奥久慈男体山・茨城|「紅葉」を上回る「黄葉」!極彩色の秋の宴に酔いしれる犬連れ紅葉登山

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鮮やかな黄金色の絨毯とムラサキシキブに感動!
2025年11月24日

前日は、生瀬富士・月居山で押し寄せるような赤の紅葉に溺れた↓
【茨城の犬連れ紅葉登山】生瀬富士・月居山|ジャンダルムに驚き、真っ赤な紅葉に酔いしれ、袋田の滝を見下ろす縦走路

その日は近くの久慈川の河原で車中泊。
20時35分、疲れ切ってヌクヌクの電気敷毛布に包まれて就寝。

電気敷き毛布 USB給電式


5時13分、起床。
気温5℃。
喉痛く無し。
鼻づまり少々。
(生まれてからずっと鼻炎です)
電気敷き毛布のおかげで快適に眠れた。
クルマのスライドドアを開けると、ほぼ真っ暗。
振り返ると北斗七星がハッキリとひしゃくを描いていた。

北からの微風が眠気を顔面に当たり、眠気を削り取っていく。
昨日、見事に色づいていた森は霧の中。
今、近くの山に登ったら雲海が広がっているだろう。

車内の泰楽と嫁さんは、目が開いているのに微動だにしない。
仕方なく1人でヘッドライトを装着。
クルマから下りて昨晩のお汁粉を温め直す。

嫁さんと泰楽がお汁粉の香りに釣られてノソノソ出てくる。
気温が一桁になると、こいつの温かさとねっとりとした甘さが胃袋に染み渡る。
お腹が満たされたら奥久慈男体山654m)に向かって出発だ!


7時20分、道中で雲海が広がっていた。
でも、今から登ったら山頂からは間に合わないだろうなぁ。


7時45分、男体山麓駐車場に到着。
先客なんとゼロ!
紅葉の季節なのに!?
ここは365日空いている。


大きな理由のひとつは、この登山口手前200mの道路幅だと思う。
本当に目が点になるくらい狭い(推定幅2.5m)。
運転に自信のない人は、軽自動車以外では来ない方がいい。


7時50分、登山開始。
どうか熊さんが出ませんように!
「チリン、チリン、チリリンっ!」
鈴を振り回してスタート。

このコースは、最初から最後まで中程度の傾斜が続く。
昨日の下りの急階段が響いて太ももがジンジン痛い。
嫁さんがどんどん離れていく。
やはり毎日電車通勤している人は強い!


スタートから数十mは杉林。
その後、右側がモミジのみのエリアに。
8割くらい色づいている。
でもワクワクしない。
なぜ??

それは日陰でどんよりとしたえんじ色の世界だから。
帰りに日が当たることを期待しよう。

どんよりエリアを抜けると、いきなり空気がふわっと軽くなった。
カーブを曲がったことで日差しが入るようになったからだ。
見るものすべてが鮮やかに色づいているではないか!

360度広葉樹。
モミジの赤系はグッと減ったが、大ぶりなカエデとコナラの黄色を中心に、コシアブラのレモンイエロー、ウルシ系のオレンジ、常緑樹の黄緑と緑――


さらに鮮やかな紫まで登場した。
植物で紫を見るのは生まれて初めて。
帰って調べたらムラサキシキブというらしい。
これほどまで色彩豊かな登山道を歩いたことがない!


先頭で嫁さんがつぶやく。
「何でこんなに明るいんだろう。そうだ、地面が黄色いんだ!」 

そう聞いて目線を落とす。
そのとおり!
我らの行く先が、ずっと黄色い絨毯になっている。
今までモミジの赤い絨毯は何度も見てきたが、多種多様な落ち葉による黄色い絨毯は、これまた初体験。


私は盲目的な紅信者
でも、ここまで極彩色の秋を供せられると上機嫌にならないわけにはいかない。
モミジの赤い絨毯は芸術的な華やかさがあるが、こちらは賑やかさがある。
すべてが明るい色調だが全部違う色。
それぞれがワイワイ、ガヤガヤしている宴のようだ。
参加できたことがうれしい!

「いいね~、いいね~」
独り言をつぶやいていると、先で嫁さんがしゃがんで遠くをじっと見つめている。
「なにしてんの?」
「この谷見てよ。全部黄色だよ」
と指をさした。

そこには登山ではありがちな落ち葉の谷があった。
そのほとんどは茶色の世界。
ところがここは一面鮮やかな黄色
突き当りはさらに鮮やかなイエローのコアジサイの群生地。
もうめまいがしそう。
(なので写真を撮り忘れた――😝)


この豪華絢爛な宴の最終地点は黄色のトンネルだった。
昨秋、ここを登ったときは、ほとんどの葉がまだ青々していた。
なのに山頂直下でいきなり全部落葉の冬景色に――。
そのときのテーマソングは「映画色の街~♪」の『瞳はダイヤモンド』。
一方で今回は知らぬ間にEPOの『う、ふ、ふ、ふ、』をローテーションしていた。
軽やかな春の歌が似合う空気感なのだ。


このように見どころが続くコースだが、地形自体も飽きさせない
繰り返すが、ずっと中程度の傾斜。
その所々で岩のロープ場が登場する。
紅葉よりむしろ岩が好きな嫁さんは大喜び。
小鹿のように軽やかに登って行った。
私は太ももが痛いんですけど――。


しかしながら残念なお知らせも。
もっとも期待していた枝ぶり直径6mの大モミジに、まったく元気がなかったのだ。
葉の数は昨年の半分以下。
下を通ると暗くなるくらいだったのに今回はスカスカ。
おまけに直径20㎝くらいのぶっ太い枝が折れている。


周囲のモミジの大木も、たった1年で同様の変貌っぷり。
もう寿命なのだろうか――。
昨年の様子↓
奥久慈男体山(茨城県)|犬連れで紅葉と絶景の岩峰を手軽に楽しめる名山


1時間14分・1.2㎞で登頂。
その間すれ違った人は、まさかのゼロ。
清々しいどころかちょっぴり熊が怖いくらいだった。


山頂からの眺めは相変わらず絶景。


空気が澄んでいたので、遥か彼方の太平洋まで見渡せた。


その反対側で存在感を放っていたのは大佐飛山(1908m)
すでに雪化粧していた。


ゴール間近では、期待どおり日差しに輝く真っ赤なモミジが待っていてくれた。

トータルたった2.5㎞・2時間50分のにぎやかな山行でした。
こんなに費用対効果の高い山はなかなかない。
やはり私のなかの低山ナンバーワンだ。
でも、紅い紅葉の大木がつくづく残念。

これで今シーズンの紅葉登山の山場を越えた。
次回は地元千葉県の紅葉を探ってみたい思う。

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