愛犬の歯石を自宅で除去する方法

やってみれば意外に簡単!

はずかしい話だが、
我が家の犬は先代(バーニーズマウンテンドッグ)も含めて歯を磨いたことがほとんどない。

はじめての愛犬だった先代を迎えたときは、
歯ブラシやガーゼなどを揃えたが、
2~3回使ってやめてしまった。
理由は面倒だからーー

ならば虫歯に悩まされたかというと、
まったくそんなことはなかった。

バーニーズマウンテンドッグは、
「3歳までは幼犬、6歳までは成犬、9歳までは老犬、10歳からは神様の贈り物」
といわれるほど短命。
しかし息子(先代)は、
10歳になっても虫歯1本なく元気いっぱい。
11歳を過ぎてからも登山を楽しんだ。

最後にカヌーをしたのは11歳8カ月。

その1カ月後(11歳9カ月)に旅立っていった。
これはバーニーズマウンテンドッグとしては、かなりの長寿。
兄妹犬のなかでは、もちろん断トツトップで、
ブリーダーからも「えらい!」と電話がかかってきたほど。

旅立った時点でも虫歯はゼロだった。
そもそも犬は虫歯になりにくいらしい。
人間の唾液が弱酸性で虫歯になりやすいのに対し、
犬はアルカリ性だからだ。

しかしながら、アルカリ性のほうが歯垢の石灰化が進むので、
歯石ができやすくなる。
歯石は歯周病の温床。
歯周病が酷くなると、歯茎どころかその下の骨まで溶けてしまう。
そこまで進行すると、ほっぺたに穴が空いてしまうこともあるらしい。

先代犬も現在の泰楽(ゴールデンドゥードル)も、
歯石はめちゃくちゃできる。

だから歯磨きはしないが、
歯石取りは毎月行うようにしている。

そこでドッグランなどで知り合った方から
どうやって?
と聞かれることがある。

そのとき私は
「マイナスドライバーで削ります」
と答える。

すると大体が苦笑いとともにドン引きされる
「歯石取り=獣医師の仕事」
であり、
「素人が削る=歯を傷める=虐待」
と考えるからだろう。

しかし、実際には問題になっていない。
とはいえ、1年ほど前もドン引きされたので、
念のために自分が通っている歯科医に
「犬の話なのですが歯石をマイナスドライバーで除去してもいいのでしょうか?」
と聞いてみた。

すると獣医師までも苦笑い……

だが、しっかり回答してくれた。

「犬のことはわかりません。
しかし、人間でいえば問題はありません。
モノの硬度の尺度に「モース硬度」というものがあります。
硬さを10段階で表し、
チョークが1、
鉄が4、
ダイヤモンドが10です。
それでいうと歯の表面にあるエナメル質は6~7です。
だからマイナスドライバーで削ったくらいでは傷つかないと思います」

犬と人間は違うかもしれない。
しかし、先生のこの言葉で私としてはすっかり安心してしまった。
これで心おきなく削れる。

やり方は簡単。
まず、お腹を見せるポーズをとってもらう。

これができない関係なら、歯石を取ろうとしてもたぶん噛まれる。

次に道具を構える。

我が家の場合は眼鏡用の精密ドライバーだが、
専用のスケーラーという道具のほうが使いやすそうだ。

そしてお口をぐいぃ~~っと引っ張って奥歯からガリガリやる。

奥歯からやる理由は、
前歯(犬歯)は簡単なので嫌がりはじめる前に面倒な奥からやってしまおう、
ということ。

ガリガリすると、歯石がゆで卵の殻のようにポロっと取れていく。
結構気持ちいぃ。

歯石除去を獣医師にお願いすると、
麻酔なしで5000円前後(体格による)、
麻酔ありで3万円前後(体格による)、
するらしい。
しかも麻酔なしの場合は、暴れるので1回で終わらないことが多いそうだ。

トリミングも自宅。
歯石除去も自宅。
しがないフリーライターの愛犬はこれでいいのだ。

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