三峰山ー長野県で犬連れ雪山登山|北アルプス75kmが横一線に並んだ奇跡の大展望稜線

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百名山に囲まれる快感に酔いしれる
2月14日
てんくら:見晴らし予報◎ 積雪30㎝以上 1℃風速8m WINDY:雲なし

絶景の雪山ベスト3で2位とした三峰山
首都圏から日帰り・犬連れ可能な絶景の雪山登山ベスト3

全長2㎞の広大&純白稜線歩き。
百名山の百花繚乱。

だが、胸の奥にどうしても取れない引っ掛かりがあった。
それは北アルプスの展望だ。
あれだけ条件の揃った山なのに、主役の北アルプスの姿がほんのりボカシが入っていたのだ。

なので、年が明けてからずっと完璧な週末を狙っていた。
当初の予定は1月の第4土曜日。
この頃なら積雪も十分なはず。

だが、週末に限って曇天が続く。
しかも今年は特に雪が少ない!
「まだぁ?まだぁ?」とウズウズしつつ3週間が経ってしまった。

そして4週目の2月14日(土)。
3日前の水曜日にドカ雪が降った。

てんくら見晴らし予報◎
積雪30cm以上
風速8m。
この日しかない。
ときは2月中旬、もしかしたら今年最後のチャンスかもしれない!


7時40分、駐車場に到着。
なんと2番目!
でも、その後10分間でぞくぞく。
満車(7台)になる。
長野県民は、皆さんお寝坊さんなの?

クルマを降りると、カキンっとした冷気が頬を叩く。
気温-5℃だが、もっと低く感じる。
頭上で風がゴーゴー鳴っているが体感は無し。


8時3分、登山開始。
登山口は駐車場から50m。
積雪5㎝。
ところどころ地面が見える。
最初からチェンスパ装着。

しばらくカラマツとミズナラの樹林帯。
緩い傾斜を進む。
薄暗くてさらに寒い!
気温計はー10℃を指していた。


林道を2回横切ったら足元に日差しが届いた。
右側がススキの草原に。
そこを登りきるとツンっと酸っぱく香ばしい刺激が鼻を突く。
獣臭だ。
たぶん、周囲に鹿がうろうろしているはず。


1時間・1.6㎞で古峠に到着。
振り返ると中央アルプスが並んでいる。
正面の木立の隙間には浅間山。
そこを左折する。

点々とマメザクラが生えているが明るい斜面。
中程度の登りになる。
ここを登りきるとシラビソとダケカンバの森に。
積雪が足りないのでモンスターとは程遠い。


そこから先は、いくつかアップダウンあり。
ダウンはヒップそりで下りる。
ご機嫌ワンランクアップ。


途中で中程度の登りに。
鞍部なので積雪が一気に増。
50㎝くらいある。
モフモフ好きの嫁さんのご機嫌が一気にアップ。

1時間20分・2.2㎞でその斜面を登り切る。
前後の展望が開ける。

ここで早くも主役級が登場。
正面に御嶽山と乗鞍岳が立ちはだかっている!
両雄とも周りと比べて白さが別格。

後ろには八ヶ岳も登場。
前後を交互に眺めつつ羊かんのおやつタイム。

そこからも中程度の登り。
振り返ると富士山の頭がぽこんっと出てきた。


2時間・2.8㎞で和田山北峰に到着。
やっと三峰山の滑らかな曲線が現れる。
ただし、期待していた白一色ではない。
足元の積雪は30㎝。
それなのに山体の下から3分の2は枯草色。
どうやら常に強風にさらされているので雪に覆い尽くされることは、ほとんどないようだ。

その左手には、ついに北アルプスの一部が登場。
やはり存在感が別格。
特に山頂から下の積雪の幅が、横の南・中央アルプスと段違い。
だが、その姿は進むごとに三峰山に隠れていった。
(あえて見せません😝)

右手にいつもは主役級の浅間山とその外輪山、そして四阿山も登場。
だが、彼らは頭の先だけちょこんと白い。
今回ばかりは脇役のようだ。


ここから約2㎞の極上ビューがスタート! 
ただし、障害物が360度なくなるので、風速8~10mの西風が直接ぶち当たってくる。
頭のフードが常にバタバタを大暴れ。
幸い気温が2℃と急上昇し、日差しがさんさんと降り注いでくれている。
あまりの広大さに遠近感が破壊される。
大雪原を浮遊しているような錯覚に陥る。


この状況に嫁さんと泰楽は思考崩壊。
途中で脇道の古墳のようなマシュマロ小ピークに飛び込む。
ラッセル!ラッセル!
無駄に汗だくに😅
見上げると、そこは不純物が一切ない白と群青のみの世界だった。
その境界線に赤い服を着た泰楽が私を見下ろしている。
時間よ止まれ。

こんなご機嫌な異空間でも、10分も吹きさらされていると冷気が身体に沁み込んでくる。
保温ボトルに入れてきたココアを口にする。
唇に触れた瞬間、ぴっと背筋が伸びる熱さ。
ぐっと目をつぶって飲み込む。
液体は喉から食道を通って胃袋へ。
ほわっと温かい液体が移動していくのが1㎝単位でわかる。
その道筋を中心に、ぽかぽかが広がっていく――。


大海原のように広大な雪の稜線を進む。
振り返ると八ヶ岳が迫って来る。
手前の優美な円錐型の蓼科山が存在感を誇示している。
そこから主峰赤岳を隔てた富士山も、こちらの高度が上がるごとにすそ野をのばしてくる。
両雄のサイズ感は互角。

でも、ここから蓼科山の距離は約16㎞。
富士山は約100㎞。
「なんで同じ大きさに見えるんだ!?」
「富士山のせいでサイズ感覚がバグるね!」
ゴーゴーと唸る西風に負けない声で山談義を弾ませる。
泰楽は「ボクのことを忘れないで!」と二人の間を行き来して太ももに頭突きを繰り返す。

彼が大好物の木の棒を拾ってあげたいが、雪に埋もれて見つからない。
気づくと周囲の人影がゼロに。
半径1㎞以上無人。
風に吹かれて立ちすくみ、ぐるぐると身体を回転させる。
圧倒的な孤独なのにさびしくはない。

正面は三峰山の頂。
左側には御嶽山、中央アルプス、南アルプス。
後ろには富士山と八ヶ岳。
右側には日光白根山、浅間山、四阿山。

「稜線歩きなのに、ずっと頂上いるみたいだね」 
嫁さんがつぶやいた。

ついに最後の傾斜にとりつく。
ここを登れば三峰山に登頂だ。
5m先に嫁さんと泰楽が歩いている。
彼女の頭が地面と空の境界線を越えた。


「う~わぁ~!」 
強風をかき消す歓喜の声。
私の視線も地面を越えていく。
その先に現れたのは、横一直線に整列した純白の北アルプスだ。

右側の白馬岳からスタートし、鹿島槍ヶ岳、剣岳、立山、燕岳、常念岳、槍ヶ岳、奥穂高岳、乗鞍岳と全長約75㎞の巨大屏風が一点の曇りなく見渡せた。
彫刻刀で削り出したような繊細な陰影まで鮮明に迫って来る。
「当たった。きょうは大当たりだ!」
脳裏にこの言葉が噴火のように突き上げてきた。

山頂標識まで約50m。
嫁さんと泰楽は、そちらに吸い寄せられるように向かって行く。
さすがに山頂には5~6人の登山者がいた。
全員が呆然と北アルプスと対峙している。
まるで何かの儀式のようだ。

私は山頂標識で記念撮影をしたい。
だが、嫁さんたちは、そこを通り過ぎて一番奥へ。


到着すると、泰楽は事前に打ち合わせをしたように岩に登ってポーズを決めた。
彼は自分の仕事を熟知している。
撮影タイムのスタートだ。
我々はバタバタと頭のフードをはためかせ、シャッターを押し続けた。


気づくとここも無人に。
ほかの登山者は、あまりの強風で写真を2~3枚撮ったら下山してしまうのだ。
我々も、さすがにここでランチとはいかない。
残念!

帰りがけに嫁さんがつぶやいた。
「ここの山頂は、360度百名山の囲まれる。どれも1つ見れば満足する山ばかりなのに感覚がおかしくなるよ」 

すべての名山が、ほぼ等間隔の距離感。
(富士山だけバグっています)
前回は、北アルプス方面がガスっていた。
だから今回はじめて“百名山に囲まれる快感”に酔いしれることができた。
こんな贅沢な山は、ほかにないかもしれない。


下山時も、延々と続く白銀稜線を貸切で闊歩する。
どれだけ歩いてもずっと大雪原。
その間、目の前には常に八ヶ岳、右側には御嶽山。

「八ヶ岳はあまりにも身近すぎて近所の裏山みたいだね😝」
嫁さんがちょっと申し訳なさそうに言う。
「それなら御嶽山は街角でいつも日向ぼっこしている長老さんだ」


樹林帯に入ると風をかわせる。
御嶽山と乗鞍岳を望める展望台で鍋焼きうどんの昼食。


泰楽はサツマイモを1本丸ごと平らげた。
ここで複数の人が山頂方面に歩いて行った。
午後からでも登る人は多いようだ。

7時間・9.5㎞でゴール。
ついに三峰山を極めた気がした。

 

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