、「水の郷の天然水」を汲みに行ったが故障中だった。
残念!

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